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モルックで生まれた出会いを次世代につないで。不登校の子どもたちにも多様な選択肢を伝えたい【松崎哲也・19歳】

モルックで生まれた出会いを次世代につないで。不登校の子どもたちにも多様な選択肢を伝えたい【松崎哲也・19歳】

「気になる10代名鑑」1417人目は松崎哲也さん(19)。高校時代に出会ったモルックをきっかけに、大学で「湘南モルック Fifty」を立ち上げました。最近は自身が約5年間不登校だった経験を生かし、子どもたちの学習支援にも取り組んでいる松崎さんに、モルックとの出会いから、今後の展望について聞きました。

松崎哲也を知る5つの質問

Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?

「大学で立ち上げたモルックのサークル『湘南モルック Fifty』の活動です。今年の6月ごろに立ち上げた団体で、現在は10人弱のメンバーと活動しています。

モルックはフィンランド発祥のスポーツで、木の棒を投げて数字が書かれたピンを倒し、合計50点を目指すゲームです。

モルック自体は高校時代から始め、これまでに大会への参加や中高生向けの体験会、ワークショップなどにも取り組んできました。大学では、モルックを知らなかった人たちにも興味を持ってもらえて、新しいメンバーといっしょに活動できているのがうれしいです」

Q2. 活動を始めたきっかけは?

「モルックを知ったのは、高校の選択授業がきっかけです。ほかのスポーツと比べてもルールが簡単でわかりやすく、すぐに夢中になりました。年齢や経験に関係なく楽しめるのも魅力で、始めたばかりの人が経験豊富な人に勝つこともあるんです。

通信制高校に通っていたので、学校に行く機会はそれほど多くなかったのですが、モルックの授業がある日は絶対に行こうと思っていました。

そのうち自分で道具を購入して、休日に友達と練習したり、大会に参加したりするようになりました。ほかのキャンパスの生徒といっしょに大会に出たり、高校の大規模なイベントで体験ブースを運営したりもしました。同じ高校でも、キャンパスが違えば普段は出会わない人たちもいるので、モルックを通じていろんな人とつながれたことは大きかったですね。

だからこそ、高校を卒業してみんなの進路がバラバラになっても、モルックを続けたいと思ったんです。進学先の大学にはサークルがなかったので、高校時代の友人にも背中を押され、自分で立ち上げることにしました」

Q3. 最近、新たに始めた挑戦はありますか?

「今年の10月から、不登校の子どもたちなどが通う適応指導教室で、学習支援員として活動を始めました。

実は、ぼく自身も5年ほど不登校だった時期があって、そこは当時通っていた場所なんです。たまたまその教室の記事を見かけて、久しぶりに顔を出してみたことから、次は先生として関わることになりました。自分が教えてもらっていた場所に、支援する側として戻ってきたのは不思議な感覚です。

いまは、子どもたちに勉強を教えたり、レクリエーションをしたりしています。この前はモルックもやってみたんですが、気に入ってくれた子もいて、いまでは人気の遊びになっています。

これまでも、LINEのオープンチャットなどを活用して、不登校の子たちが交流できるコミュニティを運営するなど、オンラインでの支援に取り組んできました。今回、実際に子どもたちと関われる場所で活動できることは、すごく嬉しいです」

Q4. 活動する上で大切にしていることは?

「いちばん大切にしているのは、子どもたちに無理強いをしないことです。例えば、強制力を感じさせるような『絶対』という言葉は使わないようにしています。勉強してもいいし、遊んでもいい。いろんな選択肢に触れてもらうことが大事だと思っています。

こう考えるようになったのは、自分自身の不登校経験が大きくて。ぼくは『アウトドア型の不登校』だったんです(笑)。学校に行かない日は、自転車でショッピングモールや水族館に出かけたり、知らないカフェに入って店員さんと話したりしていました。

平日の昼間に子どもが外を歩いていると、『学校は?』って聞かれることが多いと思います。でも、ぼくが出会った地域の人たちは、そういうことを聞かずに普通に接してくれました。不登校の期間でも、自分の中に閉じこもりすぎずに、いろんな人と出会い、新しい価値観に触れられたことは、いまの自分をつくっている大きな要因だと思っています。

最初、学校を休み始めたころは、『学校を休んだ日は家と病院にしか行っちゃいけない』と、自分で勝手に決めつけていたんです。でも、外に出てみると、いろんな場所があって、いろんな経験ができることに気づいて。だからこそ、いま関わっている子どもたちにも、できるだけ多くの選択肢を知ってほしいと思っています」

Q5. 将来の展望は?

「まだ将来の夢が明確に決まっているわけではないですが、モルックや不登校支援、生徒支援に関わっていけたらと思っています。

モルックのサークルでは、今後もっとほかの大学との交流にも力を入れて、大学対抗戦を開催したり、体験会やワークショップを積極的に実施していきたいです。いまはまだ大学内でもモルックを知らない人が多いので、まずはいろんな学生に知ってもらえる機会を増やしたいです。

不登校支援についても、これからさらに積極的に子どもたちと関わって、いろんな価値観に触れていきたいと思っています。オンラインでの活動も続けながら、学校以外にも安心して過ごせるサードプレイスのような環境をつくることが目標です」

松崎哲也のプロフィール

年齢:19歳
出身地:東京都江東区
所属:文教大学情報学部データサイエンス学科、湘南モルックFifty、3×3Lab future
趣味:モルック、お話すること、自販機を巡ること
特技:タイピング
大切にしている言葉:マイペース

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Photo:Nanako Araie
Text:Yuka Miyazaki

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Yuka Miyazaki

ライター

2006年生まれ。長崎県出身。国際基督教大学(ICU)教養学部在学。核兵器を巡る世界情勢に関心があり、国際関係学を学んでいる。趣味は美術館巡り、ドキュメンタリー作品を観ること。

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