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スポーツの秋が到来。今年は聴覚障害のあるアスリートが大活躍の「東京2025デフリンピック」に注目!【Steenz Breaking News】

スポーツの秋が到来。今年は聴覚障害のあるアスリートが大活躍の「東京2025デフリンピック」に注目!【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、11月15日から東京で開催される、耳がきこえない・きこえにくい人のためのオリンピック「デフリンピック」についてご紹介します。

11月15日から「デフリンピック」がスタート!

国際的なスポーツ大会といえば、オリンピックやパラリンピック、FIFAワールドカップ、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)、世界水泳など、さまざまな大会が世界各国でおこなわれています。

そうしたスポーツの世界大会のひとつが、「デフリンピック」です。デフリンピックとは、耳が完全にきこえなかったり、きこえにくかったりと、聴覚障害のあるアスリートが出場するオリンピックのこと。1924年にフランス・パリで初開催されてから、実に100年以上の歴史を持つ伝統的な国際大会です。

ちなみに、オリンピック開催年に同時開催されるパラリンピックは、身体障害や視覚障害、知的障害のあるアスリートのためのオリンピックで、実は聴覚障害のある選手向けの種目はおこなわれていません。耳がきこえない・きこえにくいアスリートは、4年に一度、夏季と冬季に開催されるデフリンピックで、世界の頂点を目指して競技に臨むのです。

今年は東京都が開催地に

今年のデフリンピックは、「東京2025デフリンピック」として、東京都内で開催されます。大会期間は11月15日~26日まで。およそ80カ国・地域から約3,000人の選手が参加します。

競技数は21個。具体的な種目名は下記の通りです。

陸上競技、バドミントン、バスケットボール、ビーチバレーボール、ボウリング、自転車競技(ロード)、サッカー、ゴルフ、ハンドボール、柔道、空手、自転車競技(マウンテンバイク)、オリエンテーリング、射撃、水泳、卓球、テコンドー、テニス、バレーボール、レスリング(フリースタイル)、レスリング(グレコローマン)

ボウリングやオリエンテーリング(※)など、デフリンピックならではの種目があるのが特徴です。また、出場選手には聴覚障害があるため、競技の運営には国際手話が使われたり、試合中の各種合図は音ではなく視覚情報を使ったものが採用されたりするのも大きなポイント。例えば、陸上の100m走では、スタートの合図を音だけでなく光でも選手に伝えます。スタートランプという専用の装置を使うことで、選手たちは同じタイミングで一斉に走り出すことができます。

※オリエンテーリング:地図とコンパスを活用し、山野に設置されたチェックポイントを通過してゴールに着くまでの速さを競う競技。

日本の注目選手は?

実は日本は、デフリンピックの強豪国。前回2022年におこなわれたブラジル・カシアスドスル大会では、メダル獲得ランキングで5位に入っています。そこで、各競技で注目の日本代表選手をご紹介したいと思います。

まず注目したいのが、競泳の茨隆太郎選手。茨選手はこれまで、デフリンピックに4回出場し、金メダルを5個、銀メダルを9個、銅メダルを5個も獲得しています。

続いて、柔道の佐藤正樹選手。佐藤選手は2022年のデフリンピックで5位に入賞。第2回世界ろう者柔道選手権大会(カザフスタン)では、男子66キロ級で金メダルに輝いており、勢いをそのままに今年のデフリンピックで王者に輝くことが期待されています。

注目選手は卓球にも。過去4大会に出場し、8個のメダルを獲得している亀沢理穂選手の活躍に熱い視線が注がれています。団体競技では、女子バレーに注目したいところ。日本女子代表は過去2大会で金メダルを獲得した実績があり、今年の大会でも大きな活躍を見せてくれそうです。

デフリンピックの楽しみ方

そんなデフリンピックですが、先述の通り、競技中は基本的に音の出る合図がほぼ使われません。そのため、観戦の際はスタートランプや審判が持つ旗など、目で見てわかる合図を追うことで競技の始まりや流れを把握することが可能です。

また、選手を応援する際も、視覚的に分かる合図を送るのが基本。今大会の実施にあたり、東京都と聴覚障害者のチームが「サインエール」を開発しています。これは、日本の手話をベースに、複数の動きを組み合わせた新しい応援の合図。「行け!」「大丈夫、勝つ!」「日本、メダルをつかみ取れ!」という3つの基本メッセージを、選手たちに伝えることができます。

今大会は、事前申し込みが不要で無料で観戦できるほか、公式YouTubeによるオンライン視聴もできます。冬の気配を感じるようになった11月。今年はスポーツの秋として、デフリンピックを観戦してみてはいかがでしょうか。

Text:Teruko Ichioka

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Teruko Ichioka

ライター・編集

フリーライター。好奇心の強さは誰にも負けない平成生まれ。得意領域もスタートアップ、ビジネス、アイドルと振れ幅が広い。

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