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農家に弟子入りも。テクノロジーと掛け合わせて、日本の農業を次世代に残したい東大生【福地理史・19歳】

農家に弟子入りも。テクノロジーと掛け合わせて、日本の農業を次世代に残したい東大生【福地理史・19歳】

「気になる10代名鑑」の896人目は、福地理史さとしさん(19)。地元・宮城県仙台市から大学進学のため上京し、いま夢中になっているのが、農業です。ときには地方の農家に弟子入りし、現場でも学びを深めながら、スマート農業の実践や可能性について考えていきたいと話す福地さんに、活動について詳しく伺いました。

福地理史を知る5つの質問

Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?

東京大学で学びながら、農業とは何かを探究しています。農業の現場を知るため、長期休暇のタイミングでは農家の方に弟子入りさせてもらって、実際に農作業することもあるんです。

また、現在は株式会社晴工雨読で、AIの受託開発もおこなっています。農林水産業だけでなく、さまざまな産業の現場に足を運んで、理解を深めようとしているところです」

 

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Q2. 活動を始めたきっかけは?

東北出身で、幼いころから美味しいものに囲まれて育ってきて、食べるのが大好きな子ども時代でした。

でも、年齢を重ねるにつれて、気候変動や担い手不足といった課題があり、必ずしもずっと食べ続けられるとは限らないこと、世界には食べたくても食べられない人がいる現状を知って。そこで、この美味しい食材の魅力を維持、継承するために、わたしにできることはないか、考えるようになりました」

Q3. 活動にあたってのファーストアクションは?

まずは、大学主催の産学共創事業のインターンプログラムに参加することから始めました。当時のわたしには人脈も予備知識も経験もまったくなかったので、まずは手を差し伸べてくれている大人の力を頼ることにしたんです。

いちばん初めは、思いついたアイデアをビジネスに落とし込もう! なんてことも考えていたんです。でも、やっぱり圧倒的に知識が足りませんでした。そこで、すぐに役立つことはできなくても、長期的に食料供給に貢献できる人材になりたいと思って。プログラムをきっかけに大人の方々との関係性を築いたり、農業を学びたいと声をあげたりしていたら、大学の先生方などが情報をシェアしてくれるようになりました。農家の方とのつながりもできて、直々にアポを取って、現場に足を運べるまでになりました」

Q4. 活動をしている中で、印象的だった出来事は?

北海道で出会った農家の方に『農家は何年経っても毎年初心者である。同じ条件の年は2度と来ない』と教えていただいたことです。

自分の中で、工業的にはこうすればうまくいくはず、という型をつくることで、農業の抱える課題を解決できると思い込んでしまっていた部分がありました。特に、最近流行りのAIやスマート農業を洗練させれば、どんな人でも、農業経験がなかったとしても、農業生産に携わることができると考えていたんです。サステナブルな食料生産に貢献したい、という思いを持っていながらも、机上の空論に終始していたわたしに、現実を知らしめてくれた大切な一言です。いまでも活動の軸になっています」

Q5. 将来の展望は?

美味しいご飯を、誰もが必ず食べられる世界を実現させたいと思っています。

少なくともこの19年間、ありがたいことに、わたしはそれが叶う環境にいました。ただ、それが誰にとっても当たり前とは限りません。目標としているのは、世界中どこにいても、どんなときでも、好きなものを美味しく食べられる世界。それが実現し、存続できるように、わたしにできることは何かを考えながらアクションを起こしていきたいです」

福地理史のプロフィール

年齢:19歳
出身:宮城県仙台市
所属:東京大学教養学部2年、株式会社晴工雨読
趣味:登山
特技:なんでも食べられること
大切にしている言葉:一歩ずつ登っていけば、いつかは必ず山頂につく

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Photo:Nanako Araie
Text:Ayuka Moriya

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Ayuka Moriya

エディター

1999年生まれ、秋田県出身。東京外国語大学 国際社会学部在学時よりライター・エディターとして主にインタビュー記事の執筆、ディレクションに携わる。Steenzでは、2021年ローンチ当初より「気になる10代名鑑」のコンテンツ制作を担当。

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