世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、エクアドルの学生たちが生み出した、ドミノピザのロゴを使った点字の話題を中心に、飲食店における点字メニューについてご紹介します。
ドミノピザのメニューが点字に!
赤と青の特徴的なサイコロマーク。ドミノピザのロゴを知っている人は多いのではないでしょうか。そんなドミノピザのロゴが、点字になるという施策が、南米の一部地域で実施されました。
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このキャンペーンは、2022年1月、南米のコロンビアとエクアドルにある広告学校、The Pub Schoolが行った「Blind Code」がはじまり。ドミノピザのおなじみのロゴが点字のドットに似ていることに着目し、メニュー表や広告などを点字で表記しました。
実際に世界点字デー(1月4日)に合わせて、メニュー表をつくって、視覚障がいを持つ人々の支援施設に配ったのです。また、点字はピザボックスにも付けられており、注文に必要なほとんどすべての情報を得られるそう。
そして、このプロモーションを考えた学生たちは、ドミノピザだけでなく、マクドナルドやケンタッキーフライドチキンなど、他のファストフードチェーンのメニューや広告にも、この「ドミノピザ点字」に変換しました。この取り組みによって、世界中に住む2億8,400万人の視覚障がいのある人々が、メニューを見られるようになったそうです。
日本の点字メニューの導入状況は?
今回紹介したドミノピザのロゴを使用したメニューは、英語表記のものに限られています。では、日本の飲食店で、点字メニューはどのくらい導入されているのでしょうか。
例えば、「ハンバーグレストラン びっくりドンキー」では、一部を除き、ほとんどの店舗に点字メニューがあります。公式サイトの店舗情報から、点字メニューの有無を確認できます。
また、CoCo壱番屋にも点字メニューが用意されているそう。「詳しくは店舗従業員にお尋ねください」との記載があるので、必要とする人が、気軽に店員さんに聞けるように配慮されているようです。
視覚障がいのあるひとも、外食を楽しめる世の中に
日本では他にも、メニューを読み上げてくれるサイト「きけるおしながき umenu(ユーメニュー)」があります。
しかし、全体的に見れば、視覚障がいのあるひとびとへのバリアフリーは、まだまだ十分だといえません。メニューを読んでくれる同行者がいればいいですが、ひとりだとなかなか外食するのが難しいケースがほとんどでしょう。
また、点字メニューが用意されていても、店員さんが認知していない場合もありますし、お店のホームページに記載されていなかったり、そもそもそれを知らせる手段がなかったりして、点字メニューの存在が知られていないお店もあります。
障がいがあるひとも、そうでないひとも、楽しく外食ができる世の中になるためには、どうすればいいのか。今回の南米で起こった取り組みが、そんなことを考えるきっかけになれば、とってもいいことですね。
Text:Tommy