「気になる10代名鑑」の333人目は、アンジュさん(19)。多摩美術大学に通いながら、イラスト、映像、写真などさまざまな表現方法で作品づくりに挑戦し、SNSや自身のサイトで公開しています。「世間で大きく取り上げられない出来事に目を向けて、作品づくりをしたい」と語るアンジュさんに、活動を始めたきっかけや自身のクリエイティブに影響を与えた出来事などを聞いてみました。
アンジュを知る5つの質問
Q1. プロフィールを教えてください。
「多摩美術大学でメディア芸術について学んでいます。映像や写真などを学びながら、さまざまな表現活動にチャレンジしているところです。
たとえば映像作品で、『胎盤を食べるということ』という、女子高生がトイレでキメラを出産するという作品をつくったのですが、これは同い年の女の子が多目的トイレで男児を出産して逮捕されたというニュースを見て『どうして彼女はそうせざるを得なかったんだろう』という疑問を抱いたのがきっかけです。
誰かが発信しないと埋もれていってしまうような社会課題に着目して、それを作品にする意義を考えながら、芸術と向き合っています」
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Q2. 活動を始めたきっかけは?
「美大を目指し始めたのは、先生に声をかけてもらったことがきっかけです。絵を描くことはずっと好きだったし、得意なほうだと思っていたんですが、それだけを専攻することを怖がっていた時期もあって。もし美術がうまくいかなくなったら、自分には何が残るんだろう……と思っていたんです。
だけど高校生になって、あらためて自分の人生について考えているとき、美術の先生が東京藝術大学の先端芸術表現科の存在を教えてくれて。不安もあったけど、きっと予想もつかない出来事がたくさんあるだろうし、それならいっそ、予想できない人生を歩んでみたい! そう思って、腹を括って、美術の道を志すことに決めたんです」
うちはまだクリスマス気分ですblender課題。。。🎄 pic.twitter.com/9qDYi3XF23
— 長女(19) (@thefirst_boon) December 31, 2022
Q3. クリエイティブに影響を与えた作品や人物などについて教えてください。
「箱根 彫刻の森美術館です。昔、家族で毎週のように行っていたんですよ。たぶん何度行っても、私や妹弟たちがすごく喜んでいたからだと思います。
特に、319点のピカソコレクションを順次公開しているピカソ館が印象深いです。いま大学で彫刻を専攻しているわけではないけど、小さいときに見てきた彫刻は、いまの自分の作品に影響を与えていると思います。
人物でいうと、予備校の講師だった、アーティストの遠藤麻衣さん。映像、や写真、演劇など、さまざまな表現方法で、身体や社会規範をテーマに活動されている方です。遠藤さんは私にとって、初めて身近でフェミニズム運動をしている方でした。遠藤さんと出会った影響で、見過ごすこともできる社会課題に対して、注目して発信していく人になりたいと思っているところがあるかもしれません」
Q4. 創作活動以外に、好きなものや、興味があることはありますか?
「昭和歌謡です。家族でカラオケに行ったときに、お母さんが『ピンク・レディー』を歌っていたのを見て、昭和歌謡にハマりました。特に沢田研二さん、中森明菜さん、沖田浩之さんが大好き。沢田研二さんのライブに行った日は、一生の思い出。超かっこよかったです。
昭和歌謡にハマってから、昭和カルチャーにも興味を持つようになりました。高校選びも、セーラー服を着たいっていう理由で選んだり。休みの日に純喫茶をめぐることもあります」
Q5. 今後の展望は?
「5月ごろに、初めてグループ展というかたちで、展示をするんです。去年、多摩美の学祭で、自分が描いたイラストやアクリルキーホルダーを販売したんですけど、そのとき初めて、目の前のお客さんに自分の作品を見てもらって、買ってもらうという経験をして、すごく学びになったんです。今度は自分たちでそういう空間をつくりたくて、絶賛計画中です。
将来のことはまだ明確に定まっているわけではないけれど、いつかはアーティストとして独立できたらいいなと思っています」
アンジュのプロフィール
年齢:19歳出身地:千葉県市川市所属:多摩美術大学、映像研究サークル趣味:喫茶店巡り、映画鑑賞、お笑い、カラオケ影響を受けた人物:遠藤麻衣
アンジュのSNS
私の色彩デッサン 多摩美入学パンフ載りましてよ〜〜☆☆☆オホホホ〜(^_-)-☆ pic.twitter.com/ske1qXAQaW
— 長女(19) (@thefirst_boon) July 12, 2022
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★HP
Photo:Eri MiuraText:Ayuka Moriya