Teen's Snapshots

“アソビ”を通じた学びをつくる!eスポーツとメタバースで教育カリキュラムを開発する起業家【野田慶多・15歳】

“アソビ”を通じた学びをつくる!eスポーツとメタバースで教育カリキュラムを開発する起業家【野田慶多・15歳】

「気になる10代名鑑」の255人目は、野田慶多けいたさん(15)。義務教育での勉強に関心が持てない人に向けた、eスポーツやメタバースで遊びながら思考力や表現力が身につく教育カリキュラムを作るために、起業の準備を進めています。「事業アイディアを考えているときがいちばん楽しい」と語る野田さんに、事業構想のきっかけや実現したい未来を伺いました。

野田慶多を知る5つの質問

Q1. いま力を入れている活動は?

「eスポーツとメタバースを通じて学びを提供するサービス『e-Practice』の起業に向けて、準備をしています。現代の子どもにとって身近なeスポーツやメタバースを、単なる“アソビ”で終わらせず、学びに変える教材・カリキュラムを開発して、情報教育市場に販売していこうと考えています。

例えば、オンラインゲーム内での人口密度の分布を定量化して、それを分析するような教材をつくったり、何もないバーチャル空間に、建築物やオリジナルのゲームをつくれるカリキュラムをつくったり。プログラミング教室に通うよりも、普段から遊んでいる環境の中で学ぶほうが、楽しみながら学べると思うんです」

 

Q2. 活動をしようと思ったきっかけは?

ずっと携わっていたeスポーツに対する興味と、教育を変えたいという好奇心が融合して、アイディアが生まれました。

中1のときからずっとeスポーツに携わっていて、eスポーツチームの立ち上げや運営をしていました。資金を提供してくれる法人探しから選手のスカウトまでやりました。本当はプロゲーマーになりたかったんですけど、同じくらいの腕前だった友達に、半年で圧倒的に引き離されたとき、超えられない壁を感じて……。その後、彼はプロゲーマーになりました(笑)。

それに、eスポーツへの情熱とは別に、教育を変えたいっていう思いもあって。僕は私立の中学を1年で辞めて、そのあとに通信の中学校、フリースクール、公立中学と、全部行ったんです。でも、どの学校にも合わなくて。そんな自分にも合う教育機関はつくれないのか、もっと教育を面白くできないのかなっていう気持ちを抱いたんです。

父が経営者なのもあって、起業したいとはずっと思っていて。最初はプロゲーマーとのマッチングサービスを立ち上げたんですが、全然うまくいかなくて。そこから、いろいろな事業アイデアを考える中で、教育と結びつけたんです」

Q3. 活動を通して実現したい未来は?

義務教育にある科目に興味を持てない子が楽しく学べる選択肢を、『e-Practice』を通してつくりたい

受験に成功して、いい学校に行けるのは、国語・数学・理科・社会に興味を持てる人だけだと思っていて。その一方で、まったく興味を持てない人もいます。いまの学歴社会はツールに過ぎなくて、その4科目に興味関心がある人しか評価されないっていうことだと思うんです。それっておかしいじゃないですか。

でも本質的に学ぶべきなのは、その科目自体じゃなくて、それを通じて学べる思考力だと思っていて。だからこそ、たくさんの人が興味関心をもちやすい遊びをツールにすることで、学びの選択肢を増やし、既存の勉強に興味が持てない子どもたちが学べる機会をつくりたいんです」

Q4. 影響を受けた人は?

「かつてはアイドルの劇場運営に携わり、いまはメタバース専門の制作スタジオを運営している、起業家の川本ノトフさんです。すごい遊び心があるし、クリエイターをすごく大事にしていて。ご本人もゲームをやりこんで遊び慣れているからこそ、クリエイターの大変さを理解できるんだと思います。

あとは、海外の美大を休学して、メタバース空間で思考の過程を可視化するアプリを作っているo株式会社のa春さんも尊敬しています。服装、喋り方、事業……すべてにクリエイティビティが反映されていて、その一貫性がすごいんです。ふたりとも、仕事を心の底から楽しんでいることが伝わってくるところにいちばん惹かれています」

 

Q5. 今後の展望は?

「やっぱり上場です。もっと抽象的な部分で言うと、何かにずっとチャレンジし続ける人間でありたいです。事業アイディアを思いついたときに、『これ革命起こせるんじゃね?』って思うんです。その瞬間がいちばん楽しい。

ちなみに、いちばんつまらないのは、事業について深く考えるとき(笑)。アイディア段階では完璧だと思ってたのに、深く考えるとデメリットしか出てこないから。デメリットをいかに消化するかが起業なんだなって思います。

友達と話していたときに、将来の夢もなければ、好きなYouTuberを聞いても、答えに詰まってしまう人の多さに気づいて。それって悲しいなって思うんです。学校行って、遊んで、帰ったら、永遠にレコメンドされる動画をぼーっと見る。自我がどんどん失われている気がするんです。だから僕は、常に何かの刺激に触れ続けて、何かを生み出していく人生にしたいです」

野田 慶多のプロフィール

年齢:15歳
出身地:神奈川県茅ヶ崎市
所属:EbuAction 代表、eスポーツの教育カリキュラム開発事業『e-Practice』
趣味:フォートナイト、秋葉原でアニメ文化に浸ること
特技:タイピング
大切にしている言葉:趣味が仕事

野田 慶多のSNS

★Twitter

 

 

Photo:Eri Miura
Text:Risa Naito

SNS Share

Twitter

Facebook

LINE

Steenz編集部

Steenz編集部

Steenzのコンテンツは学生を中心に10代〜Z世代の個性豊かなメンバーでコンテンツを制作しています。多様性の時代を駆け抜ける10代が、個性を手放さずに生きられる世界を目指して頑張っています!

View More