「気になる10代名鑑」の586人目は、道喜智和さん(18)。身のまわりにあふれる幸せをテーマに音楽活動をおこなっていて、『###(The)Hash』や『444』というバンドに所属しています。将来は好きな音楽を通して、子どもたちの成長を支える教師になりたいという道喜さんに、創作をはじめたきっかけや印象的だった出会いについてお聞きしました。
道喜智和を知る5つの質問
Q1. あなたが力を入れている活動について教えてください
「自分の音楽観を広げることや、自分の生き方を見つめることに力を入れています。
音楽は友だちだと思っていて、『友だちのことをもっと知りたい!』というワクワク感を大切に、日々音楽を学んでいます。“日常にある愛しさを届け、いまを生きる幸せを分かちあいたい!”ということをテーマにした『444』というバンドを、友達のPalと、以前Steenzに出ていた小野凪と一緒に結成したこともあって、最近は音楽をすごく楽しむことができているんです。
そのためにはまず、自分に対して嘘をつかないようにすることが大事だと思っていて。自分に嘘をついて、聞こえのいいことばかりを言ってしまうと、本当の自分の感情と、つくる音楽がどんどん離れていきそうで……。『自分に正直に生きられたら、どんな世界が広がるんだろう』と考えるようになって、自分を偽ることをやめました」
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Q2. どんなことをテーマに創作活動を行っていますか?
「“日々の営みから音楽を”をテーマに、曲を書いています。生きていると簡単に暗い気持ちになるし、不安や恐怖を抱くことはたくさんあるけど、まわりを見渡せば、嬉しいことや幸せなことがたくさんあふれているんです。
天気がいい日や、空の青色が映っている窓ガラス、作業に行き詰まったときに飲むコーヒーのおいしさ……日常にある素敵なものたちがもつ、“大丈夫だよ”という優しいエネルギーを届けて、自分自身も心地よくなれるような歌をつくっています」
Q3. 創作を続ける中で、壁に感じることがあれば教えてください
「自分の曲をよく聴かせようという思いが強まってしまうことです。そういうときって、生まれる言葉がどれも気持ち悪く感じてしまうんです。音は悪くなくても、言葉が嘘っぽいというか、自分の本当の感情とずれてしまうので。
だから、自分と世界が一致したような曲ができるまでには、やっぱり長い時間がかかってしまいます。それくらい、自分が書く言葉は、大切にしていますね」
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Q4. 印象的だった出会いについて教えてください
「中学校や高校で出会った、面白い友人たちです。高校に入学したころから、まわりをよく観察できるようになって、自分ができないことを簡単にやってのける人たちが、たくさんいることに気づいたんです。
『なんで自分はあんなふうにできないんだろう……』 と、悩んだ時期もあったけど、いまは自分にはない良さを持った彼らに出会えたのは、大きな財産ですね。高校生活がコロナ渦と被ってかわいそうと言われることもあるけど、いい出会いがたくさんあったし、コロナ渦ならではの観点で、いろいろな出来事を見つめ直すことができたと思っていて、悪く捉えてないです。
『444』のメンバーのPalも、高校で友だちになって、卒業式の日に、学内イベントのバンドに勧誘しました。彼は太鼓をやっていた経験があるので、パーカッションを担当してもらっているんです。もうひとりのバンドメンバーの凪とは、コロナ渦の分散登校中に、電車の中でお互いのことを認識したことをきっかけに、仲良くなりました」
Q5. 将来の目標について教えてください
「教師になりたいです。子どもたちの成長を、音楽の教師として支えられたら最高だなと思っています。僕は和太鼓の部活に所属していて、後輩たちに演奏を教える機会もあったのですが、徐々に上達していく姿を見て、秘めている可能性の大きさに驚かされました。家族にその出来事を報告したとき、テンションの高さに驚かれたくらいなんです。
いろいろな人に自分の音楽を聴いてもらえたら嬉しいけど、それが目的ではないし、やっぱり、どのように生きたら自分が心地よくて幸せなのかを考えることを大切にしたいです。いまを満喫して、自分の魂の声を聞くことが、自分にとって最高の人生だと思っています」
道喜智和のプロフィール
年齢:18歳
出身地:東京都
所属:###(The)Hash、444
趣味:野球の情報集め、お菓子づくり
特技:ベース
大切にしている言葉:ありがとう
道喜智和のSNS
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Photo:Eri Miura
Text:Kanon Yoshizumi