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「世界最年少の舞台プロデューサー」としてギネス申請中。物語を未来へ紡ぐクリエイティブプロデューサー【高梨元秀・13歳】

「世界最年少の舞台プロデューサー」としてギネス申請中。物語を未来へ紡ぐクリエイティブプロデューサー【高梨元秀・13歳】

「気になる10代名鑑」の1120人目は、高梨元秀げんしゅうさん(13)。11月に公開を控えるオリジナルミュージカル『カミヒト』で、クリエイティブプロヂューサーとして、脚本から、楽曲、舞台芸術まで全てを手掛けています。幼少期に観た『シルク・ドゥ・ソレイユ』や、仏像との出会いから生まれた独自の世界観をもとにクリエイティブに挑み続ける高梨さんへ、作品づくりにかける想いや将来成し遂げたいことまで、根掘り葉掘り聞いてみました。

高梨元秀を知る5つの質問

Q1. プロフィールを教えてください。

幼少期からミュージカルが大好きで、クリエイティブプロデューサーとして活動しています。

9歳の頃からオリジナルミュージカルの創作をはじめ、現在はミュージカル『カミヒト』の公開直前です。ぼくは、全体ディレクションから、役者としても出演予定で、日々の稽古に励んでいる最中です。資金集めにあたっておこなったクラウドファンディングでは、開始3日間で300万円を達成して、最終日には想像を超える500万円ほどの支援をいただけました。

発想の原点は、抽象画や、民族衣装、ミュージカルです。実は、2024年に小豆島現代美術館で開催した個展『Imagination World』で、カミヒトの世界観をアートとしてお披露目もしています。

公園を走るのが日課なのですが、カミヒトもランニング中に突然ふってきたアイデアで。家に帰ってからすぐに脚本を書き始め、曲や美術の構想まで広がっていきました。ランニングを終えるころには別の世界に入り込んでしまっていることもしばしば。運動より芸術の時間になってしまうこともあって、日常のこうしたひらめきをかたちにすることが、ぼくのクリエイティブの中心です」

Q2. どんなことをテーマに活動をおこなっていますか?

作品の核にあるものは『人間×何か』という対比です。

『カミヒト』では神と人、過去作では、絵画の世界と人。必ず人間を軸に、別の存在を掛け合わせることで、光と闇、葛藤と希望が生まれてきます。

たとえばカミヒトは、地球で繰り広げられる神と人間たちの葛藤と、その中で希望を見出そうとする姿を描いていて。主人公クレオは、願えば叶うという神のような力を持つ一方で、孤独を抱えてもいる存在でもあります。ぼくは、その姿を通して、誰しも感じたことのある『理解されない苦しみ』を描きたいと思いました」

Q3. 活動を始めたきっかけは?

「舞台芸術にのめり込んでいったきっかけは、幼いころに観た『シルク・ドゥ・ソレイユ』と『オペラ座の怪人』です。舞台全体を使って表現される世界観に、気づいたら心を奪われていて。そこから、舞台芸術にのめり込んでいきました。

さらに同じ時期、博物館で開催されていた東寺の展覧会で仏像や曼荼羅と出会いました。思わず隣にいた母に『紙とペンをちょうだい』と、その場で夢中になって絵を描きはじめたのをいまでも覚えています。なんだか、魂が痺れるような感覚でした。それ以来、オリジナルの仏画や曼荼羅を描き始めるようになっていって、2023年に初めて、渋谷で個展を開催しました。

初のミュージカル『The Brecker!』では全役ひとりで演じて、もちろん制作から動画編集もおこない、いまはYouTubeで公開しています」

Q4. 自身のクリエイティブに影響を与えたものは?

影響を受けてきたのは、芸術作品全般、そしてミュージカルや仏画、さらにはこれまで出会ってきた人たちからの言葉や表現です。

なかでも強烈な体験となったのは、初めて観た 『シルク・ドゥ・ソレイユ』。舞台の床が一気に外れ、水の世界に変わるという大胆な仕掛けに驚きました。ただのサーカスではなく、舞台全体で物語を語る総合芸術は、言葉がなくても、体や衣装、舞台セットなどさまざまな表現でメッセージを伝えることができるんだと教えてくれて。

来年の1月には、ラスベガスへ、シルク・ドゥ・ソレイユを観劇しに行く予定です。新たなインスピレーションを受けれるのではないかと、いまからとてもワクワクしています。

また、人との出会いも大きな影響を与えてくれています。『絶対にやったほうがいい』『応援するよ』という言葉は、進み続けようという原動力になっています」

Q5. 将来の展望は?

ぼくの大きな夢は、『元秀ワールドアイランド』をつくることです。

創作の原点にはいつも、このワールドアイランドのイメージがありました。島には、ミュージカルを上演する劇場がいくつもあり、自作の絵画や他のアーティストの作品を展示できる美術館も併設しています。そして、物語ごとにテーマの異なるエリアとアトラクションが広がり、訪れる人がアートで遊び、心を解放できる空間です。いまは構想段階だけれど、そんな場所を現実につくりたいと本気で思っていて。

その第一歩が、11月に控えるカミヒトの上演です。この公演を成功させ、世界最年少の舞台プロデューサーとして頑張っていきます。すでにギネス審査も済んでおり、正式に登録される予定です。

カミヒトの主題歌には、『ぼくらが地球に生まれた理由は、壊すことじゃなく守ること』というメッセージを込めていて。この想いを胸に、楽しむ心とワクワク感を忘れずに、未来へ作品を紡いでいきます」

高梨元秀のプロフィール

年齢:13歳
出身地:東京都三鷹市
所属:マルバーンカレッジ東京、ルーラルアーティスツ(エージェント契約)
趣味:ミュージカルを観ること。ミュージカルをつくること。絵を描くこと。
特技:殺陣、英語を話せること
大切にしている言葉:とにかくやり続ける

高梨元秀のSNS

★Instagram

Photo:Nanako Araie
Text:Serina Hirano

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Serina Hirano

ライター/ディレクター

10代名鑑ディレクター兼ライターとして、2024年1月にSteenzへjoin。東京と伊豆の二拠点で活動中。インタビューを中心とした記事をはじめ、学生、スタートアップ企業、まちづくりの現場まで多方面で活躍。

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