タイムリーな話題から、カルチャー、さらには社会問題まで、さまざまなテーマについて、リアルな10代の声を聞くシリーズ「10代リアルVOICE」。
今回は、4人の10代に「最近気になったニュース」について。流行語大賞からエネルギー問題、スポーツの国際大会、政治へのまなざしまで、それぞれの“リアルな視点”が集まりました。
1. 福島にこさん「デフリンピック卓球・女子団体の銀メダルに感動」

着ているだけで発電ができる服の開発に取り組み、大阪・関西万博でのパネルディスカッションへも参加した、16歳。
「最近気になったニュースは、東京2025デフリンピックの卓球競技で、日本の女子団体が銀メダルを獲得したことです。
わたし自身も卓球部に所属しているため、デフリンピックがろう者や難聴者の選手たちのための大会であることを知り、とても感動しました。
試合では、一度負けた選手が苦戦しながらも最後に逆転勝利をつかみ取る場面もあり、精神力と技術の高さに強く心を打たれました。卓球は技術だけでなく、メンタルの強さが勝敗を大きく左右するスポーツだということを、改めて実感しています」
2. 安達愛恵さん「総裁選をきっかけに政治とメディアへの視点が変わった」

高校生のためのミュージカル団体で高校生演劇を支える傍ら、脚本執筆にも取り組む無類の演劇好きな高校生、16歳。
「あまりニュースに強い関心はなかったのですが、総裁選の話題は学校の授業でたくさん扱われていて、印象に残っています。
そして首相が変わってからは、ネット上で前向きな政治関連の動画が流れてくることが増え、『日本がよくなるかもしれない』という期待を持つようになりました。
一方で、ニュースや報道の内容とネットでの情報が違うこともあり、マスコミについて疑問を抱くきっかけにもなりました」
3. 渡邉楽さん「流行語大賞の変化が気になった」

巨大な1円玉や「動く生肉」など、町中にユーモアあふれるアートをもたらす作品作りを手掛ける美大生、19歳。
「2025年の『新語・流行語大賞』のノミネート語30語が発表されたニュースです。
今年は、いままでの雰囲気から変化があったと話題になっていました。これまでの『新語・流行語大賞』では、野球や政治、朝ドラの単語など、正直あまり知らない単語が多い印象でしたが、今年はSNSで流行った単語など、流行語として思い浮かぶ単語が多くノミネートされていた印象です。
ユーキャンが協賛を終了したこともあり、審査員が変わったことも影響としてあると思います」
4. 二ノ宮リム虹さん「原発再稼働のニュースに強い危機感」

気候変動の解決と公正な社会の実現のために邁進しながら、さまざまな環境活動の団体に所属している、19歳。
「東京電力柏崎刈羽原子力発電所の再稼働についてです。
3.11で大きな被害が出て、多くの人がいまも避難生活を続けている状況を思うと、原発再稼働へ向かう現状に強い危機感があります。
本来であれば、農地の上にソーラーパネルを設置する『ソーラーシェアリング』など、まだまだ広げられる再生可能エネルギーの選択肢があるはずです。それにもかかわらず、原発だけでなく石炭火力発電にも依存し続けている日本は、世界の流れに逆行しているように感じます」
流行、国際大会、環境問題、政治など、10代が何をきっかけに社会へ目を向け、どんな価値観を育てているのかがよく伝わる回になりました。これからも「10代リアルVOICE」では、10代ならではの視点とリアルな日常の感覚をお届けします!
Photo:Nanako Araie
Text:Serina Hirano










