
タイムリーな話題から、カルチャー、さらには社会問題まで、さまざまなテーマについて、リアルな10代の声を聞くシリーズ「10代リアルVOICE」。
今回は、10月上旬に実施したアンケートをもとに、いま気になっているニュースについて聞きました。政治、国際問題、音楽、テクノロジー……。同じニュースでも、その受け取り方は人それぞれ。いまを生きるティーンたちは、どんなことに関心を持ち、どんな視点で世界を見ているのでしょうか?
1. 中原さん「女性初の総理に期待と疑問。政治の変化に注目しています」

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のボランティアとして、アフガニスタンで活動するなど、数多くのボランティアに取り組んでいる17歳の中原さん。
「高市早苗さんが自民党総裁になったニュースがとても気になりました。
高市さんが総裁になったということは、日本ではじめての女性総理大臣が誕生する可能性が高まったということ(※10月21日付で総理大臣就任)。先進国のなかでもジェンダー平等の遅れが指摘されている日本で、女性が政治の表舞台に立つということは、これからの日本に大きな革命を起こすのではないかなと思っています。
一方で、高市さん自身はジェンダー問題に対して慎重な姿勢をとっているところも興味深いです。たとえば、結婚後の夫婦別姓については反対していますし、『同性のパートナーはいいと思う』と発言しながらも、同性婚についても認めていません。女性として初の総理候補でありながら、そういった問題にはなぜ慎重なのか、気になります」
2. 北川颯姫さん「投票権を得たからこそ、政治の動きを見つめたい」

学校行事の照明担当をきっかけに、照明演出にのめりこみ、多くの舞台を観に行った結果「演出はあくまで演出」と結論づけた18歳の北川さん。
「最近気になったニュースは、やはり自民党の総裁選です。
ようやく18歳になって、選挙に行けるようになりました。もともと政治への興味関心はあったのですが、投票する権利を持つひとりの国民として、いままで以上に意識を向けるようになりました。これからの日本を良くしていくためには、どの党がどんな公約を掲げているのかだけでなく、実際にどんな行動をとっているのかを知ることが大切だと思っています。
だからこそ、総裁選の動きも、党の姿勢がみえる出来事として注目していました」
3. 篠田曉さん「謎の新プロジェクトにワクワク。トヨタの挑戦に注目」

中学1年生のときに、旅行先へ持って行った古いデジカメをきっかけに、街中で目に留まった日常を、スナップ写真として切り取る活動を続けている14歳の篠田さん。
「2025年10月13日に発表されたトヨタの謎の新プロジェクトです(※新たなブランド戦略として、既存5ブランドポジションを刷新するというもの)。
(アンケート時点では)カウントダウンだけ出ていて、詳細はまだ不明なんですけど、車好きとしてめちゃくちゃ気になっています。同じ時期に行われるトヨタのプレスブリーフィング報道向け説明会も注目しています。
どんな新しい技術が発表されるのか、環境や次世代モビリティに関する実験的な取り組みなのか。これからの発表を楽しみにしています」
4. たはりーさん「世界中が注目する音楽の祭典から刺激を受け」

小さい頃から算数が得意で、YouTubeを通して勉強の楽しさを発信している19歳のたはりーさん。
「最近、ぼくの中でいちばん熱いニュースは『第19回ショパン国際ピアノコンクール2025』です!
大学ではピアノサークルに入っていて、出演者の演奏や予選の結果にもすごく興味があります。SNSやネットを見ていると、コンクールの結果や審査に対して、世界中の人がいろんなコメントをしていて、それを読むのも楽しいです。長いあいだピアノを弾いてきたけれど、そうした意見を見ていると、自分にとって新しい発想や考えに出会えることがあります。
自分の演奏でも、どんなことを意識して弾きたいか、どんな音を届けたいかを考えるきっかけになっています」
10月はじめのアンケートということもあり、話題となった初の女性総理誕生の話題に注目が集まった今回の気になるニュース。政治や国際問題、技術、音楽など、関心の方向は人それぞれでした。10代リアルVOICEでは、これからもティーンたちが感じたいまを切り取り、リアルな視点を届けていきます。
Photo:Nanako Araie
Text:Serina Hirano










