「気になる10代名鑑」の342人目は、uyさん(19)。女子美術大学でアートや表現について学び、作品をSNSで発信。昨年は、原宿で開催されたアートイベント「女子力展」にも参加し、絵画や編み物など、さまざまな表現方法で創作活動に取り組んでいます。大人になっても、表現活動をやめたくないと話すuyさんに、活動を始めたきっかけや新しく始めた表現活動のことまで、詳しく聞いてみました。
uyを知る5つの質問
Q1. いま、いちばん力を入れていることは何ですか?
「創作活動とその発信に力を入れています。大学ではアートプロデュースを専攻していて、学芸員やディレクターを目指す仲間といっしょに、美術のことから舞台のことまで、さまざまな表現活動について学んでいます。
ただ表現するだけじゃなく、言葉に落とし込むことも大切にしています。作品や美術を取り巻く背景、ひとつの事象とひとつの作品の関係性などを考えながら、アートと社会のあり方を模索しています」
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Q2. どんなことをテーマにして、創作活動をおこなっていますか?
「作品づくりのテーマは、自分を取り巻く環境です。具体的にいうと、ジェンダー、セクシャリティ、国籍、発達障害などで、目に見えないけど抱えているマイノリティ性を自覚し、その立場だからこそ経験したことや抱いた感情を作品に込めています。私にとって表現活動は、社会と繋がるための手段のひとつなんです。
わたし自身もそうですが、何らかのマイノリティ性を持っているけど、なかなか見えづらいから気づかれないことって意外と多いんです。例えば、わたしはいま女子大に通っているけど、だからといって全員が女子であるわけじゃない。クィアな子だっているんです。そういった友人の存在もあって、社会の見えづらい部分で感じたことを、色やモチーフに表しています」
Q3. 活動を始めたきっかけは?
「中学生のときから美術部に所属していて、高校ではさらに芸術について学べるところに進みました。刺激的な同級生に囲まれて、芸術に溺れるような毎日を過ごしていたんですが、それでは足りず、今に至っています。
もともと大学では、現代美術を学びたい気持ちが強かったんですが、作品を伝える人としてできることについて学びたい気持ちが芽生えて、アートデザイン表現学科アートプロデュース表現領域というところで学んでいます。
一時期、自分の作品を言語化できずに悩んでいたことがあって。そんなとき、芸術に関わる人には、つくる人、見る人、伝える人の三者の存在があると聞いたんです。『作品をつくらなくても芸術に関われる』というのは、自分にとって大きな気づきでした」
Q4. 活動以外に、好きなものや興味があることはありますか?
「私のモットーが『浅く広く』ということもあって、コレといった絶対的に好きなものは正直なくて……。でも、インターネットやサブカルチャーは好きで、影響を受けていると思います。アウトドアや読書も好き。美大にいると、そういった文化的な核がないことを、弱みに感じることもあるけど、さまざまなジャンルに触れられているという意味では、強みと言えるのかもしれません。
最近ハマっているのは、編み物です。授業の課題でつくった作品をSNSにアップしたら、意外と反響があって。いまはSNS通じてオーダーを受けて、帽子やバッグ、小物などをつくっています。今日つけているマフラーとアームウォーマーも、手編みでつくりました」
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Q5. 最近、新しく始めた挑戦はありますか?
「大学でエネルギーを有り余らせている有志で、演劇サークルを旗揚げしました。高校で舞台をやっていたことがあって、総監督を務めていた経験はあるものの、サークルには未経験者も多く、本当にゼロからのスタート。それに、自分が中心になって組織をつくるのは初めてで……。ちょっと怖いですが、いまのところ、そんなドキドキも楽しめています。
もちろん公演もしたいし、ゆくゆくは演劇の枠にとらわれない舞台芸術にもチャレンジしたいと思っています。現代舞踊や映像を取り入れたりしたら面白いんじゃないかな、とか……。いつまでも、表現活動をすることはやめたくない。もし、今後就職したとしても、アーティストとしての活動も続けて、ずっと芸術と向き合っていきたいと思っています」
uyのプロフィール
年齢:19歳
出身地:神奈川県相模原市
所属:女子美術大学芸術学部アートデザイン表現学科、演劇サークル「劇団てのひら」、任意団体Book&Artニワシドリ・ほしのたに文庫
趣味:編み物、着物
大切にしている言葉:I’m beautiful as I am.
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Photo:Eri Miura
Text:Ayuka Moriya