「気になる10代名鑑」185人目は、Chieriさん(19)。小学生のころからガールスカウト活動に参加し、今年からは指導者として、子どもたちの活動を牽引する立場に。学校の外にも選択肢や居場所をつくりたいと語るChieriさんに、次世代に伝えたい想いや将来の展望を聞いてみました。
Chieriを知るための5つの質問
Q1. いまいちばん力を注いでいる活動について聞かせてください。
「ガールスカウトでの指導と、SNSを通した啓発に力を入れています。小学3年生のときから所属しているガールスカウトで、今年の4月から正式な指導者として、主に小学校高学年の女の子を指導しはじめました。
ガールスカウトには『自己開発』『人との交わり』『自然とともに』という教育の3つの柱と、活動の重点『仲間と共にさまざまな挑戦』があります。それに加えて、子どもたちにこうなってほしいという願いや、こんな社会を築いてほしいという私自身の希望を込めて、指導に務めています。
キャンプや地域でのボランティアで、年下の少女たちと一緒に活動するなかで、自分が『ロールモデル』として伝えられる前向きなメッセージがあると思うんです。いつも笑顔で楽しく、ありのままの自分と他人を愛する姿勢を、子どもたちの前では特に意識的に貫くようにしています」
Q2. 活動を続けているなかで、喜びを感じる場面を教えてください。
「ガールスカウトで、子どもたちの精神的な成長が見えたときが、いちばん嬉しいです。
ずっと内気で恥ずかしがり屋だった子がみんなの前で堂々と話をしていたり、最年少としてみんなからかわいがられていた子が、それまで自分がしてもらっていたように年下の子を面倒を見ていたりすると、自分の伝えたかったことが伝わったんだなとわかって、嬉しくなります。
SNSにも、同世代の方から、私の発信していることに影響されたという嬉しいコメントをもらうこともあります。自分の思いが伝わったと実感できるし、いろいろな人と繋がれて、小さな出会いが大きなプロジェクトやイベントに発展したりするので、大切にしていきたいです」
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Q3. 社会や未来に「こうあってほしい」と思うビジョンは?
「自分で選べる選択肢が多くて、人と人がもっと愛しあえる、助け合える世界になってほしいです。それから、もっと若者の声が反映される、自由な社会にも……。
私にとってのガールスカウトのように、学校以外にも学ぶところがあって、選択肢があることで、挑戦できる機会は増えると思います。学生のうちは学校だけが世界のすべてのようになりがちだけど、もっと広い世界を知ることは絶対に必要です。
私自身、高校生のとき『先生の言うことは絶対』という環境に違和感を抱いていました。誰もが強い力に潰されることなく、自分の人生を生きてほしい。固定観念に縛られてほしくないんです」
Q4. 悩みや壁を感じることはありましたか?
「高校時代、自由に発信できる学校外と、そうではない学校内のギャップが大きくて、学校に通う意味を見出せなくなってしまいました。
そうなったのは3年生のときだったので、『あと少しだけがんばろう』という気持ちで通い続けられましたが、学校のことを考えるといつも憂鬱で……。きっと、私と同じような悩みを抱えている人はたくさんいるし、これからもますます増えると思うんです」
Q5. 今後の展望・将来の夢は?
「まだ迷い中ですが、学校ではないところで、子どもの教育に関わって、子どもに直接影響を与えられるような仕事をしたいと思っています。
また、アートや言葉で世界を平和にすることにも興味があるので、『アトリエ』と題して、誰でも気軽に集って語り合える、芸術活動ができる場所や、コミュニティをつくりたい。
直感的な思いなのですが、これからは、人間同士のアナログな繋がりが貴重な時代になってくると思っています」
Chieriのプロフィール
年齢:19歳
出身地:神奈川県秦野市
所属:神田外語大学GLA学部、ガールスカウト日本連盟、Save the Childrenユース、高校生団体みらいのガッコウ
趣味・特技:音楽、自然を感じに行く、外国語
大切にしている言葉:Love & peace、自由
ChieriのSNS
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Photo:Eri Miura
Text:Mai Sugawara
Edit:Takeshi Koh