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ニュージーランド留学中に見えたのは、”違い”との向き合い方。インクルーシブ教育を広げたい高校生【門口愛実・17歳】

ニュージーランド留学中に見えたのは、”違い”との向き合い方。インクルーシブ教育を広げたい高校生【門口愛実・17歳】

気になる10代名鑑」の1057人目は、門口愛実かどぐちまなみさん(17)。発達障がいや不登校に悩む中高生に寄り添う手段として、『インクルーシブ教育』に関心を持ち、SNSでの発信や教育関連イベントの企画を重ねてきました。最近では、同じ目標を持つ仲間と学生団体を立ち上げた門口さんに、活動のきっかけや、今後の目標について聞いてみました。

門口愛実を知る5つの質問

Q1.いま、力を入れていることは?

「障がいの有無に関わらず、同じ環境で学ぶことができる教育のシステムである『インクルーシブ教育』の普及を目標に、座談会などのさまざまなイベントの企画・開催に取り組んでいます。

同じ志を持つ仲間と『一般社団法人Light on』を立ち上げて、イベント出展やオンラインイベントの企画・開催に取り組んでいます。今年3月には教育関係者をゲストに座談会を開催しました。直近では、障がいのある子どももない子どもも、同じ地域の学校で共に学ぶ『フルインクルーシブ教育』を推進する海老名市で開催された『学びのビュッフェ』というイベントに参加し、発達障がいの当事者の方へのさまざまなサポートを紹介してきました。

また、教育関係者、議員、企業の方、障がいを持つ当事者の方に対してのインタビュー活動にも力を入れています。これまでの活動では、実際に109名にインタビューして、さまざまな視点からインクルーシブ教育を見つめて、どうすれば広められるか考え続けています」

 

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Q2.活動を始めたきっかけは?

「中学3年生のとき、当時すでにインクルーシブ教育が当たり前になっていたニュージーランドに留学して、多様性に寛容な教育を体感してみたことがきっかけです。

一般の生徒たちと、障がいやダウン症のある生徒たちとが同じ教室で勉強するんです。日本だったら『特別支援学級』といって、障がいの有無できっぱりと教室を分けて、障がいを異質のように捉える雰囲気がある場合も多いけれど、それとは全く違う相互理解の空間なんです。

障がいを持っている人を特別扱いするのではなくて、違いを当たり前のものとして受け入れる教育。自分はそんな優しい考え方に惹かれました」

Q3.活動の中で、悩みがあれば教えてください。

「インクルーシブ教育を日本に導入するにあたって、自分がニュージーランド現地で体感したような形のままでは難しいかもしれないと感じています。

欧米で行われている完全なインクルーシブ教育って、制度面でも人手の面でも大きな負担が伴うものでもあって。活動を通じてさまざまな話を聞くうちに、日本にそのまま導入するのは現実的ではないかもしれないと感じています。

だからこそ、欧米のモデルをそのまま輸入するのではなく、日本の文化や価値観を踏まえて最適な形を探し、丁寧に社会に根づかせていきたいです。インクルーシブ教育を日本に浸透させる目標は、必ず実現させたいです」

Q4.活動を通して、実現したいビジョンは?

「マイノリティ当事者かどうかにかかわらず、『生きているみんなに個性がある』と認められる社会をつくりたいです。

どうしても社会では、社会的立場の弱いひとにフォーカスが当たりがちです。でも、自分は特別な支援が必要な人だからといって、特別扱いするのも本当の意味での多様性ではないなと思っていて。

だから、マイノリティとほかの全てのひととを隔てずに、『誰もが個性を持っているんだ』と声を大にして言いたいんです。

あらゆる違いが社会を豊かにすると信じて、誰もが自分らしく生きていいと胸を張れる世界を目指して活動を続けたいです」

Q5.将来の展望は?

「学生団体や企業などの民間では、なかなか社会的に大きなインパクトを生みにくいと考えるようになってきて、今は、政策や法律を使って社会を整えていく議員になりたいと思っています。

議員立法、あるいは文部科学副大臣のような立場から、教育やインクルーシブな社会づくりの分野で、学びたい子どもたち一人ひとりに寄り添う政策をつくり、『日本の社会に沿ったインクルーシブ教育』の実現を目指しています。

そのために今のうちは、『学生だから』と可能性にふたをせず、等身大の視点からひとに寄り添うところからはじめています」

門口愛実のプロフィール

年齢:17歳
出身地:神奈川県川崎市
所属:カリタス女子高等学校・一般社団法人Light on・SFC-IFC
趣味:つるし雛作り・アニメ
特技:歌を歌うこと、ギター
大切にしている言葉:ひとりひとり違うから奇跡

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Photo:Nanako Araie
Text:Taishi Murakami

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