アーティストみゆはん、コミュ障卒業のお知らせ?好きなものが見つかったら、誰でも変われる
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アーティストみゆはん、コミュ障卒業のお知らせ?好きなものが見つかったら、誰でも変われる

Steenz(スティーンズ)

前回のインタビューで、「みんなと変わらない、ごく普通の10代を過ごした」と明かしてくれた、人見知りシンガーソングライターのみゆはんさん。彼女がミュージシャンとしてデビューしたのは、22歳のとき。そして数年たった今、音楽活動の枠だけに留まらない活動を続けている。

「マルチクリエイター」という言葉は単純。だけど、活動領域を広げれば、それだけぶち当たる壁も多く、またSNSで受ける批判も大きくなる。もともと心が弱い部分もあったというみゆはんさんが、その障壁を乗り越えられた理由の中に、大切なメッセージが盛り込まれていた。

好奇心だけではじまった”マルチクリエイター”

「歌手になりたい」という夢を叶えただけでなく、幅広い活動を行っているみゆはんさん。マルチクリエイターと呼ばれるまでには、どんな経緯があったのだろう。

そもそも歌うことは好きだったけれど、自分の声にはコンプレックスがあったんです。友達の前でも地声で話せなくて、声色を変えるために、息を吸いながら話すという謎の行動を取っていて(笑)。でも、歌を歌うときって思いっきり声を出すじゃないですか。それを友達に褒めてもらったのが嬉しかった。たぶんそれが、歌うことが楽しいっていう気持ちの原体験です。

それから音楽の仕事をするうちに、そんな自分の声を褒めてもらえる機会が増えてきて。それで声優のお仕事をいただいたり、おしゃべりをする配信をしたり。マルチにやろう、って計算していたのではなく、お声かけいただいて、楽しそうって思ったことに取り組んでいる感じですね

昨年にはNHKの音楽番組『夜光音楽 ボカロP5min.』でMCにチャレンジしたことも。これも純粋に楽しそう、と思ったからできたこと?

「MCとか、自分が苦手に感じているコミュニケーションが中心になってくるような活動に関しては、自分のコンプレックスを克服したいという思いが強くなって始めたっていう面もあります。昔から、誰とでも上手に話せる友だちを見ると羨ましかったし、今でも店員さんと話せないとか、知らない人からかかってくる電話が取れないとか、不便に感じることもすごく多くて……。でも、“みゆはん”としての活動の中でなら、克服できるんじゃないかと思って

―マルチな活動の背景には、彼女自身がある意味「職人気質」すぎない部分もあるのかもしれない。好奇心の赴くまま、意欲的に挑戦しているだけなんだそう。

「とはいえ、音楽以外の活動をするにあたって、不安がなかったわけではないんです。中にはやっぱり、あれもこれもと中途半端に手を出して、プロとして舐めてるだろうみたいな意地悪な目線を向けられることも。とはいえ、こんな私のことを応援してくれているファンのみなさんは、”なんでもやるのがみゆはん”って思ってくれている。だから、あまり深く考えすぎないようにしていますね」

―みゆはんさんのファンは、彼女いわく「とっても優しくて、心が繊細」な方が多いそう。その言葉を聞いてなんとなく、みゆはんさんと似た部分がある人たちなんだろうなと思った。

アンチも悪い人ばかりじゃない。心が弱い私でも批判と向き合っていけた理由 

―ファンとの交流を大切にしているみゆはんさん。でも、SNSやネットとの距離感には悩んだこともあったという。人に嫌われたくないという気持ちが心にあるのは、きっとみゆはんさんだけじゃなくて、みんな同じだ。でもやっぱり、有名になればなるほど、誹謗中傷に傷つけられた時期もあった。

「今持っているSNSのアカウントも、活動を始めるために作ったわけじゃなくて、もともと持っていたプライベート垢だったんですよ。友達やネットの知り合いと関わるためだけのアカウントで。陰キャっぽいからか、よくネット大好き人間だって思われることも多いんですけど、そうでもなくて。

だからか分からないですけど、アカウントが大きくなっていく中で、SNSを見るのがつらくなって、心が病んでしまったことがあったんです。他のアーティストのアカウントと比べてしまったり、知らない人からのリプライを見てつらくなったり……」 

―自分のことを知らない他人からの言葉との向き合い方って、すごく難しい。知らない人だからこそ、直球で悪意をぶつけられることだってあるし、送った人には悪意はなくても、自分は傷つくということもある。

「でも、だんだんと気づいてきたのが、悪意にも2種類あるっていうこと。気に入らないけど、アドバイスしてあげてるみたいな気持ちの人と、ただ悪口をぶつけたいだけの人。前者の人はまだ話し合いの余地があるんじゃないかと思って、一応リプライしています。逆に後者の人は、速攻でブロックして、一切関わらないようにします。

そうやって振り分けをしてみたら、話し合えば意外と分かってくれる人ってけっこう多いなって気がつくことができました。話しているのは人間なんだなっていうか……相手も私が同じ人間だってわかっていて、言葉を選んでくれているのかも……って感じることも多いです」 

―みゆはんさんは、人が嫌いなのではなく、実は人が好きで、優しい人なのかもしれない。アンチとは関わらないほうが傷つかないという意見が多い中、「実はアンチではない人」を振り分けて関わっていくことで、結果的にみゆはんさんの中でのアンチ数は減っている。 

「もちろん、傷つかないわけじゃないんですよ。でも、みゆはんとしての活動は、好きでやっていることが多いので、止まりたいとは思わない。それでも、SNSに関しては昔よりもがんばらなくなったかもしれないなあと思います。一定数、自分のことが嫌いな人がいるのは仕方ない。それでも応援してくれる人がいるから、頑張れている部分もあると思います」 

10代のうちに好きなものを見つけておいて

―ちょっぴり意地悪だけど、それなら、ファンがいなかったら頑張れないのだろうか。

好きで楽しいと思っていることなら、応援してもらえなくても、頑張れるんじゃないかと思います。私は”そのときはそのとき”っていう考え方なので、音楽を作るのが楽しいと思えていたら、ファンがいなくてもやっていると思います。でも楽しくなかったら、やめてたかもしれない。そうしたらたぶん、まったく別のことをやってるだろうし、やっぱりそのときはそのときっていうか」

―みゆはんさんの原動力は、すごくシンプル。人に褒めてもらえて嬉しかったのが原体験、と語っていたけれど、もっと言えば結果的に「楽しかったから」。

「楽しいことって、続けられるじゃないですか。私もチャレンジしていく中では失敗することもあるし、ヘコんで家で泣いたりすることもありますよ。でも、結果的に“楽しい”が勝っているから、できるんですよ」

―活動のモットーは「無理しない」でもあるというみゆはんさん。他人から見て頑張っているように見えることは、楽しいからできることなのだと、ケロリと話していた。そして、いまの10代に対しても、こんなアドバイスをもらった」 

「私は音楽を始めたのが遅かったので、いまだに音符が読めないし、ピアノも弾けなくて、10代のうちにやっておけばよかったなあって思うこともあります。だから、10代のうちに、自分が何を楽しいと思えるのかをいろいろ探してみてほしいです。

10代ってすごくエネルギッシュな時期だから、興味があるものが見つかったらなんでも頑張れると思います。まずは、自分の好きを追求してみてほしいな

―人見知りすぎるシンガーソングライターは、実際に会ってみたらけっこうポジティブで、強い人だった。きっと、失敗よりもたくさんの「楽しい」体験を重ねて、かつての「コミュ障」を卒業しつつあるのかもしれない。

彼女が変われたのは、好きなものを見つけられたから。人は変われるということを、身を持って教えてくれたみゆはん先輩なのでした!

みゆはんプロフィール

シンガーソングライター、声優、デザイナー、モデルなど、多岐にわたって活動するマルチアーティスト。香川県出身。2017年2月、ミニアルバム『自己スキーマ』でメジャーデビュー。また、Adoなどへの楽曲提供も行う。昨年10月に7枚目のアルバム『かいこ』がリリースされた。

Photo : Ryo Usami
Edit : Shiori Mikuni


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