
世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、カリフォルニア州の高校生が取り組む、サケの保護活動についてご紹介します。
さまざまな要因から減少傾向にあるサケ
わたしたちの暮らしに、馴染みの深い魚である「サケ」。幅広い料理に使用されていますが、実は近年、厳しい資源状況になっているそうです。そして、これは日本だけの問題ではありません。
アメリカ・カリフォルニア州でもサケ類の資源量が減少傾向にあり、チヌークサーモン(別名、キングサーモン)などを含む23種のサケやマスが、絶滅の危機に瀕しているとのこと。減少の原因には、気候変動やダム建設による河川の分断、稚魚が育つのに必要な湿地が農業に使用されるようになったことなどが挙げられます。
カリフォルニア州では高校生たちがサケの保護活動に取り組んでいる
アメリカ・カリフォルニア州にあるカサ・グランデ高校では、生徒が「The United Anglers(ユナイテッド・アングラーズ)」と呼ばれるプログラムを通して、サケの保護活動に取り組んでいます。
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同プログラムは、「ユナイテッド・アングラーズ・オブ・カサ・グランデ(UACG)」という非営利教育団体が、「スティールヘッドトラウト(降海型ニジマス)」の生存と回復支援を目的に運営。学生たちはサケの捕獲をはじめ、行動や移動経路、回帰状況の把握などを目的とした標識付けや放流などを、州の許可を得ておこなっています。
収集したサケの位置や大きさ、健康状態などのデータは、専門機関に提供しているそうです。2023年には33匹のサケを発見し、水産資源の管理と保護をおこなう「国家海洋漁業局」に報告しました。これらのデータは、政府が保持する情報の不足部分を埋めることができ、保護政策や野生生物の管理戦略などに役立てられます。きっと、「自分たちの活動が、生態系や地球環境を良くすることにつながる」という事実は、学生たちに良い影響を与えてくれるでしょう。
データの提供以外にも多様な活動をおこなっている
「ユナイテッド・アングラーズ」に参加する学生たちは、データの収集や提供以外にも多様な活動をしています。例えば、2021年に深刻な干ばつが発生したときは、4,000匹以上のコホサーモン(別名、ギンザケ)を状況が改善するまで保護しました。学校内に32,000ガロン(約12万リットル)の養殖場が設置されており、魚類の緊急シェルターの役割も担っているのです。
また近年は、サケに留まらず、地元の水域で減少が進むニジマスの保護にも力を入れているとのこと。入念な準備の後、稚魚を救助および保護するために許可を取得しています。
この先もずっと、共生できるように
サケやニジマスの減少を食い止めようと、多様な活動を進めるカサ・グランデ校の学生たち。今後の活動にも、注目していきたいですね。そして、サケの保護活動は、わたしたちが暮らす日本でもおこなわれています。
群馬県と栃木県の県境を流れる「渡良瀬川(わたらせがわ)」では、2014年から「わたらせ川の環境保全・保護活動」がスタート。川の清掃以外にもサケの遡上(そじょう)観察や、卵を各家庭に配布し稚魚になるまで育て放流しているそうです。このように、国内外問わずサケの保護活動は進められていますので、気になる方は調べたり参加したりしてみてください。
Reference:
2023 年漁期におけるサケ資源状況について ―さけます関係研究開発推進会議における議論―|水産資源研究所
2024 Living Planet Index Update for Migratory Freshwater Fishes|WWF
ABOUT UACG|United Anglers of Casa Grande
These High Schoolers’ Hobbies Include Saving Endangered Species From Extinction|SIERRACLUB
High School Students Drive California Salmon Conservation Through Innovative Program|Happy Eco News
Text:Yuki Tsuruda