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ガーナに存在する「魔女のキャンプ」。女性の人権を奪う「魔女狩り」はいまも続いている【Steenz Breaking News】

ガーナに存在する「魔女のキャンプ」。女性の人権を奪う「魔女狩り」はいまも続いている【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、ガーナにいまも存在する、魔女だと告発された女性が隔離されるキャンプについて紹介します。

アフリカに残る呪術・魔術信仰

過去の記事「病気も犯罪も、ぜんぶ魔術のせい?アフリカでいまも『魔女狩り』がなくならない理由とは」でも紹介した通り、アフリカの一部の地域では、宗教と別に魔術が信仰されています。新聞にも呪術師や魔術師の情報が掲載されるほど身近で、筆者もウガンダで魔術を信仰している人々に遭遇したことがあります。

家族やコミュニティから追放される女性たち

そんな中、ガーナには「魔女」だと告発され、追放された女性が集まる「魔女キャンプ」が存在しています。

2025年に発表されたScience Publishing Groupの調査によると、ガーナには複数の魔女キャンプがあり、ブルキナファソやベナンなどの西アフリカにも存在すると報告されています。魔女キャンプで暮らしているのは、人の死や病気、事故など不幸の原因として、家族や近隣コミュニティから追放された女性たちです。中には、一夫多妻の家庭で別の妻から告発された女性や、魔女だとされたことによる暴行から逃れてきた女性も。

魔女だと告発されると、ニワトリなどの屠殺を伴う伝統的な形式での裁判がおこなわれます。魔女であると判断された場合は罰金が科され、魔女キャンプに収容されますが、無実であっても、元のコミュニティでも迫害を受けるため、戻ることは難しいのが現状です。

 

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魔女キャンプには水や学校、医療などが欠如している上、収容された人々は極度の貧困に陥っています。『Scientific Reports』に掲載された調査によると、女性の大多数はキャンプに来るまでは農業に従事していましたが、収容後、女性の半数は失業していることも判明しました。また、同調査によると、魔女キャンプにいる女性は、一般の女性と比較して著しく不安やうつ病のスコアが高いことも判明しました。多くの女性は家族やコミュニティから追放され、個人で暮らしていますが、中には子供と暮らしている女性もいます。こういった子供たちは同級生や同僚から偏見の目を向けられる現実にも直面しているそうです。

どうしたら根絶できる?

2020年には、90歳の女性が「魔女」と疑われ、群衆の前で暴行を受けて死亡する事件が起きました。こうした事件を背景に、魔女キャンプは人権を侵害するだけでなく、女性に対する差別や暴力を助長しているとして批判の声も上がっています。

2023年には、ガーナ議会で「反魔女告発法案」が可決。魔女だと他人を告発する行為を違法とし、告発された人を保護するとともに、被害者が賠償を求められるようにすることを目的としています。しかし、前大統領のナナ・アクフォ=アドにより却下され、法律は依然として成立していません。

現在、魔女キャンプに住む女性はNGOや協会からのわずかな支援に頼って生活しています。一方で、魔女キャンプを離れ、コミュニティに復帰するには、コミュニティが同意し、司祭による儀式を受ける必要があります。しかし、儀式には約90ドルを支払う必要があり、現実的ではありません。

いわゆる「魔女狩り」と呼ばれる行為は、ガーナで多くの女性を地域から隔離し、人権を奪ってきました。彼女たちの尊厳を取り戻すためには、こうした慣習に対する行政の対処をはじめ、コミュニティとの関係修復の支援や、収入を得られる環境づくりも欠かせません。また、魔女や魔術をめぐる地域住民の認識に働きかけるなど、これ以上被害者を増やさないための取り組みも求められています。

References:
『Exploring the Barriers to Accessing Formal Education by Children in the Alleged Witches’ Camps in Ghana』Abdulai Abubakari, Justice Yaw Adua, Dominic Wemochiga Amonzem
『Psychological health in marginalised women living in witches’ camps in Ghana』Yakubu H. Yakubu, Richard J. Siegert, Christian U. Krägeloh, Lydia Aziato & Eleanor Holroyd

Text:Hao Kanayama

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Hao Kanayama

ライター

ウガンダ在住。アフリカ専門ライター/音楽フェス・イベントプロダクション等。不条理で不都合な世界だけど、その先にある希望を求めて歩き続ける、アフリカの人々の暮らしをわたしの目線から伝え続けたい。

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