
世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、 夏ならではの恐怖体験ができるイベントをご紹介します。
暑い夏を涼しくする「怪談」
もうすぐお盆。「夏といえば怪談」となったのは、思わず背筋がひんやりするからということではなく、お盆に故人の霊が帰ってくるからなのだそう。現代では、お盆に故人を迎える風習は少しずつ減っていますが、怪談やホラーは今なお人気です。
直近でも、『行方不明展』や、『近畿地方のある場所について』、『変な家』など、話題になったコンテンツがたくさんあります。これらは、いずれも「モキュメンタリー」という、フィクションをドキュメンタリー風に表現する手法が取られています。ドキュメンタリーは事実に基づく作品であり、よりリアルな感覚が得られますが、その没入感をモキュメンタリーも持っていることが人気の秘密かもしれません。
とはいえ、リアルな怖さを楽しみたいということであれば、恐怖を体験できるイベントに行ってみるのも良さそうです。出かけやすい夏休み期間に開催されている、恐怖体験ができるイベントをご紹介します。
富士急ハイランド最恐施設の怖さが東京タワーによみがえる!VRアトラクション「戦慄迷宮:迷」
世界最長・史上最恐クラスのお化け屋敷とうたわれている富士急ハイランドの「戦慄迷宮 ~闇に蠢く病棟〜」。全長900m、所要時間は約50分というスケールで、入場者を恐怖のどん底に陥れている人気アトラクションです。
そのストーリーと世界観をベースにした完全オリジナルVRアトラクションが、東京タワー地下1階にて「戦慄迷宮:迷」として開催されています。「戦慄迷宮」の“裏側”と“もうひとつの物語”として、東京タワーVRアトラクションを設営していたスタッフが行方不明となった事件からストーリーが展開されていきます。
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会場は、運営会社のABALの特許技術である空間拡張技術「Scape®」によって現実が拡張されています。限りあるフロアが、バーチャル空間では8フロア、全長1kmとなり、複雑に入り組んだ構造、どこまでも続く終わりの見えない通路、“何か”が潜む不気味な病棟などへと変貌を遂げています。
VR空間での撮影が可能となっているとのことなので、体験後にモキュメンタリ―風にSNS投稿するのも楽しそうです。2025年8月31日(日)までの開催です。
逃げ場のないプラネタリウムでの恐怖体験! 「ホラープラネタリウム ふり返りの旋律」
30年近くにわたって100本以上のお化け屋敷を制作し、お化け屋敷の流行を作り出しているお化け屋敷プロデューサー 五味弘文氏。そんな五味氏がプラネタリウムのプログラムを手がけた「ホラープラネタリウム ふり返りの旋律」が、「コニカミノルタプラネタリウム」の全5館(有楽町・池袋・押上・横浜・名古屋)にて上映されています。
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教育的な色合いが強いイメージのあるプラネタリウムで、ホラーが扱われることに驚きますね。しかし、そもそも暗い中でコンテンツを眺めるプラネタリウムと、暗闇が扱われがちなホラーは相性が良かったのかもしれません。
夏に見られる星座「こと座」にまつわるギリシャ神話をベースに、視覚を遮る暗闇、逃げ場のない空間、恐怖心を煽るサウンド、全天周による没入映像が展開されます。臨場感のあるプラネタリウムならではの作品を楽しみましょう。
■コニカミノルタプラネタリウム「ホラープラネタリウム ふり返りの旋律」
和の恐怖が味わえる妖怪が大集合「奇怪夜行2025」
日本で唯一泊まれる国指定名勝である福岡県柳川市の料亭旅館「柳川藩主立花邸 御花」。代々の藩主や伯爵が過ごした100畳の大広間と洋館からなる広大な邸宅です。
こちらでは、妖怪提灯を展示するアートイベント「奇怪夜行2025」が、2025年8月15日(金)〜17日(日)、22日(金)〜24日(日)の期間に開催されます。福岡県八女市にある創業200年を超える提灯店「伊藤権次郎商店」とコラボレーションした妖怪の描かれた提灯を展示するイベントになっています。
大広間に展示される妖怪提灯は、うつろう陰影がより風情をもたらし、現実と幻想の境界をあやふやにしていきます。
また、妖怪漫画の第一人者である水木しげる氏のチーフアシスタントであった佐々岡健次氏が描く妖原画や、妖怪好きの間では「稲生物怪録」として知られる妖怪絵巻「芸州武太夫物語絵巻」も展示され、心行くまで妖怪の世界を堪能できます。
なんだか涼しくなったかも? 恐怖体験を楽しもう
さまざまなタイプの恐怖体験ができる夏のイベントたち。人が作った話であるとわかっていても、背筋が涼しくなりますよね。ゾワゾワする恐怖をぜひ、この夏、体験してみてください。
Text:Itsuki Tanaka