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学生だからこそ気づける価値がある!地域に赴いてワーケーションの可能性を研究中【しゅう・19歳】

学生だからこそ気づける価値がある!地域に赴いてワーケーションの可能性を研究中【しゅう・19歳】

気になる10代名鑑」の366人目は、しゅうさん(19)。慶應義塾大学に通いながら、全国各地に赴いて「日本人の働き方に関する研究」に取り組んでいます。特に「ワーケーション」に関心をもち、まだ社会人になっていない学生だからこそ、働き方の研究にかかわる意義があると話すしゅうさんに、活動への思いやファーストアクションなど、詳しく聞いてみました。

しゅうを知る5つの質問

Q1. プロフィールを教えてください。

「日本人の働き方、特に『ワーケーション』のあり方について、フィールドワークや研究を行っています。具体的には、ワーケーションを実践している地域に赴いて、企業や行政、地域おこし協力隊の方々とお話しして、その事例について学んだり、ときには一緒にプロジェクトを行ったりもしています。

そもそもワーケーションとは、work(仕事)とvacation(休暇)を組み合わせた造語で、コロナ禍でデジタル化が進んだことで、新しい働き方として注目されています。移動の制限が緩和されたいまでは、導入に前向きな企業や自治体も多いとも聞きます。現在は、大学のコミュニケーションを専門に扱う研究会に所属し、ワーケーションについての事例研究を進めています」

Q2. 活動を始めたきっかけは?

「きっかけは、両親をはじめ、身近な大人の働き方とライフスタイルに疑問を覚えたこと。日本は一般に、新卒一括採用制度を導入しているので、大学を出ると、たいていの人はすぐに社会人として働くことになります。

でも学生のときって、勉強も忙しいし、サークル活動や課外活動、研究をしている時間が多くて、なかなか働くことに対する具体的なイメージを抱きにくい。結果、なんとなく就活をして、社会へ放り出されてしまっている気がするんです。

またコロナ禍を経て、働き方も多様化していて。いまの研究テーマであるワーケーションもそのひとつ。そういった新しい選択肢の働き方があることを知るだけでも、働くことに対しての興味が湧いたり、実際に働いていくうえでのモチベーションの向上に繋がっていったりすると思うんです」

Q3. 活動を始めるときに、いちばん最初におこなったファーストアクションは?

「フィールドに行ってみること。活動するうえで『直に仕入れる』という言葉を大切にしていて。誰かから聞いた情報や、インターネット上にある情報も重要な要素ですが、『百聞は一見にしかず』という言葉もあるように、決定的な行動のきっかけや考え方の指針にはならないと思うんです。

これまでワーケーションが行われている地域を複数訪れてきましたが、実際に携わっている人の話を聞くことで、初めて実感できる価値観がたくさんありました。いちばん最初に行った新潟県の妙高高原は、特に印象深くて。ワーケーションの第一人者がいることで知られているのですが、お話を伺って、ワーケーションに対する興味が増したと思います」

Q4. 活動をする中で、つらかったことや壁に感じたことがあれば、教えてください。

「同じ研究分野では、同世代の仲間が少ないので、孤独感は感じます。『まだ働いてもいない大学生が、そんな研究をして意味があるのか』と言われたこともあるし、10代にとって身近なテーマで活動をしている学生を見ていると、うらやましく思うときもあります。

それに、働き方について研究していると、圧倒的に社会人や大人の方々と接する機会が多いので、若さというのが、いい意味でも悪い意味でも影響が大きくて。

でも、これから社会で働く身だからこそ、何の先入観もなしに言えることや気づけることもあって。とはいえ、未熟と言われるうちはまだまだ成長しなければいけないなと思うし、そこの伸び代は無限大な気がするので、ワクワクもしています」

Q5. 今後の展望や将来の夢を教えてください。

「将来は、どこかの地域で躍動するアントレプレナーになりたいです。日本の地域の魅力って、語りきれないほどたくさんある一方で、それぞれ深刻な課題も抱えています。そんな地域の課題を解決して、まだ知られていない地域の魅力を国内外に広めていきたくて。

直近の目標としては、大学生のうちに、いまやっている研究の成果を社会に発信したいです。まだまだ先行研究が少ないからこそ、アウトプットを出すことで、ワーケーションの価値や可能性をより多くの人に感じてもらえるんじゃないかと考えていて。ワーケーションという働き方の選択肢が当たり前になれば、地域や世代のコラボレーションも生まれ、結果的にウェルビーイングな社会が実現できると信じて、これからも活動し続けたいと思っています」

しゅうのプロフィール

年齢:19歳
出身地:神奈川県三浦郡葉山町
所属:慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス、長谷部葉子研究会
趣味:旅行、ドライブ
大切にしている言葉:問題は未来だ。だから私は、過去を振り返らない。(ビル・ゲイツの言葉)

しゅうのSNS

★note

大学生が「社会人」に問う~「教育」のあり方は子どもたち/若者だけに限定されたものではない~|syuu.matsuura
慶應義塾大学総合政策学部 長谷部葉子研究会 離島プロジェクト所属 2年 松浦 嵩 はじめに:「教育/コミュニケーション」…
https://note.com/read1read2/n/na40b5c8e253f

Photo:Eri Miura
Text:Ayuka Moriya

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Ayuka Moriya

エディター

1999年生まれ、秋田県出身。東京外国語大学 国際社会学部在学時よりライター・エディターとして主にインタビュー記事の執筆、ディレクションに携わる。Steenzでは、2021年ローンチ当初より「気になる10代名鑑」のコンテンツ制作を担当。

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