世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、2030年に開催される国際博覧会(万博)に向けて発表された、サステナブルな取り組みについてご紹介します。
2030年のローマ万博に向けて発表されたマスタープラン
2030年に開催予定の国際博覧会(万博)。現在、オデーサ(ウクライナ)、釜山(韓国)、リヤド(サウジアラビア)、ローマ(イタリア)の4都市が開催地として立候補しています。
そんな中、ローマでの開催に向けて、イノベーションデザインカンパニー「Carlo Ratti Associati(カルロ・ラッティ・アソシアティ)」がマスタープランを発表しました。マスタープランとは、開発計画などを行う際の総合的な計画のこと。そして発表されたマスタープランが、とってもサステナブルであると話題なんです!
ローマ万博の目玉となる世界最大級のソーラーファーム
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注目すべきサステナブルな取り組みは大きく分けてふたつあります。
ひとつめは、展示会場を覆う「エネルギーツリー」と呼ばれる、何百ものソーラーパネルです。東京ドーム3.2個分にも及ぶ、150,000㎡もの面積がカバーできます。会場に設置されたエネルギーツリーは、パネルを開閉することでエネルギーを発電します。またパネルの下は日陰になるため、まさに大樹のよう。上から見ると会場全体がモザイクのような外観になります。
そしてふたつめは、「エコシステム0.0」。万博開催時の複雑な送電システムとして「エコシステム0.0」という特殊な展示館が建設されます。この建物は、蒸発による冷却機能を持ち、万博会場で最も高い建物となる予定です。
会場は、都市、大通り、公園の3エリアで構成される計画。この構成は、気候変動と闘う人工世界から自然界への移り変わりを表しているそう。大通りは会場の左右に広がり、すべてのパビリオンにつながっています。このパビリオンも、万博が終了した後、再利用やアップサイクルできるような構造になっています。また会場自体も、イノベーション地区として終了後も使用できるということで、サステナビリティへの配慮がなされています。
ローマがテーマとして掲げているのは「People and Territories, Together: Urban Regeneration, Inclusion and Innovation.(人と地域が共に:都市の再生、包括、そして革新)」。実現すれば、過去最高のサステナブルな万博になるでしょう。
2030年の万博は、サステナビリティあふれるローマでの開催になる?
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2030年の万博開催地は、2023年の11月に、170のBIE加盟国による投票で決定されます。ローマの提案もワクワクしますが、他の都市も魅力的なプランを打ち出してきており、どこの国で開催されるのか、楽しみです。
そして2030年の万博の前に開かれるのが、2025年4月から始まる大阪万博です。「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、大阪の夢洲で開催されます。現在、着々と準備が進められています。こちらの万博も、サステナビリティが掲げられているので、要チェックですね。
Reference:CARLO RATTI ASSOCIATI「Expo 2030 Roma」
Text:Tommy