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宇宙空間でラーメンがつくれる?ユーグレナが挑む「2040年サステナブルラーメン」【Steenz Breaking News】

宇宙空間でラーメンがつくれる?ユーグレナが挑む「2040年サステナブルラーメン」【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、宇宙空間の長期滞在を実現するためのカギとなる宇宙食についてご紹介します。

宇宙でも食べられるラーメンを開発

サステナビリティを重視した食品・化粧品などのヘルスケア事業、バイオ燃料事業などを展開する株式会社ユーグレナは、未来の宇宙食として「2040年サステナブルラーメン」の開発を進めており、3月22日から試作品を作るためのクラウドファンディングをスタートしました。

このプロジェクトは「宇宙食3.0」と位置づけられています。地上で調理したのものを宇宙で食べるのが「宇宙食1.0」、地上から食材を持っていき宇宙で調理するのが「宇宙食2.0」、そして、宇宙で食材を育てて調理するのが「宇宙食3.0」なのです。ちなみに、現在は「宇宙食1.0」の段階です。

その地で育ったものを、その地で食べる……ある意味、究極の「地産地消」ともいえる宇宙食が開発されれば、宇宙での生活に向けた課題のひとつであった、宇宙空間での食料自給問題の解決にも近づくとして期待されています。

2040年サステナブルラーメンとは

今回、ユーグレナは、「宇宙食3.0」づくりの第一弾として、世界中で愛される日本のソウルフード「ラーメン」を選びました。その名も、「2040年サステナブルラーメン」。2040年代には、月面基地に約1,000人が移住すると言われていることから、この名前がついたそう。

今回のラーメンづくりには、「うまいヌードルニュータッチ」でおなじみの老舗食品メーカー・ヤマダイ株式会社も参加。「宇宙食3.0実現への可能性を秘めている」「ラーメンとしてのおいしさも保証できる」のふたつをクリアする食材を求めて、試作と試食を繰り返し完成しました。

一般的なラーメンと変わらない見た目ですが、スープには宇宙空間での生育研究が進んでいる「オーランチオキトリム」という藻を使用。また麺は、カムット小麦に酵素技術を加え、モチモチとした食感に。そして具材は、シャキシャキとした食感と小松菜のような甘みが特徴の「ウチワサボテン」と、ユーグレナを配合した代替肉「NEXTユーグレナ焼肉EX」をトッピングしています。

動物性原料不使用栄養豊富で、また宇宙空間でロスが出ないように、スープまで飲み干せる、減塩にこだわったラーメンです。

宇宙での長期滞在には満足度の高い食事が不可欠

宇宙空間への長期滞在において、食料自給の問題と同じくらい重視されているのが、「食事の満足度」です。宇宙では、おいしい食事がコミュニケーションやリラックスした時間を提供する機会にもなります。

自由に動き回れる地上とは異なり、ストレスを感じやすい空間で、いかに負担を軽くさせるかというのは、大きな課題。その点、食事の役割はとても重要なのです。例えば国際宇宙ステーションでは、宇宙飛行士が好きな食事を選べる「ボーナス食制度」があり、日本食の焼き鳥や鮭おにぎりなどが提供されていたことも。宇宙にいながら、日本食を食べられるのは、過酷なミッションをこなす飛行士さんたちにとって、大変ありがたいものでしょう。

このように宇宙食というのは、宇宙空間でのストレスを軽減し、長期滞在を実現するためのカギになります。この先、開発が進んで、どんな宇宙食が登場するのか、これからも注目していきたいですね。

Image:PRTIMES
Text:Yuki Tsuruta

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Yuki Tsuruda

ライター

鹿児島県在住のフリーライター。販売職や事務職を経験後、2020年5月からフリーランスのライターへ。執筆ジャンルは、ものづくりやSDGsなど。

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