タイムリーな話題から、カルチャー、さらには社会問題まで、さまざまなテーマについて、リアルな10代の声を聞くシリーズ「10代リアルVOICE」。
今回のテーマは「ファストファッション」。トレンドアイテムをいち早く、かつリーズナブルな値段で手に入れられることでおなじみのファストファッション。しかし、近年は廃棄や環境への負荷などが問題視されています。そこで、今回は5名のティーンに、ファストファッションとの向き合い方について本音を聞いてみました。
1. 秋村遊さん「やっぱり、ちゃんとしたお店で買ったほうがベストかも」
「去年とかよくSHEINを利用していました。でも、SHEINで買った靴2足が、買ってからそんなに時間が経ってないのにソールが壊れてしまって……。それ以降、ちゃんとしたお店で服や靴を買うようにしています。
ファストファッションの背景問題にはあまり詳しくないですけど、やっぱり生地が安っぽかったり、採寸が合っていなかったり、写真と実物の違っていたりなど、いろんな問題点があると思っていて。ちょっと高くても、ちゃんとしたお店で買ったほうがベストな気がします」
2. かほさん「できるだけ長く着れるかどうか」
「GUやWEGOはよく行きますね。リーズナブルな値段で、流行のアイテムを手に入れられるし、よくセールをしているので、かなりの倹約家な私でも、買えるものが多いです。
洋服を選ぶときは、自分が持っている他の服と合うか、ピンとくるかで選んでいます。特にピンとくるかどうかはとても大切。流行っているし、かわいいなぁと思ったものでも、できるだけ長く着ることを考えて、『あまり着ないかも』とちょっとでも思ったときは、買わないようにしています」
3. 鵜飼ひなたさん「以前はよく買っていたけど、裏側について知ってから、一切買わなくなりました」
「いままではSHEINなどで、カラフルで柄がいっぱいで、いい意味でチープなお洋服や小物を買ったりもしていました。でも最近、問題視されているSHEIN製品をつくる工場の労働環境について知って、一切買わなくなりました。
とはいえ、わずかなお給料で生きているたちを考えると、SHEINで買い物しないことは、当事者にとってもマイナスでもあると思うので、複雑ではあります。でも、そんな労働をしなくてもいいような社会になってくれればなと思います」
4. ささきなるみさん「控えたいとは思うけど、現実的に難しいところも…」
「ユニクロはたまに利用しますが、新疆ウイグル自治区の人権問題などを知って、少しずつ抵抗感が湧いてきました。バングラデシュの事故など、労働者のことを考えて、ファストファッションを控えたいとは思うけど、現実的に難しいところもあります。 もしその労働者たちが解雇されたら次の職がすぐ見つかるというわけでもないと思うし……。
SHEINの実店舗が日本にできたことは、すごく衝撃でした。あまりエシカルな消費を意識していない国として認識されているのかな、と感じたし、実際そうなんだと思います。高校生のとき、『ちょっと抵抗があるんだよね〜』と友達に話したら『そんなこと考えたこともなかった。安いからよくない?』と言われたことがあって。当時も、もどかしくなった記憶があります」
5. Risaさん「ラナ・プラザ事件のことを知って、買えなくなりました」
「私は幼いころからファッションが好きなので、安くて可愛い服をたくさん買っていました。でもラナ・プラザ事件のことを映画で知ってから、ファストファッションを買わなくなりました。というか、買えなくなりました。
特にSHIENの服は、友達もよく着ているので、サイトを見てみたことがあるのですが、あまりの安さに驚いて……。この安さの裏にはどんなことが起こっているのだろうとか、この服をつくってくれた人は、いまどうやって暮らしているのだろう、とかいろいろ考えるようになりました」
ファストファッションがもたらす社会や地球へのインパクトは、いまを生きる10代にとって、無視できない物差しになっているよう。サステナブルなファッションのあり方について、これからも10代と一緒に考えていきます。
Photo:Eri Miura
Text:Ayuka Moriya