「気になる10代名鑑」の357人目は、キキさん(15)。音楽や絵、写真などさまざまな創作活動に興味があり、現在は毎週末、名古屋から東京・渋谷に来て、アートスクールとして開校されている『東京芸術中学』に通っています。まだまだ自分の思う作品制作ができていないと話すキキさんに、現在の創作活動についてや、最近新しく始めたチャレンジのことを聞いてみました。
キキを知る5つの質問
Q1. いま、いちばん力を入れていることは何ですか?
「音楽や絵、立体物の制作など、いろいろなかたちで表現活動をしています。中でも音楽にいちばん興味があって、4月から進学する学校は、作曲を学べるところを選びました。自分ではあまり覚えてないのですが、小学校2年生のときにドラマーに憧れて、母に『ドラムがやりたい』と伝えたそうで、そこから8年ほど続けています。
普段は名古屋に住んでいるのですが、いまは毎週末、渋谷PARCO-パルコ-の9階にあるクリエイティブスペースGAKUで開かれているスクール『東京芸術中学』に通っています」
View this post on Instagram
Q2. 活動を始めたきっかけは?
「小さいころから絵を描くことや工作は好きだったし、得意でした。戦隊ヒーローが好きだったので、登場するアイテムを段ボールでつくったり。絵に興味を持ったのは、イラストレーターの中村佑介さんの存在が大きいと思います。中村さんの絵をTwitterで初めて見たとき、絵の多面性というか、こんな表現方法もあるんだ、と気づかされたんです。
『東京芸術中学』に通い始めたきっかけは、母が勧めてくれたから。週替わりでクリエイティブの最前線で活躍されている方のお話を聞くことができるんですが、名古屋在住なのもあって、最初はオンラインで参加していました。でも、1回渋谷に行ったら、やっぱりリアルで学ぶっていいなと思って。そこからは、毎週渋谷と名古屋を往復しています。地元だとなかなか表現活動をする場所が少ないと悩んでいたんですが、いまは東京に通えていることもあって、自由に活動ができていると思います」
Q3. どんなことをテーマにして、創作活動をおこなっていますか?
「『新しさ』をいつも意識しています。オリジナルのものをつくろうと思っていても、個性的な作品はできなくて、誰かがつくった新しいものこそが、その人の個性になると思っています。
僕は音楽をやっていることもあって、ドラムでやっている演奏というオープンな表現と、絵や工作などのプライベートな表現が交わる点で、表現活動をしていきたくて。まだそれが何なのかはわからないんですけど、だからこそ、いろんな表現方法を知っておくことで、自分にあった表現ができるようになりたいと思っています」
Q4. 続けている中で、印象的だった出会いはありますか?
「やっぱり中学3年生から通い始めた『東京芸術中学』での出会いは、衝撃的なものばかりでした。特に印象的だったのは、東京五輪の開閉会式と、パラリンピックの開会式で音楽監督を務めたDJ・プロデューサーの田中知之さんをゲストに迎えたときの授業。
田中さんが『楽器ができなくても音楽はできる』とおっしゃっていたことが、音楽をやっている自分にはすごく刺さりました。いわれてみればたしかに音楽を定義するのって難しいし、必ずしもドラムのような楽器がなくても、音楽は成立することに気づかされました。
普段からオルタナティブミュージックやR&Bを中心に、いろんなジャンルの音楽を聴いているんですけど、最近はあまり新しい音楽ジャンルが生まれていないように感じていて。それは『ウケる音楽』というか、いいとされる音楽が固定化されてしまっているからなんじゃないか、と考えています。リズム、メロディーライン、コード……いろんな要素が組み合わさって生まれているのが音楽なので、これから通う学校でも、芸術としての音楽について、いろいろ考えていきたいと思っています」
View this post on Instagram
Q5. 最近、新しく始めた挑戦はありますか?
「DJにハマっています。以前、ライヴストリーミングスタジオ『DOMMUNE』がやっている番組でDJをしたことがあって。それからDJのことをたくさん調べるようになりました。いまは自分の手元にDJの機材はないけど、動画をたくさん見て勉強中です。また機会があったらチャレンジしてみたいと思っています。これから通う学校でも音楽の勉強ができるので、音楽を軸に、さまざまな表現活動に触れてチャレンジしていきたいです」
キキのプロフィール
年齢:15歳
出身地:愛知県名古屋市
趣味:漫画、写真を撮ること
大切にしている言葉:『可能性という言葉を無限定に使ってはいけない。我々という存在を規定するのは、我々がもつ可能性ではなく、我々がもつ不可能性である』(『四畳半神話体系』樋口師匠の言葉)
キキのSNS
View this post on Instagram
Photo:Eri Miura
Text:Ayuka Moriya