「気になる10代名鑑」の361人目は、がた!さん(19)。武蔵野美術大学の視覚伝達デザイン学科で学びつつ、日常をテーマに絵画や写真、刺しゅうなど、幅広い作品作りを行っています。感情とリンクした創作をするため、作品に入り込み過ぎてしまうこともあるというがた!さんに、作品へのこだわりや将来の展望をうかがってみました。
がた!を知るための5つの質問
Q1. どんな活動をしていますか?
「武蔵野美術大学の視覚伝達デザイン学科で、デザインについて学びつつ、個人的な創作として、絵・漫画・アニメーション・写真・本・刺しゅうなど、いろいろつくっています。作品はInstagramやTwitterで公開したり、グループ展で展示したりしています。
個人制作は、基本的に日常をテーマにしているんです。日々の出来事を元に絵日記を描いたり、漫画形式の作品をつくったり。最近は、嫌だった出来事を、GIF形式で作品化するのにハマっています。ゼロから何かをつくるよりも、体験したことを面白く作品にするほうが向いているし、自分をネタにするほうが気が楽なんです」
Q2. 創作するうえでこだわりはありますか?
「自分の感情にリンクさせた作品を作ることと、日常だけど現実的になりすぎないようにしていることです。
自分自身から生まれたことが伝わるような作品をつくりたいんです。だからこそ、感情をリンクさせてつくるのですが、感情を描いているとついつい入り込んでしまって、悲しくなったり、怒ったりと情緒が不安定になるときも……。だから、作品づくりはいつも体力を使います。
現実的になりすぎないっていうのは、主に色味の部分で気をつけています。人を描くにしても、現実的な生々しい色はあまり使わないようにしていて、フィクション性を保つようにしています。絵の中では現実を見たくないんです」
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Q3. 悩みはありますか?
「普段から、悩むことはあまりないです。作品づくりの方法などで悩むことはありますが、根本に楽しさがあるので、悩みとも思っていないんです。
悩みとは少し違いますが、最近作品を人に見せることの大切さに気付きました。自分自身のことを題材にしていることもあって、つくったものを人に見せたり、SNSに載せたりするのが苦手だったんです。でもある日、あるアーティストの方の『人に見せる覚悟を持って作品づくりをしなさい』という言葉を聞いて、ハッとさせられて……。考え方を変える努力をして、克服することができました。
これからも、新たな悩みが出てくるかもしれませんが、創作活動への愛で乗り越えていきたいです」
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Q4. 影響を受けた人や作品などがあれば、教えてください。
「『国立近代美術館』に近い環境で中高を過ごしていたので、そこにある作品や空気感に影響を受けてると思います。特にアンリ・ルソーさんや奈良美智さん、鴻池朋子さんの作品には、作風面でも大きな影響を受けていますし、大好きな作家さんたちです。
あとは、ミュージカル鑑賞です。ミュージカルの歌で感情を表すような部分は、感情を創作で表現する自分の作品づくりに通じるところがあると思っています」
Q5. 将来の展望は?
「最近、写真に挑戦し始めたので、もっと上手にできるようになりたいです。去年の夏に祖父が遺したカメラをもらって、初めて一眼レフを手にしたんです。だんだんと自分のシャッターを切るタイミングみたいなのがわかってきて楽しいですし、構図や空気感といった、今までぼんやりとしていた自分の好きな雰囲気みたいなものが可視化されて面白いです。
将来は、『晴耕雨読』みたいな生活がしたいです。人とあまり競わず、好きなことをして過ごすことが理想です」
がた!のプロフィール
年齢:19歳
出身地:千葉県
所属:武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科
趣味:読書、ミュージカル鑑賞
特技:間違い探し
大切にしている言葉:「本は一期一会」(良い本に出会ったらすぐ買えという父の教え)
がた!のSNS
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— がた!!!! (@ga_ga_ga_ta) February 23, 2023
Photo:Eri Miura
Text:Mai Sugawara