
「気になる10代名鑑」の1133人目は、仙石知寛さん(19)。ロックバンドのドラムとして活動する傍ら、友人の音楽プロジェクトのサポートを務め、アルバム制作にも携わっています。創作において、カルチャーの文脈や過去の人物の哲学を知ることを大切にしているという知寛さんに、活動をはじめたきっかけや、将来の目標について詳しく伺いました。
仙石知寛を知る5つの質問

Q1.プロフィールを教えてください。
「高校時代の同級生と組んでいるロックバンドや、友達の音楽プロジェクトのサポートで、おもにドラムを演奏しています。
バンドのほうは月に2回ほど、下北沢のライブハウスを中心に演奏をしています。最近では、高校の後輩のソロプロジェクトをサポートし、10代の仲間たちでアルバムを制作しました。11月頃にリリースされる予定です」
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Q2.どんなことをテーマに活動をおこなっていますか?
「ぼくたちのバンドに反映されている音楽のジャンルは、ファンク、ロック、ブラックミュージックです。メンバーはそれぞれ好きな音楽や得意な音楽性が少しずつ違うので、個性の違いを4人で集約させて、独自のサウンドをつくるというイメージでやっています。
具体的には、過去のミュージシャンの名前を出し合って、こういう感じの音で、こんな雰囲気のものをつくりたい、とアイデアを持ち寄るところからはじめています。その後に、どうやって自分たちの色にアレンジして音楽を生み出していくかというのを、色々と話し合って決めていますね」

Q3.活動を始めたきっかけは?
「中学2年生のころ、音楽をやっていた父親の練習に付いて行って、ドラムを叩くようになりました。
それ以前は特に音楽に興味があったわけではなかったのですが、新型コロナウイルスの影響で環境が変わったことがきっかけのひとつなのかなと思ってますね。
はじめはひとりで曲を聴いてコピーをするだけだったのですが、高校に進学して軽音楽部に入部したことを機に、音楽の趣味の合う友達や、自分に弾けない楽器を上手く弾く人たちと出会って。そこで、いろんな人と音楽をやる楽しみを知りました」

Q4.活動するうえで、大切にしていることは?
「音楽で何かを表現しようと思ったときに、必ずそのアウトプットの影響元があると思っていて。音楽に限らず、さまざまなカルチャーの文脈を理解したうえで創作に取り組むほうが、深みのあるものをつくれると考えています。
最近では、分析美学の本を読んだり、マルセル・デュシャンについて学んだりしていますね。彼は、芸術の在り方だけでなく、色々な哲学の問いに対しても独自の見解を持っていたりしていて、それがいまの自分の創作にもつながっています。
自分と同じような音楽を聴いてきた人や、同じようなカルチャーが好きな人に刺さる音楽をつくりたいとも考えています。ぼくは70年代のファンクミュージックが好きですが、いろんなひとに届くようなキャッチーさを持ちつつ、好きな音楽をそこにいかに反映させるかという、両立を意識していますね」

Q5.将来の展望は?
「2年以内ぐらいに、イギリスに渡ってDJの活動をするのが目標です。
中学生のときに、DJの機材を知り合いからもらっていて。最近になって、DJをしたいという気持ちが高まってきたんです。そんななか、今年に入って旅行で行ったロンドンを見て、ここに住みたいと強く感じて。
ヨーロッパを拠点に活躍する日本のDJが増えていることもあるので、自分も本場のカルチャーにどっぷり浸かりたいです」
仙石知寛のプロフィール
年齢:19歳
出身地:神奈川県横浜市
所属:Avant-garde Club、はるべりand the raspberry scone、新空感バンドセット
趣味:レコ屋dig
特技:まつげに爪楊枝を乗せること
大切にしている言葉:音楽は君自身の経験であり、君の思想であり、知恵なのだ。もし君が真の生活を送らなければ、君の楽器は何も真実の響きを持たないだろう。(チャーリー・パーカー)
仙石知寛のSNS
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Photo:Nanako Araie
Text:Yuzuki Nishikawa






