
世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、ミャンマーの軍事クーデターから間もなく5年を迎えようとしているいま、ミャンマー人クリエイターの支援を続ける「ドキュ・アッタン」の活動をご紹介します。
クーデターから5年、日本を目指すミャンマー人も増加
ミャンマーでは、2021年2月1日に起きた軍事クーデターにより現在も政治的混乱が続いています。治安の悪化や、若者を中心とした徴兵制の開始などを理由に国外へ逃れる人々は後を絶たず、日本へやってくるミャンマー人も増え続けています。

提供:Docu Athan
ミャンマーと接するタイの国境の街、メーソットにはおよそ数十万人のミャンマー人が逃れ、難民状態となり暮らしているそう。この街には、祖国のために声を上げ続けるジャーナリストやアーティストを支援する団体「ドキュ・アッタン」のコミュニティスペースがあります。
ドキュ・アッタンはミャンマーで拘束された経験を持つ日本人、ジャーナリストの北角裕樹さんとドキュメンタリー作家の久保田徹さんが共同代表として運営する団体。公式サイト上での映像作品公開、国内外での上映会、コミュニティスペースでの機材貸し出しやワークショップ開催が主な活動内容です。
ミャンマーのいまを伝える展覧会
2024年12月下旬、東京都内でドキュ・アッタンの上映型展覧会が開催されました。これまでは公式サイト上での映像作品の掲載がメインでしたが、現地のアーティストたちからの要望を受け、今回初の試みとしてアート作品の展示と合わせて企画されました。

会場には、水彩画やスケッチ、刺繍など多様な技法で制作されたアーティストの作品が並びます。困難な状況に置かれる子ども、ミャンマーの平和のために戦う若者たちの姿など、力強く生き抜くミャンマーの人々の精神を感じるものばかりです。

とりわけ来場者の目をひいたのは、約40センチ四方のアウンサンスーチー氏の肖像画。右のモノクロの作品はキャンパスに打った釘に糸を張る「ストリングスアート」という手法で160時間を費やし制作されたそうです。

作品のキュレーションを担当した、京都芸術大学大学院講師の居原田遥さんは「現地に足を運び、直接作家さんと対話を重ね選定しました。それぞれの作品の持つ背景や制作手法を、キュレーターとアーティストという関係性を超え、お互いを理解することを重視してヒアリングを進めました」と教えてくれました。
イベント当日はクーデターをめぐってジャーナリストやアーティストが制作した短編映像集の上映もおこなわれました。アートと映像を通じ、一般的な報道ではこぼれ落ちてしまう当事者たちの葛藤や想いが届けられる場となりました。
ミャンマー国内では、実権を握る国軍の監視や逮捕など弾圧対象となるため自由な発言や表現活動は厳しく制限される状況が続いています。日本にいるわたしたちが彼らの声に関心を持つことが、祖国を離れ、民主主義を取り戻すため活動を続けるジャーナリストやアーティストたちの支援につながるのです。
さまざまな表現で「声」を届け続ける人々に注目して

久保田さん(写真右)は、メーソットの拠点を開設してからの約1年半を「300人以上の人々を支援・400以上のプロジェクトにカメラの貸出を実施しました。日々新規の問い合わせがあり、想像以上に需要があると手ごたえを感じています」と振り返ります。
また北角さん(写真左)は、「ミャンマーの若者たちは軍事クーデターにより夢や希望を奪われ、この5年間それぞれの人生を模索しながら過ごしました。読者のみなさんも、同世代の彼らの生き様を知ることで新しい発見や刺激を受けるのではないでしょうか」とコメントを寄せました。
公式サイトに掲載されている映像作品を観て感想をシェアする、お気に入りの作家へ寄付をするなど、自分のできることからアクションを起こしてみてはいかがでしょうか。
References:
Docu Athan ドキュ・アッタン
Text:kagari






