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クーデター前の美しいミャンマーの姿を“かるた”に込めて日本へつなぐ【野中優那・17歳】

クーデター前の美しいミャンマーの姿を“かるた”に込めて日本へつなぐ【野中優那・17歳】

「気になる10代名鑑」の359人目は、野中優那ゆうな(17)さん。ミャンマーで起こったクーデターをきっかけに、かるたを通してミャンマーの実情を伝えるプロジェクトを立ち上げました。いまが悲惨な状況だからこそ、穏やかなミャンマーの姿を伝えたいと話す野中さんに、活動を始めたきっかけや、今後のビジョンを熱く語ってもらいました。

野中優那を知る5つの質問

Q1.どんな活動に力を入れていますか ?

かるたを通してミャンマーのことを伝える『Yangonかるたプロジェクト』を立ち上げて活動をしています。クラウドファンディングを実施して、実際に製品化もしました。

ヤンゴンというのはミャンマーの最大都市で、わたしは2年間、家族で住んでいたんです。そのときに、きょうだいで撮り溜めた現地の写真を使って、かるたをつくりました。このかるた、一枚一枚がミャンマーの説明になっていて、遊びながらミャンマーのことが学べるようになっているんです。現在は、学校や国際交流施設などで、かるたを使ったイベントを開催しています」

 

 

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Q2. 今の活動を始めた理由は?

2021年にミャンマーでクーデターが起こって、自分も何かミャンマーの力になりたいと思ってプロジェクトを始めたんです。高校生なので、支援できるほどのお金も余裕ないし、住んでいた自分だからできることは何だろうって考えたとき、穏やかだったミャンマーの暮らしを伝えて、関心を持ってもらおうと思って。

最初に募金活動で街頭に立ったとき、若い人たちが関心がなさそうに通り過ぎていってしまって……。その姿を見て、どんなに窮状を訴えても人は忘れてしまうから、それならファンになってもらったり、関心を持ってもらったりして、能動的に情報をアップデートしてもらおうと思ったんです。

帰国したとき、『危険な国から戻ってこれてよかったね』といろんな人に言われたのに、ちょっと違和感があって。ミャンマーは貧しくても助け合いができる美しい国だから、その姿が知られてないのは悲しかったんですよね」

Q3.活動を始めるときのファーストアクションは ?

「まずは有識者の方の意見を聞こうと思って、新聞で見つけた研究者の方にメールや手紙を送ったり、ヤンゴンの日本人学校の先生に知り合いを紹介してもらったりしました。

なんとかアポイントがとれて、手づくり感満載のかるたと、企画書を持って、ビルマ地方の研究をしている教授に会いに行きました。そこで、いまもプロジェクトに関わってくれている大学生の方にも出会えました」

Q4. 活動をしていくなかで、大変だったことは?

「かるた制作のためにクラウドファンディングを始めたのですが、右も左もわからない状態で、とにかく大変でした。立ち上げのとき、誰がいくら寄付してくれる予定か、リストを求められるのですが、母と祖母しか思いつかなくて、唖然としました……。

最初は、高校生であることをアピールするのはズルのような気がして、そのことを明かしていなかったんです。でも、自分が支援したくなるプロジェクトって、企画者の思いが伝わってくるものだと気付いて……。自分のことをさらけ出さないでお金をいただこうなんて、都合がよすぎるなと反省したんです。それから自分を信頼してもらうためにも、自分のことを伝えるようになりました。

目標金額は150万円でしたが、322人の方に支援していただいて、309万円という結果を残すことできました」

 

 

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Q5. 実現させたいビジョンは ?

ミャンマーに穏やかな日常が戻ったとき、ミャンマーに行きたいと思う人が増えてくれたらいいなと思っています。わたしにはクーデターを止める力はないけど、5年後、10年後の未来をつくることはできるんじゃないかな。いまはその種まきの時期だと思っています。

ミャンマーに目を向けてもらうことは、国際情勢を知ることと同じ。日本だって、いつ平和が崩れるかわからない状況ですよね。もしも日本が危機に陥ったときに、ミャンマーの若者たちのように、自分たちも声を上げることができるのだろうかって不安もあります。だから、自分たちの国とか平和に、もっと関心を持ってもらうという意味でも、活動を続けていきたいです

野中優那のプロフィール

年齢:17歳出身地:千葉県浦安市所属:Yangonかるたプロジェクト、国際基督教大学高等学校趣味:読書・旅行・文豪の縁の地めぐり大切にしている言葉:Change before you have to.(変革せよ、変革を迫られる前に)米国の実業家、ジャック・ウェルチの言葉

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静岡雙葉中高PEACEプロジェクト主催 平和の写真展 でお話させていただきました。Posted by Yuna Nonaka on Friday, February 10, 2023

 

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ヤンゴンかるたミャンマーでクーデターを経験した高校生が始めたプロジェクト。日本の文化である「かるた」を通じて、ミャンマーの人々の暮らし、yangonkaruta.jimdofree.com

 

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Yangonかるた|note
ミャンマーでクーデターを経験し、日本に帰国した高校生を中心とする、中学生から大学院生までのグループです。ミャンマーの現状…
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Photo:Eri MiuraText:Minori

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Minori

ライター

2000年生まれ、神奈川県出身。明治学院大学社会学部在学中よりインターンとしてライター活動を始める。Steenzでは「気になる10代名鑑」のインタビューと記事執筆を担当。また、大学在学中にモデル活動を開始。広告や映像作品への出演、ライフスタイルの発信に力を入れている。

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