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世界の10代はどのような社会課題に取り組んでいる?「International Young Eco-Hero Awards」受賞者に注目!【Steenz Breaking News】

世界の10代はどのような社会課題に取り組んでいる?「International Young Eco-Hero Awards」受賞者に注目!【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、環境分野の社会課題に取り組む10代と、その活動を称える「International Young Eco-Hero Award」についてご紹介します。

若者の社会活動を表彰する「International Young Eco-Hero Awards」

若者の環境改善意識を高め行動へ移す手助けをしている、非営利団体「Action For Nature」は、8月11日に2025年度「International Young Eco-Hero Award」を発表しました。同賞は、環境分野において素晴らしい活動をおこなう8〜16歳の若者の功績を称える賞です。2003年よりスタートしました。

8〜13歳と14〜16歳の2部門に分かれており、環境科学や生物学、教育分野の専門家を含む人々によって審査されます。受賞者には、表彰状やメディア掲載に加えて最大1,000ドルの賞金も授与されるそうです。

8~13歳部門では、環境問題や生物多様性分野などの取り組みが入賞

1位に輝いたアリス・ワンジルさんは、ケニア・ナイロビにあるルアイ下水処理施設の修復プロジェクトが評価され受賞。これまで同施設では、排出されるメタンが深刻な健康被害と物的損害を及ぼしていました。彼女は、施設周辺に2,000本以上の木々を植樹し、大気汚染を大幅に改善させ住民の呼吸器疾患の軽減に貢献したそうです。加えて、施設の修復を優先するようナイロビ郡政府に願い出て受け入れられています。

続いて2位に選ばれたのは、インドに暮らすハルシタ・プリヤダルシニ・モハンティさん。彼女は、在来種の稲とキビの種子を地球温暖化や気候変動から守るために、シードバンクを設立しました。180種の稲や60種のキビ、その他の食用種子の収集・保存などをおこなっています。同じく2位のニコリーナ・パパスさんは、レストランでのプラスチック製品の使用削減を目指すプロジェクト「Skip the Plastic Campaign(プラスチックをスキップするキャンペーン)」を考案。イリノイ州とアイオワ州において、25万人以上の住民を対象に14の市で宣言されました。

そして3位のホセ・アリアス・カルデロンさんは、コロンビアのパラモ生態系の保護や重要性などを呼びかけるために、短い動画を制作しソーシャルメディアに投稿しています。

14~16歳部門では女性が抱える問題に注目した取り組みも

14〜16歳部門では、ゴム廃棄物のアップサイクルを行うプリヤンシ・ポダールさんが1位を受賞しました。工場や家庭から出るゴム廃棄物を回収し、多目的マットなどにアップサイクル。250kg以上のゴム廃棄物が活用され、約3トンのCO₂排出量の削減につながりました。製造されたマット類は、災害時の救援物資や経済的に貧しい人々へも提供されています。

2位は、気候変動対策として「Plant It Forward(PIF)」というプロジェクトをおこなう、ネタニヤ・フォンセカさんが受賞。現在は、6,600本の在来種の草木を植樹し、荒廃地を豊かな生態系が暮らす土地に生まれ変わらせる活動を進めています。同じく2位のシャルマント・エスポワール・ンドゥワヨさんは、コンゴにある「ギコマ川」の保護プロジェクトを立ち上げました。植樹以外にも、水域に捨てられている衛生廃棄物(生理用品など)の持続可能な廃棄方法について少女たちと話し合い、記事や動画を作り教室などで共有したそうです。

生理衛生の問題には、3位入賞のイーシャ・アンデさんも取り組んでいます。受け取った助成金で高校の女子トイレに棚を設置し、無料で利用できるサステナブルな生理用品やスペイン語と英語で書かれた教育資料を提供。それ以外にも低所得の女性むけに、生理用品などが入った携帯用キットを約100個配布したそうです。

もうひとりの3位受賞者であるビブティ・バッタライさんは、生ごみの有機堆肥化を若い女の子や母親に教えています。この取り組みにより、持続可能な農業の推進と化学物質の依存削減を叶え、彼女たちのエンパワーメント促進を実現しようとしているのです。

このように、世界の10代たちは多様な分野に関心をもち、改善策を考え取り組んでいます。詳細が気になる方は、公式サイトも覗いてみてください。

Reference:
The 2025 International Young Eco-Hero Award winners include fifteen remarkable young activists aged 8-16 who are creating meaningful environmental change in their communities worldwide.|Happy Eco News
OUR STORY|Action For Nature
2025 INTERNATIONAL YOUNG ECO-HERO AWARD WINNERS|Action For Nature
ECO-HERO AWARDS|Action For Nature
HOW TO APPLY|Action For Nature
Alice Wanjiru|Action For Nature
Harsita Priyadarshini Mohanty|Action For Nature
Nicolina Pappas|Action For Nature
Josue Arias Calderon|Action For Nature
Priyanshi Poddar|Action For Nature
Nethanya Fonseka|Action For Nature
Charmante Espoire Nduwayo|Action For Nature
Eesha Ande|Action For Nature
Bibhuti Bhattarai|Action For Nature

Text:Yuki Tsuruda

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Yuki Tsuruda

ライター

鹿児島県在住のフリーライター。販売職や事務職を経験後、2020年5月からフリーランスのライターへ。執筆ジャンルは、ものづくりやSDGsなど。

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