「気になる10代名鑑」の366人目は、川島那月さん（17）。神奈川県を拠点に活動する学生団体『トンガリーズ』に所属し、イベント企画などに携わるほか、地元・神奈川県大磯町のボランティア活動にも積極的に参加しています。大好きな地元でアクティブに活動する川島さんに、活動のきっかけや企画しているイベントへの想いなどを聞いてみました。
川島那月を知る5つの質問
Q1. プロフィールを教えてください。
「神奈川県を拠点に活動する学生団体『トンガリーズ』に所属しています。この団体は、自分が興味のある分野に関して実際にアクションを起こし、地域貢献活動をする高校生が主体となっていて、2019年に発足して以来、まわりから後ろ指を指されても、自分たちの武器や人生をトンガらせて生きていくことを大切にしてきました。
具体的には、地域を巻き込んだイベントを企画して、当日の運営まで担っています。個人的に、ろう者の方々とのコミュニケーションに興味があって、今年の夏には、ひらしん平塚文化芸術ホールで『平塚子ども縁日』という、平塚でろう学校に通う小学生や地域の方が交流できるイベントを開催する予定です」
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Q2. 活動を始めたきっかけは？
「トンガリーズのメンバーになったのはちょうど1年ぐらい前。団体が主催していた林間学校に参加したのがきっかけです。以前から地元でボランティア活動や地域イベントに参加していたので、自然と興味が湧いて、メンバーとして活動することに決めました。
もともと規模は大きくないけど自然がとても豊かな地元・大磯町が大好きなんです。地元のゆるキャラ『いそべぇ』『あおみ』のPR活動のお手伝いをしたり、夏休みの小学生サマースクールで勉強を教えたりしていました。将来の夢は看護師になることなんですが、それも直接困っている人たちの役に立つような仕事をしたいという思いがあるからです」
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Q3. 活動を続けている中で、印象的だった「出会い」はありますか？
「活動の中で、ろう者の方とお話ししたことです。最初はろう者の方に対して、『何かしてあげたい』という考えでアクションを起こそうと思っていたんです。でも、ろう者の中学生から、『何かしてあげると思われているのはあまり心地よくない。困ってることなんてないし、生まれたときから普通に生活しているだけだ』と言われて。自分自身が聴者がろう者に対して、無意識のうちに壁をつくってしまっていることに気づきました。
そこから考え方を変えて、聞こえる、聞こえないに関係なく、みんなが楽しめて、笑顔になれるイベントをつくろう！と方向転換して。ろう者に対して聴者が抱いている壁、聴者に対してろう者が抱いている壁を取っ払って楽しめるお祭りを目指しています」
Q4. これまでに影響を受けた人はいますか？
「積極的にアクションを起こせるようになったのは、中学時代の先生からの影響だと思います。
中学のときは科学部に所属していて、3年間、松の葉の気孔だけを研究していたんです。どうして同じ種類の松葉で、気孔の汚れ方が違うのか、たくさん調べました。ずっと調べたところで、何も変わらないんじゃないかと思うこともあったのですが、『とにかく調べてみなさい』と先生に言われ、半年間、交通量を測ったり、風量風速を調べたり、気温や湿度、天気などを毎日記録していました。
気になることを徹底的に調べて、行動に移してみるという姿勢は、地域の人にじっくり話を聞いて、イベントという形にしていくという、いまの活動にも活きていると思います」
Q5. 今後の展望を教えてください。
「やっぱり誰かの役に立ちたいという思いがあるので、手話通訳士の資格を持った看護師になって、医療現場で活躍できる人になるのが目標です。高校1年のときに、手話に興味を持ってから、ずっと手話の勉強をしています。あと、離島医療にも関心があります。
わたしが看護師になることで、ひとりでも多くの人が気軽に病院を受診できるようになるなど、自分にしかできない看護、自分が看護師になる意味を見出していきたいです。そして、言葉だけでなく、手話やさまざまなコミュニケーション手段を通じて、ひとりでも多くの人がコミュニケーションに対する不安や抵抗感がなくなる社会になっていったらいいなと思います」
川島那月のプロフィール
年齢：17歳
出身地：神奈川県大磯町
所属：学生団体トンガリーズ
趣味：音楽を聴くこと
川島那月のSNS
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Photo：Eri Miura
Text：Ayuka Moriya
