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子宮頸がんやHPVワクチン…大事なカラダのことだからこそ、正しく知るきっかけになりたい【遠藤咲幸・18歳】

子宮頸がんやHPVワクチン…大事なカラダのことだからこそ、正しく知るきっかけになりたい【遠藤咲幸・18歳】

「気になる10代名鑑」33人目は、遠藤咲幸さとみさん(18)。学校内のみならず、日本中に、子宮頸がんやHPVワクチンの知識や情報を広げるべく活動している高校生です。「学生団体Lumiere」の代表や、中高生のインターン活動をサポートする「TeenWorker」の副代表として、情報を伝えながら、個人のキャリアを真剣に見つめる彼女の思いに迫りました。

■遠藤咲幸を知る10の質問

Q1. プロフィールを教えてください。

「神奈川県出身の18歳。品川女子学院の高等部に通いながら、子宮頸がんやHPVワクチンの情報を正しく伝える学生団体の『Lumiere(ルミエール)』や、中高生向けのインターン情報を発信するメディア『TeenWorker』での活動を通して、誰かが必要とする情報を知るきっかけになる活動を行っていますこの春から大学生になります」

Q2. 子宮頸がんに関する活動を始めたきっかけは?

「高校2年生のとき、身近にある社会問題について取り上げてチームで調べるという探究活動があって、同じチームに子宮頸がんワクチンを受けるかどうか迷っている友人がいたんです。ワクチンの接種推奨年齢は、小学6年生から高校1年生ですが、なかなか接種を受けるのに踏み切れず、接種推奨年齢を過ぎていたと言っていて。それで、ワクチンに関する正しい情報の必要性を感じたんです。

また、別のチームメンバーの親が子宮頸がんになったことがあるという話も聞いて。『がん』って、40代より上の年代のイメージがあるけど、実は10代でも身近な問題だということに気づき、正しい情報を伝えたいと思いました。私のまわりでも、子宮頸がんやHPVワクチンについて知らないていう人が、想像以上に多いんです。『日本中に知ってもらいたい!』くらいの思いで、チームメンバーと学生団体を立ち上げて、現在も活動しています」

 

Q3. 具体的には、どんな活動をしていますか?

「Lumiereでいま力を入れているのは、かるたをしながら子宮頸がんについて学べる『子宮頸がんかるた』と、学校機関がこのかるたを授業で導入する際の使い方や知識をまとめた、授業用キットの制作です。それほど身構えず、多くの人が子宮頸がんについて学ぶ機会を生み出すことで、知らないという状況を減らせるのではないかと思い、商品化も目指しています。

医療に関わることなので、間違った情報がないように、まずは自分自身でしっかり学び、専門家の監修も受けたうえで伝えるようにしています。監修を受けることは、私たちにとっても、知識を深めるいい機会になるので、とっても大事です」

Q4. グループで活動するとき大切にしていることは?

お互いができないことを補い合うことです。それぞれのメンバーに得意不得意があるので、ひとりひとりの良さを生かせるように役割分担することを心がけています。私が困ったときも、メンバーに包み隠さず相談して、解決するようにしています」

Q5. 幸せや生きがいを感じる瞬間はどんなときですか?

誰かに感謝されたり、自分が活動をすることで笑顔になっているのを見た瞬間です。Lumiereでの活動でも『さとみが言ってくれたから子宮頸がんのこと知れたよ』って言ってもらえると、やってよかった!と感じます」

Q6. 宝物はありますか?

「小さいときに買ってもらったオルゴールです。落ち込んだときや、気分を変えたいとき、オルゴールの音を聞くと不思議と落ち着くんですよ。よく聴くのは『崖の上のポニョ』と『美女と野獣』ですね」

Q7. 最近、新しく始めた挑戦は?

「出場したビジネスコンテストの賞として、Gaiaxというスタートアップ支援企業でインターンをする機会をいただきました。会社としてさまざまな領域に関わっている企業で、私が興味のある医療系ビジネスにも携われるということで、チャレンジしてみたいと思っています」

Q8. 社会が「こう変わればいい」と思うことは?

「もっと病気や健康について考える社会になればいいなと思います。まずは知ることで、自分とは遠い問題ではなく、身近な問題だと気がつくことができる。私自身、何かを知るきっかけのような存在になりたいので、自分の力も活かして、社会を変えていきたいと思っています」

Q9. これからの展望を教えてください。

自分の思いを大切に活動を続けていきたいです。私の中で、義務感で団体を動かし始めたら終わりだって考えていて。自分が重要だと思うからこそ、本気で取り組めると思います。

また、医療機器を作る臨床工学技士の資格をとることも目標にしています。私が医療に関わり続けたいという思いもあるのですが、将来、結婚や出産というイベントの前後でも、資格があれば仕事で悩むことがないはず。働き方の選択肢が広がることに加えて、自分の知見も広がると思うので、大学での勉強も頑張ります」

Q10. 同じ時代を生きる10代にメッセージをお願いします。

「私自身も、何が正しいのか、まだ分かりませんが、まだ10代。好きなことや嫌いなことを知るためにも、とにかくチャレンジしてみることが大切なのかなと思います。好きなことを極めると、それは大きな財産になるはず。私もチャレンジしていくので、一緒に頑張りましょう!

■遠藤咲幸の今日のファッション

トップス、スカート/F i.n.t シューズ/LIZ LISA

自分に似合うかより、自分が着たい服を着るのがMYルール。ガーリーにナチュラル系を合わせたファッションが多いです。『F. i.n.t』は、ちょっと頑張りたいときに着るお気に入りのブランドです」

■遠藤咲幸のSNS

★Twitter

 

 

学生団体Lumiere

 

 

Photo:Eri Miura
Text:Tomoka Uendo
Edit:Takeshi Koh

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Ayuka Moriya

エディター

1999年生まれ、秋田県出身。東京外国語大学 国際社会学部在学時よりライター・エディターとして主にインタビュー記事の執筆、ディレクションに携わる。Steenzでは、2021年ローンチ当初より「気になる10代名鑑」のコンテンツ制作を担当。

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