「気になる10代名鑑」371人目は、中野ノアさん(19)。多摩美術大学の工芸科に通い、ガラスを中心としたアートワークを行っています。高校までは引っ込み思案で何事にも消極的だったという中野さんが、自ら展示をおこなうようになった変化のきっかけや思いについて語ってもらいました。
中野ノアを知る5つの質問
Q1. いま力を入れている活動は?
「多摩美術大学の工芸科に通い、ガラスを中心とした美術制作に力を入れています。3月には二人展『MY HOMETOWN』を、同じ大学と友人と開きました。
この展示は、お互いの故郷の違いをコンセプトにしていて。特に今回は『半分こテーマ』というものをやってみました。これは、最初にテーマだけ決めて、それぞれで制作して、当日までお互いの作品は見せないという試みなんです。私は東京育ちで、友人は佐賀育ち。育った環境の違いが作品に表れてて、すごく面白いものになりました」
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Q2. 活動を始めたきっかけは?
「今のわたしにしかできないアートを記録をしたくて。もともと中高も美術系の学校に通っていたのですが、当時はただ美術に対する好奇心だけっていう感じで。大学に進学して、だんだん美術に対する情熱が生まれて、向き合い方も変わってきて。そんな今の自分が造る作品を残したくなって、展示なども積極的にするようになりました。
二人展も、受験をきっかけに仲良くなった友人と、『今しかできないことって何だろう』って話し合って、コンセプトを考えたり、テーマを決めたりしたんです」
Q3. 創作活動のテーマは?
「普段は芋虫をモチーフに、作品を制作することが多いです。
小さいときからずっと芋虫が大好きで。異様な動きや、模様の多様さが面白い。成虫したあとの蝶も模様が綺麗だけど、芋虫は地を這い、これから成長する期待のようなものをはらんでいる気がして。そこに惹かれるんです。
はじめはリアルで毒々しい芋虫をそのまま作品に投影していたんですけど、気持ち悪いと感じる人もやっぱりいて。芋虫の魅力をもっと見てもらいたいし、自分自身を投影してみたいと思って、最近は優しい色味や、自分の好きなものを組み合わせた芋虫が作品に登場するようになりました」
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Q4. 影響を与えてくれた出会いは?
「小学校の美術の先生との出会いです。美術の道に進むきっかけをくれました。
小学校の図工の授業でつくった版画が、学年文集の表紙に選んでもらえたんです。先生からも褒めてもらったし、それまで何かに選ばれたことなんてなかったので、『美術の才能あるかも……』って思っちゃったんですよ(笑)。
先生は厳しい人でしたが、わたしみたいな控え目な態度の子でもよく目にかけてくれて。そんな先生にもっと褒められたいという気持ちから、絵を練習し始めたんです。それがきっかけで絵が好きになり、その後も美術の学校に進むことになりました」
Q5.活動の原動力は何ですか ?
「大学に入ったとき、『今まで挑戦できなかったことを絶対にする!』と決めていたんです。
高校までは本当に消極的で、学校の先生との面談でもそう言われてしまうくらいだったんです。高校までのクラスって、まわりと合わせることが大事だけど、それがすごく苦手で、学校では憂鬱でした。
でも美大に入ったら、ひとりでやらなきゃいけないことが増えたぶん、自由に動けるようになって。展示もそうですし、趣味で始めたキッボクシングやアートメイク……挑戦してみたら、自分の中に、自分の知らない一面があることがわかってきて。今がいちばん楽しいです!」
中野ノアのプロフィール
年齢:19歳
出身地:東京都北区
所属:多摩美術大学
趣味:クリエイティブメイク
大切にしている言葉:どんなことにも感謝
中野ノアのSNS
— 𝑎𝑟𝑘 (@ark777noa_) July 4, 2022
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