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学問として「芸術学」を学びながら、油絵で独自のアートを生み出す大学生【草壁冬紀・19歳】

学問として「芸術学」を学びながら、油絵で独自のアートを生み出す大学生【草壁冬紀・19歳】

「気になる10代名鑑」の330人目は、草壁冬紀ふゆきさん(19)。大学の文学部で、美術を学問として学びながら、自身では創作活動を続けて、油絵でさまざまな公募展にチャレンジしています。「知らないことを知るのがいちばんのインスピレーション」と語る草壁さんに、油絵を描き続ける理由を聞いてみました。

草壁冬紀の活動を知る5つの質問

Q1. いまいちばん力を注いでいる活動は?

文学部で美術を学問的に学びながら、油絵を描いています。小さいころから絵を描くのは大好きだったのですが、高校時代から予備校に通ったり、美術部に入ったりして、本格的に絵を描き始めました。

いまは公募展に積極的に応募しています。美術関係の方からいただく批評は刺激的で、絵画への向き合い方を広げてくれます。初めて挑戦した公募で、小説家の大江健三郎さんを描いたのですが、ありがたいことに入選して、銀座のギャラリーで展示してもらいました。多くの人に見てもらえるのは誇らしかったですね」

 

 

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Q2. 創作活動をするうえで意識していることは?

油絵は水彩画に比べて色を複雑に表現できるので、色彩は特に意識しています。

たとえば人物画なら、その人の人間性や感情をどれだけ伝えられるかが大事だと思っていて。例えば、私の大好きな映画監督のウディ・アレンを描いたときは、作品を観ているときっとロマンチックで、インテリジェンスが高くて、ユーモアがある人なんだろうなと思って……。それが伝わるように表情や背景の色合いは特に意識して描きました。」

Q3. 創作活動に影響を与えたものはある?

高校のころに読み漁っていた画集です。高校にあんまり気の合う友達がいなかったこともあって、休み時間は図書館にこもっていました。こっそり書庫にも入れてもらって(笑)、学校にある画集はおそらく全部読みました。

特別、どの画集にいちばん影響を受けた、とかはないのですが、当時の私にとっては、すべての絵画が印象的で、とても刺激的で。描きたいという気持ちを駆り立ててくれたんだと思います」

Q4. 創作をするうえで大切にしていることは?

自分が知らないことについて、知りたいという気持ちを大切にしています。例えばコンビニのアイスを選ぶときでも、なるべく、自分が想像できなないような味を選んだり。

大学で学んでいる芸術学も、そういう点では未知との出会いの連続で、すごく楽しいんです。美大を選ばず、鑑賞や座学がメインの文学部を選んだのもそれが理由。学問から芸術を学んでいると、自分の作品を深く観察できます。

だから、大学の勉強は趣味といえるくらい楽しくて、ぜんぜんつらくなくて。いつのまにか大学の成績も学年で2位になっていました」

 

 

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Q5. 社会がこうなったらいいな、と思うことはありますか?

ついこの間、ロンドンにひとり旅をしたんです。そのとき、日本に比べて芸術への熱量が大きくて、驚きました。駅構内や道端で楽器を演奏しているのは当たり前だし、落書きすらアートで。とても刺激的でした。

もっと日本でもみんながアートに触れやすくなって、表現する人も増えてほしい。スマホの画面だけではなく、アートの質感や立体感を直接見て、感じることも大事だと思うんです。私は表現者として、絵を描くことからは絶対に離れない!と信念を持っているので、これからも創作活動していきます」

草壁冬紀のプロフィール

年齢:19歳
出身地:東京都
所属:成城大学文学部芸術学科 美術部
趣味:絵を描くこと、読書、絵画鑑賞、映画鑑賞、ラジオ・音楽を聴くこと、旅行
特技:いろいろな国の料理を作ること
大切にしている言葉:学問なんて、覚えると同時に忘れてしまってもいいものなんだ。けれども、全部忘れてしまっても、その勉強の訓練の底に一つかみの砂金が残っているものだ。これだ。これが貴いのだ。 (太宰治『正義と微笑』より)

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Photo:Eri Miura
Text:Minori Abe

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Minori

ライター

2000年生まれ、神奈川県出身。明治学院大学社会学部在学中よりインターンとしてライター活動を始める。Steenzでは「気になる10代名鑑」のインタビューと記事執筆を担当。また、大学在学中にモデル活動を開始。広告や映像作品への出演、ライフスタイルの発信に力を入れている。

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