「気になる10代名鑑」の741人目は、セリカさん(18)。大学で建築を学びながら、『お絵描き屋さん』として、イラストやインテリアの制作など幅広く活動しています。「自分の中のカワイイをあきらめない」というテーマを大切にしながら創作を続けているセリカさんに、活動をはじめたきっかけやこれからの目標について、詳しく聞いてみました。
セリカを知る5つの質問
Q1. いま、力を入れていることは?
「建築やインテリアについて学びながら、“カワイイ”のコンセプトで、抽象的な油彩画やイラストの制作をしています。
また、『お絵かき屋さん』という肩書で、アートにかかわるお仕事をしています。これまでに、ロゴのデザインやイメージビジュアルのグラフィック制作、それとインテリアや、Tシャツといったグッズ制作など、幅広くやってきました」
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Q2. 活動を始めたきっかけは?
「小さいころから美術館に連れられたり、画材を買ってもらったりして、もともと絵を描くのは好きでしたが、本格的に制作をするようになったのは、いまから2年前、母がやっている美容室に、自分の絵を飾ってもらったのがきっかけです。
『美容室に絵を飾ってみない?』って言ってもらって、誰かのために、絵を初めて描くことになったんです。いままでの作品づくりとの違いに、新鮮さを感じました。
試行錯誤しながらなんとか仕上げて、実際にお店に飾ったとき、母やお客さんがその絵を見て、すごく喜んでくれたことを覚えています。実際にその絵を見てくれた方が、のちのちインテリアや看板の制作をしれくれて。いまの活動につながっていきました」
Q3. 活動する中で、大切にしていることは何ですか?
「“カワイイをあきらめない”ということを大切にしています。
“カワイイ”という感覚は、活動の源なんです。Instagramのアイコンにしている画像も、古めかしさを感じられるような桃色が引き立つようなものにしていて。桃色は、わたしのなかにある“カワイイ”を象徴する色。中野や高円寺の雑貨屋さんや街の雰囲気のような、ひと昔前のレトロさに近いなと思っていて。
わたしは、この“カワイイ”という感覚が、人の数だけあると思っているんです。まわりの影響を受けて、この感覚を手放したくないし、みんなの中の“カワイイ”もあきらめてほしくない。
あとは、“生活”という言葉もキーワードにしています。暮らしの中での行動って、ひとつひとつにいろんな理由や感情があると思っていて。例えば、朝起きてカーテンを開けるときの気持ちや、ドアを開けて家を出るときの気持ちには、まったく同じものはないと思うんです。このちょっとした感情の変化に意識を向けることで、アイデアが生まれ、作品に落とし込めるようになったなと思います」
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Q4.これまでに 印象的だった出来事を教えてください。
「小さいころに、作家の荒井良二先生のライブペインティングを見て、衝撃を受けました。絵の具を渡された子どもたちと対話をしながら、荒井先生の手で絵に変えていって……。その様子すべてが、作品になっていたんです。『これも絵なんだ!』と感動して、いまでも忘れられない経験です。
のびのびとした筆使いや自由な配色、日々の生活の丁寧な描き方なども、とても好きで、荒井さんの存在がわたしの原動力になっています。アートには、人を楽しませる力があると知ることができました」
Q5. これからの目標を教えてください。
「一級建築士になるという目標もあるので、建築士兼アーティストとして、街や生活が明るくなるような活動をしていきたいです。
建築とアートって、別々に考えられがちなんですけど、強くつながっていると思っていて。例えば、シャッター商店街であっても、どうやってリノベーションするかによって、その場所の役割は変えられると思うんです。グレーの壁に囲まれた空間を、人の肌に馴染む色に変えることもできるし、人間らしい生活感のある空間を残し続けることもできる。
アートの力によって、豊かでのびのびとした空間を生み出せれば、きっと街も変化していくと思うんです。だから、アートと建築を融合させたものをつくっていきたいですね。」
セリカのプロフィール
年齢:18歳
出身地:神奈川県
所属:多摩美術大学 建築・環境デザイン学科
趣味:美術館めぐり、あてのない散歩
大切にしている言葉:温故知新
セリカのSNS
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Photo:Nanako Araie
Text:Haruhi Hirayama