Teen's Snapshots

「地域の保健室」を作りたい。子どもたちが「ポロッと本音を言える」雰囲気づくりを目指す高校生【まお・17歳】

「地域の保健室」を作りたい。子どもたちが「ポロッと本音を言える」雰囲気づくりを目指す高校生【まお・17歳】

気になる10代名鑑」の1078人目は、まおさん(17)。不登校支援やサードプレイスの運営から、誰もがに自分らしくいられる居場所づくりの実現を目指しています。保健室の先生にかけられた一言が印象的だったと話すまおさんに、きっかけとなった出来事や将来の展望について聞いてみました。

まおを知る5つの質問

Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?

子どもも大人も、誰もが自分らしくいられるような居場所づくりと、保健師の資格取得に力を入れています。

いまは、都内の不登校支援の事業である『未来きらめきプロジェクト』や、週6日開いているサードプレイスの運営をお手伝いしていて。将来的には地元でも居場所づくりをしたいなと思っています。

また、Steenzでも以前取材を受けていた増田美菜さんの立ち上げた『Ristmik』という合同会社に所属して、プログラミング教室やワークショップ運営のお手伝いをしています」

Q2. 活動を始めたきっかけは?

「親戚が少なかったこともあって、両親が小さい頃から習い事やご近所づきあいをさせてくれたんです。体操、バレエ、バドミントン、チア、太鼓、サッカー、塾……。たくさん習い事をやっていました。その場に行くと、親ではないのにいろんな大人が自分を見てくれていたのが、とても嬉しかったのを覚えていますね。

特に、小学生の頃に通っていた『VIVISTOP』という、デジタル機器や様々な道具がそろった場所で子どもたちがアートやプログラミングなど興味をもったことに挑戦できるコミュニティに影響を受けました。『クルー』と呼ばれる大人たちが、わたしたち子どものやりたいことを全力で応援してくれて。コロナで閉鎖してしまったのですが、そこで出会った人たちとはいまもつながっています。

自分が困ったときに、いろんな人に優しさを与えてもらった経験から、誰かが困っていたら自分も助けになりたいという思いが芽生えました」

Q3. 活動する中で、印象的だった出会いは?

小学6年生のときの保健室の先生との出会いです。

当時保健室が好きでよく遊びに行っていたんですが、ある時たくさん生徒が保健室に来て騒がしくなってしまって。ちょうどその時中学受験に挑戦していて情緒不安定だったわたしは、少し疲れてしまって先生の隣に座っていました。そうしたら、先生が『落ち着いて座っていたいよね。わかるよ。そういう誰でも来れる場所を作りたいんだ』と話してくれたんです。その言葉が印象的で。

あとは、活動で出会ったひとたちからも新しい視点をもらいました。

子どもに『遊んで!』と声をかけられたスタッフが、自分は作業中だったのにも関わらず『いいよ』と応じて遊んでいて。『自分はスタッフとしていないといけない』という固定観念が崩されたんです。そうやって大人が応えてくれたら、子どもたちも嬉しいだろうし、時間をいっしょに過ごしていくことで生まれる信頼関係なんだろうなと感心しました」

Q4. 活動を通して、実現したいビジョンは?

「わたし自身、どこか出かけるときに少し緊張することもあって。でも、普段は少し我慢していたりちょっと周りに合わせていたりする人も、自分がいたいようにいれる場所を作りたいです。

子どもたちと話すとき、面と向かって話すのではなく作業したり手を動かしたりしながらだと、ポロっと本音を教えてくれることがあります。そこから相談につながることもあるのですが、別にそれ以上話さなくてもいいと思っていて。

小さい頃の自分と同じように、『あれ嫌なんだよね』とポロっと言えただけで十分と思っているかもしれない。だから、そのポロっと教えてくれた本音を、大人たちは頭の片隅に置いておくだけでいいんじゃないかなって思います

Q5. 将来の展望は?

いまは保健師の資格取得を目指しています。『地域の保健室』のような場所を作りたいとなったときに、『保健師の資格を持っているひとがいる』と聞いたら、それが来てくれるひとの安心材料になるかもしれないと思っていて。

ゆくゆくは、自分の地元で居場所づくりに向けた第一歩となるようなイベントを、まずは来年あたりを目標に開催したいです。いまは、地域の保健福祉センターに勤める人や協力してくれる人たちと、こんなイベントにしたいねと構想を膨らませています

小さい子どもからお年寄りまで、誰もが関わりやすく気軽に訪ねることのできるような居場所づくりを実現させたいです」

まおのプロフィール

年齢:17歳
出身地:千葉県白井市
所属:千葉県立幕張総合高等学校看護科
趣味:音楽、お散歩
大切にしている言葉:変えられない過去があっても変えられる今がある

Photo:Nanako Araie
Text:Haru Ninagawa

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