「気になる10代名鑑」の332人目は、星ヒナコさん(19)。武蔵野美術大学で油絵を学びながら、自身の作品をSNSで発信しています。創作活動のテーマを「人の顔」として、顔だけでなく人間そのものにも興味があるというヒナコさんに、影響を受けた人物や印象深かった出会い、また取り組んでいる演劇活動についても聞いてみました。
星ヒナコを知る5つの質問
Q1. 取り組んでいる活動について、教えてください。
「絵画の制作活動に取り組んでいます。高校3年生から油絵を描き始めて、いまは武蔵野美術大学で油絵を専攻しています。自分が描きたい理想の絵画に近づけるように、日ごろから写真を撮ったりメモをしたり、アイディア出しを欠かさないようにしています。
また、中高時代に演劇部に所属していたこともあって、演劇もやっています。社会人の演劇団体でワークショップに参加したり、演者として公演に出たりしているんです」
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Q2. 活動を始めたきっかけは?
「小さいときからイラストを描くのは好きだったんですが、本格的に創作活動として意識したのは、絵画教室に通い始めた中学校3年生のとき。高校生になってからは、美術館やSNSなどで絵画を見ることにハマって。オーストリアを代表する画家、グスタフ・クリムトや、人気アーティストのMVなどを手掛けられているイラストレーターのヤスタツさんに影響を受けて、自分でもかっこいい絵を描けるようになりたいと思うようになりました。
演劇を始めたのは、友達に誘われたのがきっかけ。お芝居をするときだけ、感情を思いっきりぶつけることができるんです。それが、自分じゃない自分になれているみたいな感覚で、すごく気持ちいいんです」
Q3. 創作活動へのこだわりを教えてください。
「作品は『人間の顔』をテーマに制作しています。紙粘土で自分の好みの顔のパーツをつくって、それらを組み合わせながら、架空の人物の顔をつくりあげています。人の顔をつくり続けることで、人間の内面や、喜怒哀楽をはじめとしたさまざまな感情を表現したいんです。
このテーマを選んだ理由は、私がいちばん興味を持っているのが『人間』だから。だから、とことん向き合いたいと思って。続けている演劇も、私にとっては、人間の体や動きを使って、ひとつの絵を描いているように感じるんです」
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Q4. 続けている中で、印象的だった出会いはありますか?
「ふたつあります。ひとつは過去に通っていた、近所の絵画教室の先生との出会い。私がデッサンを学ぶうえで、基本的なことをすべて教えてくれて、先生のおかげで美大に合格できたと思っています。描き方だけでなく、絵の見方なども教えてもらって、絵に対する知識や考え方が広がりました。
もうひとつの出会いは、客演で関わっている劇団の方たちとの出会い。社会人の劇団なのですが、創作に対して純粋に楽しんでいる姿がものすごく素敵なんです。普段は仕事をしながら、ゼロから演劇をつくりあげていくエネルギッシュな姿勢には、学ぶことがたくさんあります」
Q5. 創作活動を通して、社会や未来に実現させたいことがあれば、教えてください。
「美術や演劇など、芸術がもっとたくさんの人に、気軽に興味をもってもらえるような世の中になってほしいです。美大の中と外では、芸術のとらえ方がまったく違っていて、一歩外に出てみると、芸術は特別で高尚なものだと思われているように感じていて。それに演劇も。小劇場に行っても、あまりお客さんが入っていないこともあって。もっと教育の現場などで、芸術や演劇に触れられる機会があったらいいのに、と思います。
自分にできることはまだ考え中ですが、誰にでも楽しめるわかりやすい作品と、コアなファンだからこそ伝わる魅力がある作品の、両方をつくれるようになったらいいなと考えています。美大にいるうちには、自分なりにとことん芸術と向き合って、自分が生み出せる芸術を突き詰めていきたいです」
星ヒナコのプロフィール
年齢:19歳
出身地:東京都
所属:武蔵野美術大学
趣味:観劇、音楽を聴く
大切にしている言葉:楽しむ
星ヒナコのSNS
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Photo:Eri Miura
Text:Ayuka Moriya