
「気になる10代名鑑」の992人目は、Machikaさん(19)。ホームレス支援やバングラデシュの子どもたちへの教育支援から、「ひとの尊厳」について考え続けています。全寮制の高校時代におこなった生理用品設置プロジェクトから、ひとの尊厳について考えるようになったというMachikaさんに、印象的だったというホームレスでの炊き出し経験や今後の展望を聞いてみました。
Machikaを知る5つの質問
Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?
「大学で平和について学びながら、すべてのひとの尊厳が守られる社会の実現のために、自分にできることを模索中です。
いまは社会問題の現状を自分の目で見るために、ホームレス支援に参加したり、『ACEF』というバングラディッシュの子どもたちの教育支援に携わる団体で、ボランティアとして現地のフェアトレード商品の展示企画をしています」
Q2. 活動を始めたきっかけは?
「高校生のときにおこなった、生理用品設置プロジェクトです。
山奥の全寮制の高校に通っていたので、生理用品の入手に苦労していて……。アンケートや学校側との交渉を通して、最終的に生理用品の学校での販売と設置を実現することができたんです。
このプロジェクトのなかで、それまで『生理用品が学校になくて当たり前』だと我慢していた自分に気づきました。これまでずっと閉じ込めてきたことだったけど、初めてそれを自分のなかに見つけて。
自分の経験から基本的な尊厳が守られていないという問題意識に気づけたことで、他にもひとの尊厳を守るために何かできることはないかと考えるようになりました」
Q3. 活動をしている中で、印象的だった出来事は?
「以前通っていたホームレス支援団体『もやい』での食料支援ボランティアです。
食料をもらいに300~600人ほどが来るので、そのときコミュニケーションは本当に一瞬です。でも、『どうぞ』『ありがとう』というやり取りだけで、『自分はここにいていいんだな』と温かいものを感じることができて。ボランティアという立場のひとにとっても、そこが居場所になるんだなって気づきました」
Q4. 活動するうえで、大切にしていることは?
「興味があるものに積極的に参加することです。
エシカルファッションへの興味から、PRISTINEという会社の『国産綿復活プロジェクト』に興味を惹かれてコンタクトを取ったんです。そうしたら、国産綿の畑作業やプロジェクトの説明会、プロジェクト始動時の記者会見などにも参加させてもらえて。
少しでも興味があることに対して行動に起こすことで、自分がやりたいなと思っていたことが実現したり、同じ志を持ったひとたちとつながったりできるのだと学べた経験でした」
Q5. 将来の展望は?
「誰ひとり尊厳を傷つけられない社会の実現を目指したいです。そのために、社会課題の現場に足を運んで、インプットを増やそうと思っています。
今年の夏は、大学のプログラムでインドネシアの村に1ヶ月滞在する予定です。高校生のときに向き合った生理という身近な問題から始まって、ホームレスやエシカルファッションなど少しずつ広がってきた自分の問題意識を、国を越えたところでも発見していきたいです」
Machikaのプロフィール
年齢:19歳
出身地:茨城県つくば市
所属:国際基督教大学
趣味:刺繍、ものづくり、散歩
特技:手先が器用
大切にしている言葉:自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ
Photo:Nanako Araie
Text:Haru Ninagawa