世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、GoogleのAIを使った洪水発生予測機能ついてご紹介します。
パキスタンでは国土の3分の1が水没!
2022年6月以降、パキスタンで大洪水が発生しました。甚大な被害をもたらした要因はモンスーンで、平年の10倍以上の雨量によって、パキスタンの一部地域が水没。その被害状況は凄まじいもので、パキスタンの国家防災管理庁のデータによると、10月9日時点で約1,700人が命を落とし、約13,000人が負傷、そして水没した地域は国土の3分の1ともいわれています。
このような水害は、パキスタンだけには留まらず、世界各地で発生しています。世界資源研究所(WRI)は、水害の影響を受ける人は、2030年には1億3,200万人まで増加すると予想。2010年時点では6,500万人だったので、ほぼ2倍にまで増加することになります。
水害の発生は、家やインフラなどを失う以外にも、あらゆる影響を及ぼします。農作物が生産できなくなれば、たちまち食料不足に陥ることも考えられます。さらに、清潔な水も手に入りにくくなって、衛生状態が悪化したり、感染症が流行したりなど、さまざまな悪影響が考えられます。
GoogleのAIが洪水の発生をいち早く予想
3/ Using new advances in AI, we’re bringing flood alert coverage to 18 more countries. And we’re announcing Google FloodHub, a new platform that brings flood alerts to the general public, not just those in flood prone areas. More on these efforts: https://t.co/TQiS4I3m6S pic.twitter.com/NsSJcrLkYK
— Sundar Pichai (@sundarpichai) November 2, 2022
そんな水害の被害を少しでも減らそうと、Googleが11月に発表したのが、「AIによる水害発生予想機能」。現在、20か国での導入が決定しています。
AIの学習機能を利用し、洪水が発生しやすい場所を特定。水が到達する前に、Google検索やGoogleマップ、Androidの通知を通して、利用者に警報を伝えるという仕組み。
すでにインドやバングラディシュでは、この機能が実装されていて、昨年は2300万人に洪水アラートを通知したとのこと。これらの国は、政府の洪水警告システムが機能していない国であり、Googleは「この機能によって、4割もの死者を減らすことができる」との見解を示しています。
徐々に使用可能な国・地域は増えており、将来的には日本でも使用可能になるそうです。
またGoogleは、洪水だけでなく、山火事の被害を予測する機能も追加しました。人工衛星画像を使用し、山火事の追跡を行うことで、今後どのように火事が広がっていくかを予想。こちらのサービスも、アメリカ、カナダ、オーストラリア、メキシコでの提供がスタートしています。
Googleもすごいけれど…いま自分たちでできる備えを!
Googleなどのテクノロジーを活用するのは良いことですが、自然災害の発生に対しては、日ごろから備えておくことが大切です。例えば、非常食の準備、避難場所のチェックをはじめ、家のまわり(窓や壁)の劣化などの確認、安否確認方法のシミュレーションなど、前もってできることはたくさんあります。
この機会に、防災対策を見直してみてはいかがでしょうか。
Reference:The Number of People Affected by Floods Will Double Between 2010 and 2030|WRI
3 ways AI is scaling helpful technologies worldwide|Google
Monsoon SITREP # 158 – 18 November 2022|NDMA
Text:Tommy