Steenz Breaking News

ウェールズとイングランド、世界で初めて国勢調査で「ノンバイナリー」をカウント【Steenz Breaking News】

ウェールズとイングランド、世界で初めて国勢調査で「ノンバイナリー」をカウント【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、イングランドとウェールズの国勢調査で、世界で初めてノンバイナリーとトランスジェンダーが項目に追加されたというニュースについてご紹介します。

ノンバイナリーとトランスジェンダーをカウント

「英国」は「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」であり、4つの国から成る連合王国です。そのうちのふたつ、ウェールズとイングランドの国勢調査で、220年の歴史上初めて、ノンバイナリー(男性・女性の枠組みに当てはまらない性別)とトランスジェンダーの人々をカウントしました。

この調査によって、社会に割り当てられた性別との不一致を感じているひとが26万2000人(全体の0.5%)いることがわかりました。

また今回の調査では、15歳以上の150万人を対象に性的指向についても統計をとり、回答者の約3.2%が、自身のセクシュアリティをレズビアン・ゲイ・バイセクシュアルと回答しました。

ウェールズといえば、2021年5月に、世界で初めてノンバイナリーの市長が誕生したことでも知られています。2022年5月まで市長を務めていたオーウェン・ハーカムさん(当時23歳)は、就任時にこんなツイートを残しています。

 

「2年前にカムアウトした時、自分のいるコミュニティに批判されたり、さらにもっと悪い事態が起こったりするのではと心配していた。けれどコミュニティの人たちが今日、自分を市長に選んでくれた。ウェールズの歴史上最も若く、初の(公に明言している)ノンバイナリーの市長になりました」

ノンバイナリーをカムアウトしている有名人も

他にも、海外の著名人ではサム・スミスさんやデミ・ロヴァートさんがノンバイナリーを自認しています。また国内の著名人では、宇多田ヒカルさんもノンバイナリーであることを公表をしています。

 

 

宇多田さんは、2021年のApple Musicのラジオで「自分ってそうなのかな?違うのかな?というよりも、この言葉に出会った瞬間に『ワオ! あなたのことをずっと探していたの! やっと会えたね!』って感じだった」と語っています。

世界は、そして社会は変わっている

このように、世界でも社会でも、少しずつではありますが、変化を感じることができます。知らずに遠ざけてしまわないように、多くのひとが学んでいくことも必要でしょう。

しかし、セクシュアリティやジェンダーアイデンティティについて学ぶ際、「種類が多くてわからない」と頭を抱える人もいるかもしれません。

そんなとき、筆者がおすすめしたいのが、アメリカでも話題になった、アシュリー・マーデルさんの著書『13歳から知っておきたいLGBT+』。大人も子どももわかりやすく、LGBT+について学べることができる良本です。

 

13歳から知っておきたいLGBT+ www.amazon.co.jp

1,630(2023年02月14日 09:56時点詳しくはこちら)
Amazon.co.jpで購入する

 

 

自分のアイデンティティを言い表すのにぴったりな言葉が生まれることは、とても素敵なこと。ぜひ、書籍や映画など作品を通して、少しずつ理解を深めていってみてくださいね。

Reference:Gender identity, England and Wales: Census 2021Text:Kei Hayashi

SNS Share

Twitter

Facebook

LINE

Kei Hayashi

ライター

1997年まれ。2020年〜新卒でフリーライターに。興味関心:Z世代・メンタルヘルス・ジェンダー・消費社会 など。獨協大学外国語学部英語学科卒業。he/they。

View More