世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、タイやベトナムでSNSを通じて批判の声が高まりつつある、日本人によるセクハラ問題についてご紹介します。
日本人が東南アジアでセクハラを…
世界的に渡航制限が緩和される中、日本人も多く訪れるタイやベトナムで、現地女性へのセクハラが問題となっています。さらに、そうしたセクハラ行為を、日本人がSNSに投稿して大炎上……という事例も指摘され、現地のメディアでも問題視される事態となっています。
セクハラの被害を拡大させないために、どういったことに気をつけて、またどういったことができるのしょうか。
セクハラ問題、相次ぐ炎上事例
タイでは近年、日本人によるセクハラなどの迷惑行為がネット上で拡散され、炎上するケースが増えています。
背景には、経済成長が続くタイで中間所得層が拡大し、人々の暮らしや考え方が近代化してきていることがあります。特に1990年半ばから2010年代初頭に生まれた、いわゆる「Z世代」は、その多くが大学まで進学しており、人権をはじめ、社会問題に対して高い関心を持っています。
さらにスマートフォンやSNSの普及が相まって、問題や被害の告発が拡散しやすくなり、炎上につながりやすくなっていると考えられます。
2020年には、日本人ユーチューバーがタイ人女性をナンパし、ホテルに連れ込めるかどうかを競う動画がYouTubeに投稿され、ツイッターで炎上。現地で大きな批判が湧き上がりました。
今年に入ってからも、別のユーチューバーが、タイ人女性に卑猥な質問を繰り返す様子を、女性に無断で撮影し、その模様を投稿した動画が批判の的に。また別の炎上事案として、タイのゴルフ場でキャディさんにセクハラする様子を撮影して、インスタグラムに投稿していた日本人男性に激しい批判が集まり、タイの大手メディアでも取り上げられる事態となりました。
地元メディアは、「こうした投稿を見たタイ人のほとんどが不適切な行いだと認識しており、日本人のイメージを悪化させている」と指摘しています。
一方、ベトナムでも同様のことが起きています。今年、飛行機の中で日本人男性に盗撮された現地女性が、男性から謝罪してもらうまでの一部始終をフェイスブックに投稿し、国内で1万件以上シェアされました。
また、日本人男性がコンビニエンスストア内で現地女性に売春を持ち掛け、怒った女性とトラブルになり、警察沙汰になったことがTikTokなどで拡散され、ベトナム国内で批判を浴びました。
大使館が注意喚起も。気をつけるべきことは?
こうした問題は、一時期、日本大使館側から注意喚起がされるほど、深刻な問題となっていました。在タイ日本大使館が公開している、「令和3年度版 安全の手引き」には、「タイ人女性に対する侮辱や嫌がらせなど、所謂セクハラやパワハラ行為についての報告・相談が寄せられています」と言及しています。
セクハラ行為は、日本でももちろん許されることではありませんが、それは海外でも同様です。
海外を訪れた際は、まずは現地の人々や文化を尊重することがとても重要。そして、現地での様子を撮影して投稿する前には、セクハラなどの迷惑行為につながっていないか、ひとりひとりが注意していく必要があります。
Image&Text:Risako Hata