
タイムリーな話題から、カルチャー、さらには社会問題まで、さまざまなテーマについて、リアルな10代の声を聞くシリーズ「10代リアルVOICE」。
今回のテーマは「行ってみたい国」について。いまや、SNSや映画、音楽を通して、日常的に世界の文化を目にする毎日。一方で、時間やお金のハードルから遠い存在に感じることもあるでしょう。そんな憧れとリアルと憧れのあいだで揺れ動く、海外への想いや、そこでやってみたいことについて、聞いてみました。
1. 得丸創生さん「衝撃を受けたアメリカでの経験」

海外で学生生活を送りながら、独学でプログラミングを学び、AIを用いた教材システムを作っている18歳。
「いま、いちばん興味があるのはアメリカです。
以前、マレーシアに5年ほど住んでいました。アジアの文化には、馴染みがあったのですが、今年はじめてアメリカへひとり旅をしたことがきっかけで、興味が湧くようになったんです。そこで出会った人々や、街の雰囲気がアジアとはまったく違って、衝撃を受けました。
ぼく自身、プログラミングを学んでいます。アメリカには、日本では出会えないような知識や経験を持つひとたちが大勢集まっていると感じました。その経験から現地の人々と繋がりたいと思うようになって。まずは、英語でのコミュニケーション力をもっと高めたいと思っています」
2. Souさん「映画で知ったヴェネツィアの魅力」

逗子開成高校の部活で、能登半島でのボランティアや珠洲焼の販売企画など新しいボランティアのかたちに挑戦している16歳。
「イタリアの都市である『ヴェネツィア』に行ってみたいです。
先日、荒木飛呂彦さんの漫画が原作になっている映画『岸辺露伴は動かない 懺悔室』を観ました。全編、ヴェネツィアで撮影された映画なのですが、特に劇中に登場する『ヴェネチアンマスク』に興味を持ったんです。ペスト医師の仮面など、現地ならではの独特な文化に触れてみたいと思いました。
最近では、ヴェネツィアの歴史にも興味を持つようになり、ヴェネチア観光もしてみたいと思っています。まだ、高校生なので大学生になってから十分にお金を貯めてから行ってみたいです」
3. 長谷川航之輔さん「留学経験から広がった憧れ」

アメリカ・シアトルでの留学経験をきっかけに、留学の魅力を発信しはじめた17歳。
「いまは、イタリアとフィンランドに行ってみたいです。
イタリアでは、自分の目でイタリアの街並みを感じ、現地で本場のサッカーを観戦をしたいと思っています。フィンランドでは、北欧独特の文化を肌で感じてみたくて。
いままで、ニューヨークとシドニーに行ったことがあるのですが、ニューヨークのタイムズスクエアに立ったときは、世界の中心にいるような気分になれました。シドニーは、比較的安全で観光スポットも多くて、交通の便も良かったので、とても旅行しやすい街だと思うので、おすすめです」
映画を通じて憧れを抱いた国、留学経験から広がった視野、そして旅先で出会った人々から受けた刺激。10代の「行ってみたい国」には、観光目的以上の意味が込められていました。これからも「10代リアルVOICE」では、世の中を自分ごととして捉えるティーンの視点を伝えていきます。
Photo:Nanako Araie
Text:Serina Hirano