
「気になる10代名鑑」の1034人目は、Yusakiさん(16)。半年前から自分だけでなく、友人などの着なくなった服をリメイクし、新たな命を吹き込む活動を続けています。サステナブルファッションをもっと「かわいく、身近に」届けるため、地球と人に優しい選択を広げているYusakiさんに根掘り葉掘り聞いてみました。
Yusakiを知る5つの質問
Q1. いま、力を入れていることは?
「着なくなった服を、可愛くリメイクしてもう一度着てもらう活動に力を入れています。半年前から、友達や家族の不要になった服を預かり、自分の手で新しいデザインに生まれ変わらせて、それぞれの持ち主に返しています。
わたしは、新しい服はもう作らなくても、今ある衣類だけでファッションは十分に楽しめると考えていて。日々の生活の中で『服をつくる』ことが、料理をするようにもっと当たり前になればいいなと思っています。また、リメイクを通して、サステナブルなファッションや人権・環境問題に関心を持つ人が少しでも増えてくれたら嬉しいです」
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Q2. 活動を始めたきっかけは?
「小さい頃からおしゃれやヘアメイクが大好きで、原宿の個性的なファッションにもずっと憧れていました。
中高一貫校で勉強中心の生活を送っていましたが、母に『好きなことを外でやってみたら?』と言われたのをきっかけに、渋谷PARCOのクリエイティブスクール・GAKUで『私たちのファッション表現』というクラスに参加しました。
もともとはヘアメイクのクラスを希望していましたが定員に届かず、勧められてファッションのクラスを受講したんです。でも、そこで『ファッションは見た目だけでなく、人権や環境問題とも深く関わっている』と知って、はじめてサステナブルファッションに関心を持つようになりました」
Q3.活動する中で、印象的だった出来事は?
「GAKUのファッションクラスに、WWDの編集長を務めていたこともある向千鶴さんが講師として来てくださったんですが、わたしは高校の授業が重なっていて、ほとんどお話を聞けなくて……。
それが悔しくて、向さんが司会を務める『WWD 2024 Sustainable Summit』に自ら足を運びました。会場では、ファッション業界だけでなく、さまざまな分野の登壇者がサステナブルな視点から課題を語っていて、自分の中でも問題意識が大きく芽生えました。
特に印象に残ったのは、日本から発展途上国に送られた古着が大量に放棄され、砂浜一面に衣類が散乱していたという話。遠くの問題のようで、実は自分たちの生活とつながっている現実に、見て見ぬふりはできないと強く感じました」
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Q4.どんなことをテーマに活動を行っていますか?
「『サステナブルだからいい』ではなく、まずは『可愛い!』『かっこいい!』と思ってもらえる服づくりを大切にしています。自分や大好きな友達・家族にリメイクした服を着てもらい、『その服どこで買ったの?』と聞かれたときに、「実は自分で作ったんだ、友達が作ってくれたんだ!』というやりとりが生まれて、『わたしもやってみたい』と思うひとが少しずつ増えてほしいと願っています。
制作する際は、相手がどんな服を着たいか、その服を着てどこに行きたいかなど、たくさん話をしてイメージを共有しながら、その人だけの一着をつくることを心がけています。SNSでの発信も通して、『いまある服を大事にする』気持ちが広がれば嬉しいです」
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Q5. 将来の展望は?
「高校卒業後は美容学校に進学し、メイクやヘアも学ぶ予定です!将来は、自分のファッションブランドやモデル事務所を立ち上げたいと思っています。新しくなくても、服は輝けるし、持続可能な形でファッションは成立することを、証明したいです。
わたしの理想は、世の中のすべての服が環境や人権に配慮された、やさしいものであること。たとえば、リサイクルしづらい繊維の混合や、安価な服の裏にある低賃金労働の問題など、服の背景にある課題も知ってもらいたいです。そのためにも『かわいい』 『かっこいい』『真似したくなる』ものとしてサステナブルファッションが広がるような活動を続けていきます」
Yusakiのプロフィール
年齢:16歳
出身地:東京都町田市
所属:やさしいせいふく、TEN
趣味:ヘアメイク、服作り、おしゃれなカフェめぐり、友達と話すこと、インテリアを集めること、文章を綴ること、絵を描くこと
特技:人を笑顔にすること
大切にしている言葉:世界の幸せは私の幸せ
YusakiのSNS
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Photo:Nanako Araie
Text:Honori Kukimoto