
「気になる10代名鑑」の1050人目は、ちぃさん(16)。高校でモルック同好会『しばック』の会長として活動しています。「シンプルだけど、奥深いゲーム」とモルックの魅力について話すちぃさんに、活動の中で大切にしていることや、高校生ならではの悩みについて聞いてみました。
ちぃを知る5つの質問
Q1.プロフィールを教えてください。
「高校2年生で、学内のモルック同好会『しばック』に所属しています。まだ設立されて日が浅いのですが、わたしは先輩から同好会長の立場を譲り受けて活動しています。
モルックは、木製のピンをモルックと呼ばれる棒で倒して得点を競うスポーツです。12本あるピンのうち、1本だけ倒した場合はそのピンに書かれた数字の点数、複数本倒した場合は倒した本数が点数になります。ちょうど50点を取ったチームが勝ちというルールです。
シンプルですが、なかなか奥が深いゲームで。ピンは、倒れた地点から立て直されるので、どんどん範囲が広がって難しくなるんです。力加減も大変だし、あと何点必要だからこの一投で何点取ろうとか、どうやって相手の邪魔をするかっていうのを考えるところがモルックの楽しさだと思います」
Q2.活動を始めたきっかけは?
「中学生のときに行ったオープンスクールで高校の様子を説明してくれたのが、同じ日に取材を受けた、しばック発起人の夏椰人さんで。そこではちょっと言葉を交わした程度で、まさか彼の立ち上げた同好会に入るとは思ってなかったんですが(笑)。
入学してからは、せっかく高校生になったから部活を楽しみたいなと思って、いろいろ見て回ったのですが、あまりしっくりこなくて。
ガチガチに部活を頑張るっていうよりかは、まずは楽しみたいっていう気持ちがあったんです。そんな中しばックを見学して、『ゆるい雰囲気が良い!』と感じたんです。未知のスポーツをやるのも楽しそうだと思い、入部しました」

当日いっしょに取材を受けた前代表の夏椰人さん。
Q3.活動の中で、悩みがあれば教えてください。
「しばックに関しては楽しく活動できているのですが、個人的な悩みは、やりたいことがまだ決まってないのに学校の授業で『やりたいことについて探究してください』と言われることです。
アントレプレナーシップに関する授業で、疑似的に起業を考える機会があって、そこで『自分の変えたいことや、困っていることとかから深めていきましょう』と言われたんですが……。正直いまの現状に満足している部分もあるし、わたしの場合は、変えたいことが社会ではなく自分に向いていて。例えば心の持ちようとか考え方とか。だから、一律に外の世界に対して疑問を持たないといけない授業形態には、難しさを感じています」
Q4.活動するうえで、大切にしていることは?
「会長として、自分の気持ちだけというよりは、部員のみんながどうしたいかっていうことを考えたうえで物事を決めることを意識しています。
自分だけが楽しくても他のひとが楽しくないと、良い団体だとは言えないと思うので。周りが楽しめることを第一に行動したいです」
Q5.将来の展望は?
「同好会長としての仕事をもっと頑張りたいです。
いまは先輩たちがいるので、大会とかの話を持ってきてくれたりするんですけど、自分で大会を探して提案したり、顧問の先生に言って校外で活動できるようにすることが本来の役割なので。
まだ先輩方を頼っちゃっている部分もあるし、来年度からは部員数が一桁台になってしまうので、積極的に宣伝していきたいと考えています」
ちぃのプロフィール
年齢:16歳
出身地:神奈川県川崎市
所属:芝国際高校、モルック同好会しばック
趣味:漫画、音楽を聴く、ゲーム、絵を描く、アニメ、昼寝
特技:ペン回し、指の関節が柔らかいこと
大切にしている言葉:自分が思っているよりも相手は自分に関心がない(良い意味で)
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Photo:Nanako Araie
Text:Yuzuki Nishikawa