タイムリーな話題から、カルチャー、さらには社会問題まで、さまざまなテーマについて、ティーンたちの声を聞くシリーズ「10代リアルVOICE」。
今回のテーマは「成年年齢の引き下げ」。約140年ぶりに成年の定義が見直され、2022年4月1日から、現在の20歳から18歳に引き下げられます。当事者であるティーンたちは、成人年齢が引き下がることについて、どう考えているのでしょうか。そこで5名の10代代表にぶつけてみました。
1. みゆみゆさん「お酒やタバコに対する意識に影響しそう」
「私はちょうど2022年4月1日に18歳になるので、それと同時に成人。なんだか嬉しくはあります。結婚するとき、保護者の同意がいらなくなるのも、いいなぁと思います。今後は脱毛やアートメイクなどにも、保護者の同意がいらなくなっていくという話も聞いたので、基本的にポジティブなイメージです。
一方で、18歳で成人になることで、20歳まで禁止されているお酒やタバコに対して『別に成人しているんだから良くない?』という感覚になってしまう人が増えてしまうのでは、と思っています。私自身は、お酒に対する憧れは一切ないのですが、友達はめちゃくちゃ興味があるようで……少し心配です」
2. 満葉さん「成人式は20歳で行われるので、実感は湧かなそう」
「18歳で成人になれるのは、社会的にひとりの人間として認められた感じがして、嬉しいです。でも、成人式は20歳になってからということで、実感はあまり湧かないと思います。
私自身は、たとえ成人しても、4月から大学進学のために上京するので、慣れない土地で怪しい人に騙されないか……正直とても不安です」
3. ねんねんさん「年齢のせいで経験できないことが減るのは良いこと」
「いま17歳ですが、あと1年で成人年齢になるという実感はあまりないですね……。ポジティブに感じられる点は、高校を卒業してからすぐに働けたり、経験できることが多くなること。働きたいと思っても年齢のせいで働くことができず、いま経験したいことができないということが私自身もあったので。
でも、別に成人年齢を引き下げなくても、ルールを工夫すれば解決することはありそう、とも思いました」
4. DAACKY「自己責任が今までよりも重くのし掛かってくる」
「18歳で成人となると、自己決定権が手に入るようになるので、自身で取捨選択をできるというメリットは感じます。たとえば、ひとり暮らしをしたい人や、進学や就職を検討している人からすれば、自身の意思を第一優先できるようになって、とても良いことだ思います。
でも逆に、さまざまな契約が自身の判断だけでできてしまうので、トラブルも起こりかねない。そういった意味では、自己責任も従来より重くのし掛かってくると思っています。立派な大人になるわけですから、ある程度自分の身は自分で守らなきゃいけなくなりますよね」
5. 内野そらさん「社会を生きるための知恵を、もっと学校で教わりたい」
「賃貸契約やクレジットカード、投資の契約など、早くから自分の意思で選択できるようになることはポジティブに感じます。でも、知識があまりない中で、トラブルに巻き込まれてしまうのはちょっと不安。
学校では、そういったトラブルに関するプリントは配布されたけど、それだけで終わってしまっているので、社会を生きていくうえでの知恵をもっと深く教わる機会が増えたらいいなと思います」
大人の年齢が変わる4月1日まで、あと2日!
成人となって、さまざまな権利や選択肢が増える一方で、責任やリスクが伴うことを、みんな心配していることがわかりました。社会、教育、経済など、成年年齢の引き下げで、今後さまざまな変化が起こっていきそうですね。
Photo:Eri Miura
Text:Ayuka Moriya
Edit:Takeshi Koh