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女が男らしく踊っちゃいけないって誰が決めた?中性的であることを武器に踊るダンサー【RIKAZO・17歳】

女が男らしく踊っちゃいけないって誰が決めた?中性的であることを武器に踊るダンサー【RIKAZO・17歳】

「気になる10代名鑑」20人目は、RIKAZOさん(17)。YouTube再生回数70万回を超えるダンスグループ「CJDA」に所属しながら、個人のダンサーとしても活動中。さまざまな葛藤を乗り越えて、独自スタイルを貫く彼女のダンスは、一瞬にして見る者を圧倒します。プロ顔負けの高校生ダンサーの素顔に迫りました。

■RIKAZOを知る10の質問

Q1. プロフィールを教えてください。

「東京都出身、17歳。小学校1年生からダンスをやっていて、ジャンルはHIP-HOPです。今は『CJDA』というグループに所属して活動しています。放課後と土日は大体ダンス漬けで、グループ以外にもユニットを組んだり、個人で踊ったりしています」

 

 

Q2. 普段、どんなことを大切にして活動していますか?

「『男よりイケメンな女』であること。男っぽく踊るっていうのが自分のスタイル。踊りをSNSに投稿したとき、『可愛い』って言われるのも別に嫌ではないんですけど、『かっこいい』って言われるほうが嬉しいです

Q3. 悩んだり辛かったりしたことは?

「もちろんありました。やっぱり女だからだと思うけど、ダンサーとして求められるのって、やっぱり『可愛らしさ』であったり『女性らしさ』だったりする。求められているダンスをしないと仕事に繋がらないけど、自分のスタイルを貫きたいし…。いろんな葛藤が生まれて、大好きなダンスが作業でしかなくなったときがありました」

Q4. そこからどう立ち直ったんですか?

「立ち直ったというか、腹をくくったというか。女性として、男性らしく踊る、っていうのを武器にして、中性的なスタイルでいこうって決めたんです。不安だったけど、理解してくれる人もいるはずだと思って、自分らしさを貫いたダンス動画を、Instagramにあげ始めました。そうしたら、意外にも好意的な反応が多かったんです」

Q5. ダンサーとして尊敬する人や憧れの存在はいますか?

「BTS『Butter』の振付制作に参加もしていて、ダンスの世界大会でも優勝しているグループ『GANMI(ガンミ)』のことは、とても尊敬しています。メンバーのひとり、Sota Kawashimaさんは、自分が所属するCJDAのディレクターなんです。

やっぱり、ダンス業界を超えて、多くのファンがいるっていうのは、本当にすごいこと。ダンス業界ってまだ小さいし、有名ダンサーと言われていても、身内しか知らないっていうことも少なくないけど、GANMIはやっぱり別格。

自分も、ダンスにそれほど詳しくない人たちにもその存在を知ってもらえて、楽しんでもらえるようなダンサーになりたいです」

Q6.「宝物」を教えてください。

「やっぱり自分の体ですね。幸いにも、これまでに大きなケガをしたことはないのですが、やっぱりダンサーって、踊れる体があってこそ成り立つもの。好きなように好きなだけ踊れるように自分を生んでくれた両親に感謝しています

Q7. リフレッシュや息抜き、趣味について教えてください。

「うーん、ほとんど四六時中ダンスしているし、友達もダンス仲間が多いんですよね。息抜き…というと、練習前に渋谷でごはんを食べに行くとか、古着を買いに行くとか。あとは、ひたすら寝る(笑)!

あ、あと、お母さんと共用のカメラを買ったので、カメラを極めたい気分ですね」

Q8. 生きるうえでのポリシーがあれば教えてください。

自分を殺さないこと。自分のスタイルを貫いていたら、絶対誰かがどこかで、いつか認めてくれるはずだから。誰かに批判されても、少し時間がかかったとしても、それは曲げられないです。

だんだん、周りから『RIKAZOはこういうスタイルだよね』って言ってもらえるようになってきたんで、自分を信じ続けていれば、誰にでもそういう瞬間が来るものなんじゃないかな」

Q9. 今後の展望は?

「ダンサーとしては、『男性っぽい踊りをする女性ダンサーといえば?』と問われたときに、真っ先に自分を思い浮かべてもらえるような存在になりたいです。今って、例えば、男性アイドルが女性っぽい踊りをするのは、ひとつのキャラとして認められて、注目されていて、ファンがいて…すごく盛り上がっていると思うんです。でも、逆はまだないと思うんですよね。

あとはダンス以外の新しい出会いが広がったらいいなと思って、来年、大学受験に挑戦しようとも思っています」

Q10. 同じ時代を生きる10代にメッセージをお願いします。

「学生だからできることもあるけど、そこに甘えすぎちゃいけないと思っています。自分も高校生なので、高校生だったら何しても大丈夫、みたいな謎の安心感があるけど、人としてちゃんとしているっていうのは大前提かなって。

たとえどんなにダンスの才能がすごくても、連絡とか、スケジュール管理とか些細な部分が欠けていたら、一緒に踊りたいって思えないと思う。ひとりの人間として、ちゃんとやるべきことをやってこそ、自分の特別なものって生きてくると思います」

■RIKAZOの今日のファッション

パーカ/POOOL シャツ/古着 パンツ/EASTLONGCAPE スニーカー/adidas バッグ/両親からのクリスマスプレゼント

「パーカとパンツは、知り合いのダンサーさんのオリジナルブランド。私服もボーイッシュなものが多くて、スカートをはくのは、制服を着るときぐらい。古着はよく下北沢で買います」

■RIKAZOのSNS

★Instagram

Photo:Eri Miura
Text:Ayuka Moriya
Edit:Takeshi Koh

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Ayuka Moriya

エディター

1999年生まれ、秋田県出身。東京外国語大学 国際社会学部在学時よりライター・エディターとして主にインタビュー記事の執筆、ディレクションに携わる。Steenzでは、2021年ローンチ当初より「気になる10代名鑑」のコンテンツ制作を担当。

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