タイムリーな話題から、カルチャー、さらには社会問題まで、さまざまなテーマについて、リアルな10代の声を聞くシリーズ「10代リアルVOICE」。
今回のテーマは「影響を受けたドラマ」。これまでSteenzでは、リアルな10代が、強く影響を受けた映画や漫画、音楽、小説などを聞いてきました。今回は「ドラマ」ということで、最近はドラマ離れが進んでいるなんていいますが、実際のところはどうでしょう。8人のティーンに、大きな影響を与えてくれたドラマについて、語ってもらいました。
1. RINAさん「どんなことでも自分らしく頑張ろうと奮い立たせてくれます」
地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子
「いちばん影響を受けたドラマは、2016年に放送されていた『地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子』。このドラマを見て以来、好きな女優さんは、石原さとみさん一択です!
ヒロイン・河野悦子のなんでもひたむきにがんばる姿は、特に感銘を受けました。たとえやりたいことでなかったとしても、置かれた場所でちゃんと咲いている河野悦子のように、私もがんばろうと思えるようになりました」
2. 車世栄さん「僕の正義感は、この作品によって形成されたと思います」
リーガル・ハイ
「今までの人生でいちばん影響を受けたドラマは、『リーガル・ハイ』。僕の正義の価値観は、このドラマに影響されました。
幼いころは、正しいことは正しい、悪いことは悪いという二項対立で捉えていて、正しいことはひとつしか存在しないから、自分が正しいと思えばそれが正しい、と思っていたことがありました。
でも実際、正しさというのは、周囲の人がどう判断するかに大きく左右される。だからこそ、正しいことをただ主張するのではなく、周囲の人間を納得させられる根拠をもって話すことを、心掛けるようになりました」
3. 平山つららさん「時間のとらえ方にハッとさせられ、精いっぱい今を生きようと思うようになりました」
大豆田とわ子と三人の元夫
「2021年に放送された『大豆田とわ子と三人の元夫』です。印象的だったのは、主人公・大豆田とわ子が、公園で知り合った男性に、親友を失くした話をするシーン。彼女との最後を後悔しているとわ子に、男性が言った『あなたが笑ってる彼女を見たことがあるなら、今も彼女は笑っているし、5歳のあなたと5歳の彼女は今も手を繋いでいて、今からだっていつだって気持ちを伝えることができる』という言葉が心に残っています。
時間は過ぎるし、人も変わっていくけれど、そのときと、そのときあったものは、ずっと残り続けるんだなという事実に、ハッとさせられました。ここにたしかにいた人たち、これをつくった人たち、その人たちが過ごした時間、そして私や私の周りの人が通ってきたところ……。想像して思いを馳せると、過去につながっていける気がしますし、精いっぱい今を生きようという気持ちになります」
4. 山本大貴さん「リーダーが必死になってプロジェクトを動かしている姿が忘れられません」
下町ロケット
「池井戸潤さん原作で、日曜劇場で放送していた『下町ロケット』。リーダー・佃航平が、ひとつのプロジェクトを遂行するために、必死になって頭を回し、ときに周囲とぶつかりながらも情熱を燃やす姿が好きです。
その姿に影響されて、私もプロジェクトに熱中して取り組むタイプになったと思います。また大袈裟ともいえるくらいの人間ドラマもとても面白く、欠かさずに見ていた作品です」
5. 五十嵐にいかさん「女性として強く生きていきたいと思えた作品」
江~姫たちの戦国~
「もともと日本の歴史が好きなので、幼いころから大河ドラマを通じてよく日本の歴史を学んでいました。なかでも『江~姫たちの戦国~』は、大河ドラマでは珍しく、歴史の中の女性をテーマにしている作品。当時、男性に比べて、圧倒的に決定権を持っていなかった女性の活躍が描かれています。
大河ドラマは実際に起こった歴史的事実をもとにつくられているので、より人間味やリアリティを感じることができます。特にこのドラマを観てからは、ひとりの女性として、強く生きていきたいと感じさせてくれました」
6. くるみさん「性に対する価値観を再認識させてくれました」
セックス・エデュケーション
「普段あまりドラマを見るタイプではないのですが、この作品は薦められて見ました。登場人物がほとんど高校生で、性教育やさまざまなセクシュアリティを題材としたドラマ。観る前と後で、私の性に対する価値観は、かなり変わりました。
自分が思っているよりもいろいろな人がいるということや、自分が思いつかないような視点で物事を捉えている人がいることなど、本当に勉強になることばかり。登場人物のキャラクターも面白く、笑えるところもたくさんあるので、ぜひ同世代の人に観てほしいです!」
7. 桶谷圭吾さん「同じスタートアップ業界にいるひとりとして、共感しまくり」
スタートアップ:夢の扉
「最近観た作品なのですが、Netflixで配信されている韓国ドラマ『スタートアップ:夢の扉』にハマりました。
僕自身、スタートアップ支援の会社『Gaiax』でのインターン活動をしていたり、サービス開発をしたりしているので、自分と重なる描写が多くあって。このドラマを観たことによって、仕事に対するモチベーションがめちゃ上がりました!」
8. 北村優斗さん「人生初のプロジェクトを起こすきっかけとなった作品」
ホントの恋の見つけ方
「小学生のときに偶然見つけた、土曜の深夜に放送されていた台湾ドラマ。若干ベタとも言えるくらいの恋愛ドラマだったんですが、当時土日につらい野球の練習があったので、練習から帰ってきてからこのドラマを見るのが、何よりの楽しみでした。
このドラマをきっかけに、小学5年生のときに人生初プロジェクトである『恋愛プロジェクト』を創始し、学年全員の恋愛事情を調査・拡散したり、自身で恋愛小説を執筆したりと、精力的にプロジェクト活動するきっかけとなりました」
大河ドラマから恋愛ドラマ、海外ドラマまで多様な作品がそろいました。ドラマの主人公や登場人物の姿、セリフに影響を受けたティーンは多いようです。最近では、過去の名作もたくさん配信されていて、時代を遡ってみるのも、楽しいかもしれません。
Photo:Eri MiuraText:Ayuka MoriyaEdit:Takeshi Koh