「気になる10代名鑑」の488人目は、くりりんさん（19）。教育に関心のある大学生に向けて、さまざまなイベントを企画したり、運営に携わったりしています。自分自身が不登校だった経験を活動のベースにしているというくりりんさんに、活動するうえで大切にしていることや、小さいころから続けている趣味についても聞いてみました。
くりりんを知るための5つの質問
Q1. プロフィールを教えてください。
「教育に関心のある大学生をターゲットにした『大学生のための修学旅行』や『教育に熱い学生・社会人のためのオンライン教育交流会』といったイベントの企画・運営しています。
『大学生のための修学旅行』は、シティズンシップ教育とSTEAM教育を軸に、国会議事堂や日本科学未来館といった場所を観光するようなイベントです。今回は昭和館に行くのですが、それも、単純に『平和教育が大事』ということだけを伝えても、それは本質的な教育とはいえないんじゃないかという思いから。実際に昭和館を訪れてみて、当時の国民統制とコロナ禍の日本を比較するプログラムなどを用意しています。
また、『Social Class』という、ソーシャルビジネスについて学ぶコミュニティにも所属していて、最近はその運営会社でインターンも始めました。普段はひとりで活動していますが、ずっと我流でやっていくのは危険だし、変数も多くなりがちなので大変です。でも、事業にしていくにあたって、マニュアル化していくことは大事だし、その技術を学べる貴重な機会だと思っています」
大学生のための修学旅行、終了しました！
STEAMやシティズンシップ教育の勉強になったのは勿論、個人的に高校の修学旅行がなかったので、めちゃくちゃ楽しかったです！
参加者の皆さん、応援してくださった皆さん、
本当にありがとうございました✨
また開くので行きましょ〜！#教育#修学旅行 https://t.co/1EVvqBOrwa pic.twitter.com/gJnWMaGplv— くりりん@自己の受容を手伝う (@kuri_challenger) August 11, 2023
Q2. 活動を始めたきっかけを教えてください。
「もともとは、『不登校についてもっと理解を深めてほしい』という思いから、オンラインフリースクールの経営者の方を招いたイベントを企画していました。実は高校時代、地元の進学校に通っていたんですが、だんだん不登校になってしまって……。
不登校の間、『ココナラ』でちょっとした小遣い稼ぎみたいなこともしていたんですけど、このままでいいのだろうか……と焦燥感に駆られて、起業したいと思うようになりました。最初の動機は、単にお金を稼ぎたかったのと、『なにか結果を残さなきゃ』という思いです。でもあるとき、『起業はただの手段である』という記事を偶然見て、ハッとさせられて……。
自分の本当にやりたいことは何なのか、何度も自問自答していた時期に、親子向けのオンラインスクールを運営する方の『フリースクールをつくったとしても、それは付け焼き刃でしかなくて、本当の意味で不登校はなくならない』という言葉に出会いました。不登校の子たちだけじゃなくて、もっと裾野を広げて、教育全体を変えていかないと、何も変わらないと気づかされて。それで教育を軸に活動をするようになりました」
Q3. 活動で意識していることはありますか？
「参加してくれた人が、自分の興味のある分野だけじゃなく、新たな視点を獲得できるような時間にすることを心がけています。
なので、オンラインでの教育交流会では、あえて投げかける議題の解像度を荒めにしていて。むしろ、議論が発散していくほど、いいイベントになるんじゃないかなって考えています。
実際に、参加してくれた人から『新たな価値観を得られた』というコメントをいただいたり、参加者同士で新しいプロジェクトが生まれたりしているのを間に当たりにしました。自分の働きかけがきっかけとなって、参加者の行動や思考が変わって、ゆくゆくは人生を変えられているんだと思えて、すごくやりがいを感じます」
Q4. 活動以外に、趣味はありますか？
「小さいときから空手を習っています。いまは上京したこともあって、なかなか稽古に行けていませんが、演武があるときや、数か月に1回は、必ず稽古に参加しています。
空手の経験は、ずっと続けてきたからこそ、徹夜で企画書をつくったり、集客が苦しくてもなんとかやりきったりと、間接的にやり抜く強さにつながっているんじゃないかなと思います。実戦の空手には負けるっていう概念はなくて、守り抜くか死ぬかなので。やるって決めたら引かないぞって、いつも肝に銘じています」
Q5. 今後の展望を教えてください。
「自分も空手から学んだことが多かったように、何かを通して、コンプレックスをもった人が自分の可能性に気づいて、成長できるようなプラットフォームをつくったり、それに携わったりする仕事がしたいです。
実は、起業にはそこまでこだわっていなくて、自分のヴィジョンにマッチする企業に出会えたら、就職することも考えています。
いまは、教育に興味のある大学生に向けての活動がメインですが、ゆくゆくは教育を受ける側の小中学生に触れ合える機会も増やしていきたいです」
くりりんのプロフィール
年齢：19歳
出身地：神奈川県茅ヶ崎市
所属：放送大学、Zeronity Social Class
趣味：ラーメン屋めぐり、カラオケ、料理、サイクリング
大切にしている言葉：できるできないではなくやる
くりりんのSNS
[オンライン教育交流会]
こちら3回目の開催決定です！教育に興味があるor活動しているあなた！
興味分野以外の方と関わっていますか？普段関わりがない分野の方と交流し、新しい出会いや考え方をつかみましょう！！#教育
参加はこちらから！https://t.co/Fv3B9r9yyK https://t.co/58g09VAAo8 pic.twitter.com/WVsaRh0hBl— くりりん@自己の受容を手伝う (@kuri_challenger) August 4, 2023
Photo：Eri Miura
Text：Atsuko Arahata
