2023.03.26 Feature

白上理桜インタビュー！『18歳、つむぎます　私の卒業 -第4期-』公開記念

今後の活躍が期待される、若手俳優／女優を発掘・育成する「私の卒業」プロジェクト。これまでの作品はYOUTUBEで280万回以上も視聴され、昨年は劇場公開もされました。昨年に続き、1000名以上の応募者の中から選ばれたキャストに、「Steenz」が単独インタビューを実施。インタビューの第7弾は、事務所非所属ながらメインキャストを勝ち取った白上理桜さんをフィーチャーします。

夢があっても、夢をつかむ糸口を見つけられない…そんな苦しさに共感

今回の作品「18歳、つむぎます」で、橋本まどか役を演じた白上理桜さん。役づくりに対する情熱やメンバーとの関係、作品の持つメッセージなどについて聞いてみました。

ー今回、白上さんが演じた橋本まどかというキャラクターは、東京に出てモデルになりたいという夢を持ちながらも、なかなか実現することができず、葛藤を抱えている18歳の女の子です。役が決まったときは、どんな思いでしたか？

「台本をいただいたときから、直感で『この役を演じたい！』って思ったんです。なので、実際に選んでいただけて、とても幸せでした。ずっとまどかちゃんについて考えて、愛着が湧いていたので、本当に本当に嬉しくて……。

でも、わたしと同じように、まどかちゃんを演じたいって思っているメンバーがいることは感じていたので、演じられるって決まったとき、同時に、まどかちゃんの名に恥じないよう、しっかり自分の力を出さなきゃいけないな、というプレッシャーも感じました」

ー自分との共通点や相違点はありますか？

「自分と似ているなと思ったのは、まどかちゃんの境遇です。『モデルになりたい！』という気持ちがあるのに、それをつかむ糸口が見つからず、夢が叶うのか叶わないのかわからなくて……。わたし自身が、女優を目指しながら、なかなか夢に近づけなかったので、そういうときの苦しさとか、すがるような思いみたいなものは、すごく共感できました。

でも、内面でいうと、わたしとは真逆の女の子だと思います。まどかちゃんはインフルエンサーであり、みんなの中心的存在で、性格的にもハキハキしていて……。わたしはたくさんの人の前で何かするのが得意ではないタイプなので、役づくりに苦戦した部分もありました」

ー役づくりではどんな工夫をしましたか？

「北川監督に、歩き方の指導をいただいたんです。その指導のもと、胸を張って、きれいな歩き方で歩こうと、普段の生活から意識するようにしたんです。撮影の1週間前からは、普段はバスで通学しているんですが、歩き方を身につけるために、徒歩で行ってみたりしました。

それに、『自信を持つことが人を惹きつける』ということも、教えていただいて。外見だけでなく、内面から堂々とできるように意識しました」

メンバーとはクラスメイトみたいに打ち解けることができた

ー今回は、オーディションやワークショップを乗り越えた28人ものメンバーと一緒に、2週間の撮影に挑んだとお聞きしました。撮影期間のメンバーとの思い出を教えてください。

「たくさんありすぎて、お話ししたいことがいっぱいあるんですけど……。撮影がお休みの日に、メンバーと過ごした時間は、すごく楽しかったんです。相羽星良ちゃんと同じホテルの部屋でお泊まりしたり、角心菜ちゃんとカラオケに行ったんですけど、なぜか別々の部屋に入って、ひとりカラオケをしてから一緒に帰ったり（笑）。

長い期間、ずっと一緒にいたので、メンバーとは本物のクラスメイトみたいに、打ち解けることができました」

ー舞台となった福山市で、何か印象に残っていることはありますか？

「すごく自然が豊かなところでした。海がすごくキレイで、おいしいものも
たくさんあって！　街並みも、木造建築が並んでいるのが素敵で。あと、標識が方言なのも新鮮でした。

わたしの地元は山口県で、かなり田舎だったんです。福山市は、ちょっと行けば自然が見られるし、お買い物もできるような、田舎と都会のいいところ取りみたいな場所で、住みやすそうだなって思いました」

悩みを抱えながらも前に進もうとする姿を見て、未来に向かう勇気をもってもらえたら

ー今度は、白上さん自身のことについても質問させてください。演技の道を志したきっかけは？

「小学2年生のとき、映画『アナと雪の女王』を観て、ミュージカル女優さんになりたいって思って、地元で歌とダンスを習い始めたのがきっかけです。

それから、小学6年生になって、福岡県でやっているお芝居のワークショップにときどき参加させていただくようになって、高校に入るタイミングで、女優になるために東京に来ました。

『私の卒業プロジェクト』のオーディションに応募したのは、第3期の『あしたのわたしへ』に出演されていた片田陽依さんにずっと憧れていて、わたしも挑戦してみようと思ったからです」

ーお芝居の楽しさはどんなところに感じていますか？

「普段の自分なら絶対に出さない感情を出せるのが楽しいです。わたしは、普段なら誰かに感情をぶつけたりできない性格で、感情をグッと押し殺して、やりすごしちゃったりして……。でも、お芝居ならその感情を遠慮なく出せるんです！

あと、自分の感情と役の感情がぴったり合ったとき、すごく心が動いて。今回、まどかちゃんにとって重要なシーンの撮影が、たまたま作中の時系列どおりだったんです。そのおかげで、より感情が入って楽しかったです」

ー芸能活動をするうえで、大変だったことはありますか？

「ひとつひとつの行動に勇気がいるな、と日々感じています。SNSで告知することひとつ取っても、見ている人にどう思われるか、無駄に考えてしまったり……。ただ、今後もやっていかなければいけないことなので、踏ん張らなきゃなと思っています。

でも、クランクアップのとき、たくさんの人から『お疲れさま。がんばったね』と言ってもらえたのが印象的で。シンプルな言葉なんですけど、自分がやってきたことを認めてもらえたように感じて、ホッとしました」

ー今後、どんな女優を目指していきたいですか？

「とにかく役に寄り添うことができて、監督さんや脚本家さんが求めている人物像から、1ミリも外れることのない演技ができる……そんな女優さんになりたいと思っています。

実はこの作品に参加するまで、キラキラした女優さんへの憧れが強くて、ただ評価されたいっていうだけで、アカデミー賞を取るのが目標って思っていたんです。だけど今回のプロジェクトを通して、作品としっかり向き合うことで、ちゃんと評価してもらえる……そういう女優さんを目指したいなって思うようになりました」

ー最後に、どんな人にこの作品を見てもらいたいですか？

「18歳という年齢の曖昧さを描いた作品ですが、年齢を問わず、前に進む勇気がもらえる映画だと思います。将来のこととか、友人関係とか、恋愛のこととか……人それぞれいろんな悩みを抱えていて。そういう高校生たちが、わからないなりに、もがきながら、力を合わせて、必死に前に進んでいく姿を見てほしいです。

個人的には、この作品が女優として初めてのお仕事だったということもあって……経験もなくて、事務所に所属していないようなわたしでも、オーディションに合格できて、素敵な役もいただけて……たくさんの新しい経験をすることができました。そんな自分の姿を見て、何かに挑戦するきっかけになれたら、すごくうれしいです」

―ありがとうございました！

『18歳、つむぎます　私の卒業 -第4期-』

2023年3月24日（金）より、新宿バルト9ほか、全国の映画館にて限定公開！

高校卒業という節目のタイミングは、誰もが人生の岐路に立ち、そこには数々のドラマがある……。そんな18歳の思いや悩みを題材に、若者たちが前向きになれる物語を紡いでいく「私の卒業プロジェクト」の第4期作品。今回は、広島県・福山市を舞台に、同市でロケを敢行。卒業とともに新成人を迎える高校生たちが、大人になることや将来に不安を抱えながらも、前に進んでいく姿を描いている。

3月24日公開劇場