「気になる10代名鑑」の794人目は、マキさん(19)。東京藝術大学の建築科への合格をめざして、予備校に通って基礎的な美術の学びをしながら、さまざまな勉強をしています。将来は人のためでありながらも独自性をもったデザインをする建築家になりたいと語るマキさんに、活動を始めたきっかけや影響を受けたものなどを聞いてみました。
マキを知るための5つの質問
Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?
「東京藝術大学の建築科に入学するため、予備校に通いながら、個人で創作をしています。
デザインやデッサンなど、美大受験に必要な勉強もしているのですが、建築科はとても特殊で、自分で空間を構想して、言語化するという試験や、空間がどういう意味をもって存在しているのか、どういうことが起こると予想できるのかを論述するという試験があるんです。自分の考えや感覚を言語化するだけじゃなく、それが伝わる文章力も求められるので、本を読んだり、文章を書いてみたりして、勉強をしています。
他にも、空間の構図の勉強のために、写真を撮ったり、詩歌に触れてみたりなど、いろいろなインプットとアウトプットをしています」
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Q2. 活動を始めたきっかけは?
「小さいころから、絵を描いたり、工作をしたりなど、手を動かすことと、本を読むことが好きで。オリジナルの絵本をつくったこともありました。
あとは『デザインあ』や『つくってあそぼ』といった教育番組を見るのも大好きで。 特に、デザインの仕組みや目的がわかるコーナーが好きで。最後にデザイナーの方のインタビューがあるんですけど、こういう信念を持って作品を作り上げたんだっていうのがわかって、いつも感動していました。こういう影響もあって、漠然とデザイナーになりたいと思っていました。
建築の道を志すようになったのは、小学校4年生くらいのとき。テレビの情報番組で、女性の建築家の自宅が公開されていたんです。リノベーションが施されていて、装飾の部分はもちろん、収納など生活に必要な部分もすごくおしゃれで。それで、建築家という職業に憧れを持つようになりました」
Q3. 自身のクリエイティブに影響を与えたものは?
「作品でいえば、荒川修作とマドリン・ギンズの『三鷹天命反転住宅 In Memory of Helen Keller』です。小さいときにテレビで見たんですが、すっかり忘れていて。最近になって、思い出して行ってきました。
パッと見ただけだと、ただカラフルで、奇抜な形をユニットで組み合わせた建造物で、芸術性だけでつくられた建物のように見えるんですけど、住むことが前提になっていて、そこにルールがあって。
この作品について、荒川さんが『身体の延長としての住宅』と述べていたと聞いたのですが、個人的にはさまざまな仕掛けによって、自分の身体から解放される、自由になるという側面もあるように感じました」
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Q4. 活動の中で、悩みがあれば教えてください。
「いちばんの悩みは、どうしても焦ってしまうこと。同級生はすでに大学で専門的な建築の勉強をしているし、まわりの浪人生と比べても、なかなかくうまくいかなくて、じれったさを感じます。
ただ、焦っているだけでは意味がないので、自分とは違う手法を選んでいる人を見て、その人から盗める部分を分析しながら、自分なりにやり方を見出すことは面白いなとも思っています」
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Q5. 今後の展望は?
「図書館や美術館といった文化施設のデザインに興味があって。わたし自身、そういう場所に行くのが好きということもあるんですが、建築そのものがメインではない中で、主役を引き立てつつ、どういう空間にしていくのかということに興味があります。人やもののための空間でありながら、作家性や芸術性を表現できる、個性や独自性を確立させた建築家・芸術家になりたいです。
自分のやりたいことを極めたうえで、それが人々に認知され、作品を見ただけでもわたしの作品だとわかるような作家になれたら、とても素敵だと思います」
マキのプロフィール
年齢:19歳
出身地:長野県松本市
趣味:読書、散歩、お笑いライブに行く
特技:ゆで卵を美味しくつくる
大切にしている言葉:努力した者が成功するとは限らない。しかし、成功した者は必ず努力している。(ベートーヴェンの言葉)
マキのSNS
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Photo:Nanako Araie
Text:Manami Tanaka