「気になる10代名鑑」の421人目は、Nittoさん(19)。東京大学で学びつつ、ノスタルジーな世界観が特徴的なストリートフォトを撮影して、SNSで公開しています。「場所×天気」をキーワードに、独自のやり方で創作に励むNittoさんに、写真へのこだわりや今後の展望をうかがってみました。
Nittoを知る5つの質問
Q1. どんな活動をしていますか?
「フォグラファーとして街や人々の姿を写真におさめ、撮った作品をTwitterとInstagramで発信しています。Twitterでは過去に何度かツイートがバズりました。SNSは、知名度を上げるツールとして効果的な使い方を試行錯誤しながら模索しています。
カメラマン活動と並行して、東大に現役合格した経験を活かした、教育系のプロジェクトを計画しています。始動にはもう少し時間がかかりそうですが、さまざまな境遇に置かれている受験生を支援して、夢を諦める人を少しでも減らしたいという思いのもと、あれこれ構想しています」
冬の札幌が美しすぎるから見てほしい。 pic.twitter.com/nGnSTZh3bC
— Nitto (@Nitto_Photo) May 30, 2023
Q2. 創作活動におけるこだわりは?
「みんなが日常的に何となく見ている光景を作品にすること。SNS映えスポットなどではなく、一見すると何の変哲もない街の光景に潜むノスタルジーを表現したいんです。
そのために、いちばん大切にしているのは天気です。場所ごとに、そこに合った天気があると思っていて。例えば、渋谷だと雨が合うんです。渋谷の夜景と雨の組み合わせは、街の良さが引き立って、ゴージャスな写真が撮れるんです。特にネオンが多いところだと、水溜りに光が反射して、幻想的な写真が撮れるんです。
天気を大切にしているからこそ、事前のリサーチも欠かせない要素です。太陽の方角を調べて計算して、道の真ん中に太陽が来る瞬間を狙って撮ったりもします。緻密なリサーチは、僕の写真を支えている大切な要素なんです」
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Q3. 創作をする中で悩みはありますか?
「僕の作風はSNS受けしづらく、注目されにくいのが悩みです。やっぱりSNS上だと、映えスポットで撮った彩度高めの写真が注目されがちで。どうしても僕の作風はそうした映えとは反対の方向性なので、大きな注目は集めづらいなと感じています。
将来的には写真で生計を立てることを目標にしているので、SNS上での影響力はつけたいですが、かといって、いまのSNSに迎合した写真に路線変更するのも違うと思っていて。
とりあえずは、いい作品を創って発信し続けていれば、わかる人にはわかってもらえると思うので、焦らずコツコツやっていきたいです」
Q4. クリエイティブに影響を受けた人はいますか?
「高校1年生のころに、写真系YouTuberの『ゆ〜とび』さんを偶然知って。初心者には難しく感じる写真の論理をわかりやすく解説している方なんですけど、ゆ~とびさんの動画を見まくることで、自分の写真のどこが下手か、どうしたら上手に撮れるかを言語化できるようになって、一気に写真スキルが上達しました。
説明がわかりやすいだけでなく、写真を心から楽しんでいるんだなという雰囲気が、動画から伝わってくるんです。写真の楽しさを改めて気づかせてくれた存在でもあります」
Q5. 今後の展望は?
「もうすぐ、写真系のブログとYouTubeに挑戦します。SNSではなく、自分のメディアを通じて、写真のことを発信していきたいんです。撮影前のリサーチ方法や機材へのこだわりなども紹介していけたらと考えています。
大学卒業後の進路としては、写真で生計を立てることができれば理想的ですね。自分の世界観を落とし込んだ作品に共感してもらえたり、僕の発信を通じて、写真をやってみたいと思ってくれる人が増えたら嬉しいです。あとは、せっかく東大に入ったので、教育系の事業も並行してできたら楽しそうだなって。
僕だからこそできる、オリジナリティのある活動をしていきたいです」
Nittoのプロフィール
年齢:19歳出身地:東京都足立区所属:東京大学 理科二類趣味:写真大切にしている言葉:選んだ道を正解にする
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夕暮れの街のノスタルジーを見てほしい。 pic.twitter.com/3QmLJClLEk
— Nitto (@Nitto_Photo) May 20, 2023
★YouTube
Photo:Eri MiuraText:Mai Sugawara