「気になる10代名鑑」169人目は、NeNeさん(19) 。SFっぽい世界観で女の子のセクシーを表現する、「マルチメディアセクシーアート」を創作しています。秋からイギリスの美大に留学するというNeNeさんに、日々考えているというセクシーとフェミニズムについて、聞いてみました。
NeNeを知るための5つの質問
Q1. どんな活動をしていますか?
「媒体を問わず、パンクでセクシーな女の子を題材にしている『マルチメディアセクシーアート』を表現しています。秋からイギリスの大学に留学してファインアートを学ぶ予定で、いまはギャップイヤー中です。
露出が多かったり、カラダのラインが出る服をまとう女の子に、すごく惹かれるんです。特にSFっぽい雰囲気が好み。自分もそういった服を着ることが多いですね。
あとは、フェミニズムも大事な要素。セクシーとフェミニズムって、相反する概念だと捉えられがちだけれど、わたしは両立できると信じていて。
高校時代は、パンクロックフェミニズムムーブメントである『ライオットガール』に憧れて、以前Steenzにも出ていた龍治と、ほかの親友たちと4人で、バンドを組んでいました」
Q2. 創作活動のコンセプトは何ですか?
「作品に一貫しているコンセプトは、『変身』だと思います。
モチーフとしてよく登場する、鎧などの装備アイテムたちは、自分がコスプレが趣味だった時期の影響が強いなって思います。最近制作した、身に着けられる粘土作品『粘土ブラ』は、まさに装備ですね。
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あとは、自分だけの『痛バッグ』をつくりたくなって、自分の缶バッチをつくったんです。これも、オタクが推しを身に着けることで、もっと自分に自信を持てるようになる鎧だと思うんです。
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わたしはそれを『鎧バイブス』って呼んでるんですけど、自分のテンションがアガるものに身を包んで、強いものへと変身することって、素敵だなと思って。ずっとオタクをしていたことが、こんなところにまで影響されてるなんて!」
Q3. 創作活動をしようと思ったきっかけは?
「高校時代のバンド活動と、『GIRLS ROCK』というサマーキャンプですね。ライオットガールの存在を知るきっかけとなって、あの人たちみたいになりたい!と思えるようになりました。実はずっと絵は描いてたんですけど、人に見せてこなかったんです。でも彼女たちに憧れてから、グーンと自信がつきました。
サマーキャンプは、女の子たちがバンドを組んで、最終的に披露するっていうものでした。そこで参加者全員で歌ったのが、ライオットガールの先駆者であるBikini Killの『Rebel Girl』という曲。
ライオットガールは、スマホもない時代に、アメリカの田舎からコミュニティを立ち上げたすごいパワフルな人たち。それにくらべて、東京は何でもそろっているのに、わたしは何をしてるだろう……ってちょっと焦りました。
そのあと、ちょうどギターボーカルの子が『ライオットガールみたいなバンドを組まない?』って誘ってくれたので、やってみることに。
バンド活動って、いろんな表現方法を全部詰め込めるいい方法だなと思って、フライヤーやオリジナルTシャツ、EPも作りましたし、ミュージックビデオも制作しました。ホント、映画みたいな青春を送れたので、みんなには愛しかないです」
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Q4. 具体的にはどんな作品をつくっていますか?
「ここ1年のいちばん大きな作品である卒業制作では、日本のユースカルチャーにインスパイアされて、『ねね式プリ機』をつくりました。
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ギャル、スケバン、セーラー服、それにプリクラに、すっごい憧れてたんです。でもその裏には、日本特有の校則にまつわる問題もあると感じていて。
調べていくうちに、校則のポスターに興味を持ち始めて。例えば制服を着崩している人を悪者扱いしているポスターとか、『スカートが短いから痴漢される』みたいな内容のものとかもあって。オリジナリティを排除しようとする動きって、怖いなと思うんです。
だから、風刺のアートとして、自分で校則のポスターをつくったんです。ポスターに出てくる男子高校生とか、地域のおじいちゃんおばあちゃんとかは、全部ひとりで演じました(笑)。
それを、あえてキラキラした青春の象徴であるプリ機の中にたくさん貼りつけて、プリの落書きコーナーみたいに、中に入った人がポスターに落書きできるようにしたんです」
Q5. 今後の展望を教えてください。
「リスペクトしあえるミュージシャンやアーティストとコラボしたい。あとはライブをいっぱい見て、人にタトゥーして、おしゃべりして交流を広めたいです。今度留学するブライトンは、タトゥーパーラーも多いみたい。タトゥーマシーンは最近届いたばかりだけれど、現地でタトゥーアーティストに弟子入りできるように、いまはデザインを練習中です。
あとは『空耳アワー』に起用されたいなあ(笑)」
NeNeのプロフィール
年齢:19歳
出身地:東京
所属:なし
趣味・特技:中古CD集め、おしゃべり、メルカリ鑑賞
影響を受けた人物:アメリカ在住のアーティスト・Kiriko
NeNeのSNS
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Photo:Eri Miura
Text:Atsuko Arahata
Edit:Takeshi Koh