Steenz Breaking News

新ユーロ紙幣のデザイン公募を実施。リトアニアの希少な“あの鳥”の案が話題に【Steenz Breaking News】

新ユーロ紙幣のデザイン公募を実施。リトアニアの希少な“あの鳥”の案が話題に【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、ユーロ紙幣のデザインに珍鳥が提案されたことについてご紹介します。

欧州中央銀行がユーロ紙幣のデザインを募集

世界各国で定期的におこなわれている紙幣の改刷。日本でも2024年7月3日におこなわれ注目を集めました。そして最近は、ヨーロッパも改刷に向けて動いているようです。

欧州中央銀行は2025年7月15日〜2025年8月18日の間、将来のユーロ紙幣デザインに関する募集をおこないました。デザインテーマは、「ヨーロッパ文化:共有された文化空間」と「川と鳥:多様性における回復力」のふたつです。コンテストは、欧州連合(EU)在住のグラフィックデザイナーが対象であり、デザイナーの選抜とデザインの決定の2段階で審査されるとのこと。

テーマごとに最大5作品が選ばれ、審査は審査委員以外に一般からもデザインに対する意見を募集します。最終デザインは2026年末までに決定し、流通はそれから数年後になるといわれています。

リトアニアの非営利団体が提案したデザインが話題に

さまざまなアイデアが集まるなか、リトアニアの非営利団体「Ancient Woods Foundation」が、非公式に提案した100ユーロ紙幣のデザインが注目されています。それが、絶滅が危惧される鳥「オオライチョウ」が求愛する姿です。

 

この投稿をInstagramで見る

 

Sengirės fondas(@sengiresfondas)がシェアした投稿

現在リトアニアには、数百羽ほどしか生息していないというオオライチョウ。そのような貴重な鳥を100ユーロ紙幣に載せることにより、「100ユーロと同じくらい希少で価値がある」というメッセージを込めました。

同財団は今回の提案により、生物多様性とその保護の緊急性について皆で積極的に考え話し合い、森林保全について誰もが関心をもてるようにすることを目指しているようです。そして、「欧州の紙幣は文化遺産だけでなく、自然遺産にも注目するべきだ」といった内容の話もしています。

デザイン提案が森林や生物保護に対する関心を高める?

リトアニアのデザイン提案は、「Neįkertamas miškas(触れることのできない財産)」という地域プロジェクトの支援にもつながると考えられています。「Neįkertamas miškas」とは、調達した資金を活用して、伐採や開発の可能性が高い成熟した森林区画を購入する取り組みです。購入後は永久的に保護されるため、伐採や建築などの人間活動は一切禁止されます。こうして保護された土地は豊かな森になり、ライチョウを含む多様な野生動物の生息地になるのです。

同プロジェクトは開始から1か月以内に、3,750人以上の個人と21の団体から1億8,192万ユーロの寄付を集め、8月までに約31ヘクタールの森林を保護しています。今回のデザイン提案が注目されたことにより、ライチョウを含む絶滅危惧種や生息地などに関心を持つ人も増え、良い影響を与えてくれるのではないでしょうか。

紙幣デザインに込められたメッセージ

ヨーロッパで進められている、ユーロ紙幣の新デザイン選考。どのようなデザインが選ばれるのか今から楽しみですね。
そして、本記事を読み紙幣デザインに関心をもった方は、その他の国のデザインや選定理由なども調べてみてはいかがでしょうか。リトアニアと同じように、何かメッセージや想いが込められているかもしれません。

Reference:
新しい日本銀行券特設サイト|国立印刷局
ECB launches design contest for future euro banknotes| European Central Bank
ECB selects motifs for future euro banknotes|European Central Bank
Lithuania’s Audacious Bid to Feature Its Rare Birds on the 100 Euro Note|urdesign
Lithuania Champions Nature’s Rarest Species for New 100 Euro Notes |Luxurious Magazine
Proposed European Banknote Highlights Endangered European Bird Species|Happy Eco News
Apie kampaniją|Sengirės fondas
RETURNING NATURE TO NATURE|CG

Text:Yuki Tsuruda

SNS Share

Twitterのアイコン

Twitter

Facebookのアイコン

Facebook

LINEのアイコン

LINE

Yuki Tsuruda

ライター

鹿児島県在住のフリーライター。販売職や事務職を経験後、2020年5月からフリーランスのライターへ。執筆ジャンルは、ものづくりやSDGsなど。

View More